姫路大手前・岡崎外科 消化器肛門クリニック ブログ・肛門科通信

姫路城が好きで姫路在住の消化器・肛門科医によるクリニックのブログです。胃腸肛門の情報あり、気軽にお越し下さい。

痔は手術しないと治らない? 岡崎外科姫路の肛門科のブログ

2013-01-29 17:37:49 | 内痔核(いぼ痔)
痔は手術しないと治りません!と言われるとびっくりしますね。実はこの言葉、大変奥が深いのです。内痔核「いぼ痔」を例にしてお話しましょう。人間が手を使う様になって、お尻が常に下向きになってからというもの、重力とうっ血により、肛門クッションが太って下垂する様になったものが内痔核です。つまり、内痔核は組織の「退行・変成」によって生じたものです。顔にしわがよるのと同じですね。したがって、薬では、余分な腫れをとることはできても、もとに戻すことはできないのです。もとに戻すには手術で「切る」か、注射(ジオンやパオスクレー)で小さくするしかありません。じゃあ、お尻の調子が悪いときに、ボラギノールやプリザエースで治るのはどういうこと?と思われるでしょう。当院でも、急に悪くなった痔核にたいしてはまず投薬(ネリプロクト、ボラザ、強力ポステリザンなど)を行います。急に生じた余分な腫れや、血栓は薬を使って、安静にしていると軽快しますから、結局は症状を取っているのです。みえてきたでしょうか?私の方針は「症状を改善する」なのです。痔核によって命を取られることはありませんから、「絶対手術しないといけません」ということはほとんどありません。つまり、もとに戻らなくても、症状がとれたら別にこまりませんものね。痔核は人間の宿命ですが、その宿命と重力と症状の間で絶妙なバランスの立ち位置を提案するのが、私の仕事と思っています。

医療情報をご希望の方へ。携帯でアクセスの方は「アーカイブ」、PCの方は左の「カテゴリー」から項目を選んで読むことができます。アーカイブ、カテゴリーはいっぱいあるので、下の方まで見てくださいね。携帯向けHPはこちらです。パソコン向けHPはこちらです
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする