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酎天おやじの人間風景

他人に合わせることが苦手な酎天おやじ。
酎天おやじがこれまで見た人間や風景、これから会うであろう人間や見る風景。

受け入れ拒否

2007-11-15 18:31:08 | ひとりごと

Iki013 1週間の間に3件のCPAに遭遇しました・・・残念ですが、3件共に救命には至りませんでした。

今回の3事案は全て『急病』で、3事案とも現場到着時には”意識、呼吸、脈拍”の全てがなく、現場でも車内でも話すことは出来なかったのですが、先月のQQ事案では意識があり、話しながら病院まで行った傷病者が約4時間後に死亡というニュースをTVで知り、愕然とした経験がありました・・・話をしながらの搬送後は『病院に着きましたから、頑張ってくださいね。』といい、助かってほしいと願います。

昨日の福島での交通事故で病院側の患者の受け入れ拒否で79歳女性死亡、『搬送中、意識があり、呼びかけに反応していた。』との報道を見て、俺と同じ気持ちになっているかもなと思いました。

QQ隊は現場に着き、傷病者に向き合うことが出来なければ、蘇生の判断も処置も出来ないというもどかしさもありますが、現場に着いて状況を把握して搬送希望病院を選択し、処置をしながら受け入れ先を指令に託す・・・重症の場合で意識があるときは意識を切らすことがないように懸命に話しかけながら『早く病院が決まれ。』と心の中で叫びながら処置することもあります。

現実の事案では、通報までの時間、現場までの時間や病院までの搬送時間、それにバイスタンダーによるCPRの有無などのいくつかの要件がうまくかみ合ったときに”命の天秤”が生の方向へと傾くのではと思っています。

搬送した傷病者にあった適切な病院手配が出来て、”救命の輪の最終ランナー”である病院での最適な処置を早急に受けることが出来るということが、社会復帰の第1歩になると思っていますが、医療処置の出来る病院が受け入れてくれなかったらQQが完結しないですね。

俺の地区でも『かかりつけなのに診てくれない。』とかいうような話をいろいろと聞きます・・・緊急性の高い事案の場合、たらい回しのようなことはないと思いますが、病院側にも都合や受け入れられない状況などを、受け入れを要請する側によく伝え、お互いに”本当に受け入れが困難”だということを理解することも必要になってくるのではと思います。

今後、手配する側と手配を受ける側が、”緊急性の高い事案であることを互いに理解する体制”をつくること、『手術中』とか『急患の処置中』といった事情など”相手に正確な情報を伝える会話能力”も磨く必要があると感じました。


オーバートリアージ

2007-11-13 18:20:23 | ひとりごと

Norimono_0008 今日の朝の寒さはチョッと我慢できないくらいでしたが、風は少し強いでしたが、昼の暖かさは汗ばむほどでした。

昨日の朝、”80歳代女性、頭痛と嘔吐、めまい”で搬送しましたが、本人は『めまいと嘔吐があったし、前と似ているからメニエール病じゃないかな?』といっていましたが、車内観察で”既往症に高血圧があり、血圧が高く、頭痛あり”ということでCTが必要かなと思いました・・・幸い、かかりつけ病院がCT検査の出来る施設だったのですぐに搬送しましたが、病院側も脳疾患を想定していたようで、到着後すぐにCT室に直行でした。

このような”頭痛、嘔吐、めまい”が原因で発生する緊急性の高いもの、可能性のある疾患を主訴や症状、検査などを実施して消去法で一つずつ消していくことが、原因疾患に近づく早道ではないかと考えています。

俺たちQQ隊は、傷病者の主訴や症状を聴取・観察して、QQ隊としての知識と処置を駆使することで正確で確実な”トリアージ”を行うことが出来るようになることが大事・・・QQ隊は常に知識と手技に磨きをかけることが重要だと考えます。

俺の搬送した傷病者の中にも”腹部大動脈瘤破裂”や”くも膜下出血”の傷病者で、現場では意識ははっきりしていても、腹部大動脈瘤では『腰が立たない』、くも膜下出血では『頭痛だけ』という主訴であり、観察を一つ間違うと”軽症”と間違っていたかもと後で背筋がゾッとするほど怖くなる経験がありました。

ひとつとして同じ現場はないQQ事案では、いくら勉強をしても経験があったとしても傷病者を前にしたときに『この人は本当に軽症なんだろうか?、何か見落としたことはないだろうか。』とか、またCPAや死亡の現場では『この人は本当に心肺停止なのか?』といつも不安はついてまわります。

緊急性の高い事案の場合は、見た目は軽症に見えても検査の出来る施設を選択するという”オーバートリアージ”となったとしても、仕方ないのではと考えます・・・後で悔しい思いはしたくないですから。


軽には軽油?

2007-11-11 17:27:54 | ひとりごと

Oil_pump 秋の火災予防週間3日目、びっくりするようなニュースを目にしました。

セルフ式のガソリンスタンドで”ガソリン車に軽油を給油して動かなくなる”というトラブルが相次いでいるということで、田舎でもセルフ式のスタンドが確実に増えてきているので心配です。

ガソリンが値上がりし、いつもはセルフスタンドで給油をしない人たちが、少しでも安い燃料を求めてセルフスタンドを利用する気持ちはわかりますが、自分の車の燃料がガソリンか軽油かくらいはわかって給油してほしいです・・・今回は誤給油した車が『走行中に白煙を噴いてエンジンが止まる。』ということで、今のところ人命にかかわるような不具合はないようですが、これから暮れや正月に向かい、混んでくる高速道路などで急に止まるなどのトラブルが生じたら、他の走行車両を巻き込む事故も予想されます。

自分の車の燃料は『ガソリンor軽油?』、このような基本的なことも解らずに車の運転をしていることが信じられないことですが、幸い事故は発生していないようでホッとしています・・・それでも実際に”誤給油”が起こっているということで明日からでもセルフスタンドに注意を喚起していかなければと思っています。

聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。”

少しでも安いガソリンを求めて、セルフスタンドに行き、『軽自動車だから軽油を入れた。』や『一番安い燃料を選んだら軽油だった。』という理由で誤給油をして、動かなくなった車の修理に何十万円では本末転倒な結果ですよね。


秋の火災予防週間

2007-11-10 17:42:20 | ひとりごと

Ika002 昨日から”秋の火災予防週間”が始まり、午前中は幼稚園・保育園児による防火パレードがあり、午後からは防火対象物の査察を行いました。

何件かの対象物をまわってみて感じたことは、男性は比較的火災の怖さやお客の避難に関することに対する注意を聞いてくれるのですが、女性の中には、全部とは言いませんが安全に対する気持ちがあるのかなと不思議になる事業所があります・・・非難口の誘導等の電球を外して、『電気代がもったいないから節電』というような当然のような顔をしている、びっくりしました。

査察を終って、記録をつけていたときにQQ指令、『○○交差点でバイクと乗用車の衝突事故』で出動、現場では警察が到着し交通整理を行っていたので、すぐに観察に入れて車内収容に5分くらいで出来ました・・・いつもこんなに早く対応してくれたら楽なのにと思うことでした。

QQ機械員がJPTECの受講者だったので、『ヘルメットを取るぞ。』といい、すぐに一緒にヘルメットを脱がせてバッグボード固定が出来ました・・・ここでも悪気はないと思うのですが、『ヘルメットは脱がさないほうがいい。』とか『動かさないほうがいい』とかいう女性の声が聞こえて、手が出てきたりしました。

目の前で交通事故を目撃し、興奮していたのだと思いますが、『ありがとうございます、QQ隊も外傷学を学んでいますので任せてください。』といったら、手も口も出てこなくなりました・・・いつもは女性の人は現場には手伝ってくださいといっても来ないのですが。

現場は軽乗用車のバンバーは外れ、フロントガラスに頭部が当たった後に丸くひびが入っていて”高エネルギー事故”の様相を呈していたのですが、さすがに若い高校生、骨折もなく、打撲と切創だけでした・・・高齢者だったら重症事故は免れなかったかもと思われる事故でした。

次に昨日と同じ、日付の変わった3時過ぎに『様子がおかしい。意識はある。』というQQ指令、現場着をして布団の中の傷病者を観察したら”意識レベル3桁、徐脈、徐呼吸”であり、搬送のために布団をめくると『下血?脱糞』というようなしみと臭いがあり、車内収容を急いだ。

車内でモニター装着、酸素投与をしながら搬送中に徐細動メッセージがあり、VFを確認し徐細動、CPR,徐細動と徐細動を2回実施しましたが、心電図上心静止になり、CPRをしながら病院着。

病院で”蘇生処置”の手伝いをしていると、胸骨圧迫のたびに口から大量の血液の逆流があり、アドレナリンにも硫酸アトロピンにも反応せず、搬送後、1時間弱で”腹腔内での大量出血”で死亡確認という残念な結果でした。

ACLSの受講時に経験する”循環血液量減少”による事案で、貴重な経験ではありますが、二日連続のCPAは精神的にも肉体的にも非常に疲れます。


サンキュウ、ベリマッチ

2007-11-08 16:28:57 | ひとりごと

Kiyuukiyuuani01 昨日、昼間は汗ばむような気温でした。

昼間に”90代女性はサツマイモの収穫準備で朝から畑で作業中、意識低下”ということで出動、大量発汗により脱水状態になったみたいで、一時的な意識低下を起こしQQ要請したみたいでした。

一緒に仕事をしていた娘さんが『そんなに頑張らなくても。』といってもいうことを聞かないといっていましたが、病院到着時には意識もしっかりして、『サンキュウ、ベリマッチ』とお礼を言っていました・・・元気で明るいおばあちゃんでした。

次のQQは日付の変わってすぐに現場到着まで15分くらいかかる地区のQQ要請で”80歳代女性、胸が苦しい”ということでした・・・車内で指令書の地図をみながら、『ここに道や家があったかな。』と話しながら現場付近に着くと案内人がいて道案内をしてもらいました。

案内してもらっても『ここを車が通るの?』というような道の先に家があり、『大丈夫ですか?』と声をかけると返事があり、モニターでバイタル確認をしながら掛かりつけ病院へ手配をして搬送しました。

病院から帰る途中に『今回は案内人がいたからよかったけど、いなかったら道路からは家も明かりも見えないし、現場に着いたかな。』と思うと冷や汗たら~りでした・・1件しか人家がない地区ももう一度しっかり確認しなくては反省でした。

2件目から帰って次の出動準備をし少し休もうとしていたら、3件目のQQ要請、”『病院へ連れて行って』と電話がきたので、来て見たら家に鍵がかかりは入れない。”ということで、現場に着いて通報者と合流、状況を聞きながら、家の周りを見てまわると同時に『近くに家族や親戚、鍵などを任されている人を知りませんか?』と聞きましたが、『わからない。』ということでした。

傷病者は『居間にベッドを置き寝ていた』という情報で、玄関から居間に向けて呼びかけると同時に傷病者の存在を確認しようとしましたが、返事も物音もなく、部屋の中に人のいる気配を感じることが出来ず、警察に連絡しました。

現場に到着した警察が勝手口のドアを破壊し室内に侵入するのと一緒に中に入り、CPAの傷病者を発見し、病院へCPRを実施しながら搬送しました・・・傷病者の足でも手でも少しでも見えたり、動く音でも確認できたら、ガラスでもドアでも壊せたのにと残念に思いました。

以前にもこのように家中の鍵がかかり中に入れないという事案を何件か経験したことがあります・・・警察、福祉、近所の人たちが集まってもヤッパリ何も出来ずに”家族、親族の同意が必要”だということを再確認し、家族への連絡がつかず、QQ対応が遅くなったという残念な思いをしたことを思い出しました。

田舎のひとり暮らしの場合、鍵など用心することは大事だし、別居している家族からみたら重要なことだと思うのですが、”万一の場合”を考えて、緊急時の連絡先を家の近くの誰かに伝えておくというような取り組みも考慮する必要があると考えます・・・緊急時に対応する人たちに伝わるように。