酎天おやじの人間風景

他人に合わせることが苦手な酎天おやじ。
酎天おやじがこれまで見た人間や風景、これから会うであろう人間や見る風景。

明日は我が身②

2009-01-31 17:28:28 | ひとりごと

Kiyuukiyuuani01 気温が20℃を超えた昨日とは打って変わり、今日は朝から強い風が吹き荒れています。

庭の木も遠くに見える山の木も北風に押されて、激しく傾いていますが、地元の”氷の祭典”で準備している若い職員、風邪をひかないように気をつけてほしいものです。

インターネットのニュースでまた、『東京消防庁のQQ車が首都高の出口を間違え、12km遠回りし、17分搬入が遅れ、搬送中の傷病者死亡。』というQQ隊の不祥事のニュースが出ていました。

確かに機械員となるのであれば、病院の場所や位置関係は把握しているのが当たり前といわれたら、その通りだし、仕方のないことだとは思いますが、田舎でも違う管轄の2次医療機関への搬送などを依頼されて、場所や道路がわからないことが多々あります。

今回の東京のQQ車にはカーナビゲーションシステムがついていたということのようですが、2004年に導入ということでナビ情報(ゼンリン地図など)は最新のものに更新されていたのか・・・各新聞の記事を見るとカーナビの情報に従ったのが悪いような書き方で、カーナビがないとなったらカーナビくらいつけろという書き方をするのだろうと感じました。

それでも月に2回同じような不祥事では、職場で『初歩的なミスで、今後は指導を徹底していきたい。』という内容のコメントを出すことは仕方がないかもしれませんが、現場にだけ責任を押し付けるのではなく、原因を徹底的に追究してほしいと思います。

また、この件ではQQ医で作る検証委員会が『到着遅れ問いの因果関係は低い。』という趣旨の見解を発表しているのが同じ仕事をしているものとして救いです・・・不祥事をやりたくてする人はいないと思います。

それに記事を呼んだ人のコメントの書き込みでも、QQ車の病院着を遅れたことを責めるのではなく、QQ隊の側に立った見方をしてくれていること、明日は我が身でいつ自分の身に降りかかるかもしれないという他人事ではないだけに涙が出るほど嬉しいです。

QQ1件1件を誠実に活動し、『QQ隊が着たから大丈夫。』と信頼されるようにこれからもやっていこうと思います・・・”信用を得ることは長い時を要するが、失くすのは一瞬”ということ。


帰ってきたどー

2009-01-30 17:21:22 | ひとりごと

Person_0317 2日間、有意義な時間を過ごし、また少し元気をもらった”全国QQ隊員シンポジュームIN熊本=集え・QQ現場の声”からさっき帰ってきました。

主催者側である同期の友人に聞くと、交通の便や場所が九州ということで参加者が集まるのかと心配していたようですが、日本全国から参加があり、少ない時の対応も考えていたようでしたが、心配も杞憂の終ったようでした。

1日目の基調講演と2日目の”ガイドライン2010の動向とQQ隊員の使命”の時は2~300人収容という第1会場が、超満席となり、立ち見も出るような状況も見られ、その他の4つの会場も演題によっては入場者100%超の会場もたくさんありました。

俺の研修所時代の同期も5~60人、九州各県や鹿児島の大部分の消防本部・局からも参加者が多く、至るところで『おう、久しぶり』という言葉が行き交っていました・・・俺の職場からも7人参加していました。

1日目は朝9時前に到着、会場で受付をし、パンフレットをもらい、発表演題や内容を確認しましたが、聞きたいものや見たいものが重複する時間帯もあり、あっちの会場、こっちの会場と飛び回りました・・・身体が3つ、4つほしいと思いました。

職場でのQQ隊員の教育”やポスターセッション、”救命士の再教育”、”岩手・宮城内陸地震報告”などの会場を飛び回り、あっという間に1日目終了時間になりました。

そんなこんなで夕方になり、雨の中、菊池温泉での同期会に旅館の送迎バスで出発、昨夜の同期会は30名弱の参加者で、昨年の静岡に引き続き参加した人や10年ぶりの再会もあり、話しが弾み、時間のたつのも忘れるくらいの楽しさでした・・・温泉もすべすべで最高でした。

2日目は朝、8時半に旅館を出発、同期の友人が司会をするという”周産期・医療体制”というブースを見学し、出産介助の訓練を昨年に引き続き見学しました・・・出産は実際遭遇すること、又は訓練することが皆無といわれてもいいくらい事案が少ないのでシンポジュームで取り上げてほしいという希望がQQ隊員側からあったということで、確かに何回参加しても勉強になります。

そのあと、”ガイドライン2010・・・”と”QQ隊の未来像”という演題を聞き、毎度のことではありますが、いいことばかりではないということ、現実をしっかりと見つめさせられました。

それでもシンポジュームに参加している全ての人は新しい知識を吸収し、広報し、救命率を上げていこうという気持ちは同じであるということが救いです・・・去年の静岡のシンポジュームの時もそうでしたが、自費で参加していると話す人が大半で、それだけ勉強になる、勉強したいと思っている人が多いということではないかと感じます。

シンポジュームの最後に”QQ隊の未来像”というの演題の時に司会者など壇上からでた『今回も自費で参加している人たちがたくさんいますが、一生懸命に勉強しようという気持ちを感じます。』というような意味の発言があり、大半の自費参加者は参加してよかったと思ったのではと思います。

次の18回は、石川県の金沢で今年11月に開催ということで、出来るものならぜひ行きたいと思います。


明日からQQシンポ

2009-01-28 17:38:38 | ひとりごと

S154_013 昨日、久しぶりに一時的に管内のQQ車5台のうち4台が出払うという事態が発生しました・・・年に1回あるかないかの事態です。

昼前から1時間くらいの間に『新生児の低酸素状態』の転院依頼から始まり、『歩行者と普通乗用車の接触事故』、病院から『脳梗塞』患者の搬送依頼、『腹痛』、またも『脳梗塞』での転院搬送依頼と次々と5件の出動指令がかかりました。

昨日に限らず、転院搬送先のほとんどは管外の病院であり、普通2~3時間以上を要することが少なくありませんが、昨日も2件が管外の病院までの搬送でした。

このような転院搬送で管外病院へ搬送中、QQ車の出払った地域から次の出動指令がかかったとしたら、出動可能地区から出動し現場着まで30分以上かかる地域が出てくるとという現実、1分1秒を争うことのあるQQでは考えられないことかも知れません。

1回の出動~帰署までの時間が1時間以上かかることが多い田舎のQQ事情も、QQ要請をしてくる患者や家族、医療関係者にはわからないことでしょう。

QQ要請する家族にとっては自分の家族の緊急事態にQQ車がいないということは理解できないことだと思います・・・『いつもはこういうことはないのですが。』という言い訳は通用しないことだと思います。

本質的な問題は地元に手術まで行える病院が不足していること、専門Drの不足という現実で、管外の専門病院まで搬送しなければならない患者がいたら搬送するということです・・・それは地元住民も知っていることです。

それでも地元で『何とかならないのか。』と自分に問いかけてみますが、力のないことを痛感させられるばかりです・・・ネガティブになりそうですが、そんなことはいっていられないというのが現実です。

QQは1件1件が”一期一会”、それぞれの事案に全力を尽くすことが大事だと思っています・・・住民に不平等があってはならないし、不安や不満を補うのは現場へ出るQQ隊の対応次第だと思っています。

明日から”熊本QQ隊員シンポジューム”に行ってきます・・・救命士研修所を卒業し早10年、同期の友人たちと会い、シンポジュームで最新のQQ事情を聞き、ポジティブな気持ちになって帰ってきたいと思っています。


助ける側の人間

2009-01-26 18:21:51 | ひとりごと

S230_022 昨日は朝起きてみると外は一面の雪景色、久しぶりに5cmくらい積もっていました。

午後からは雨に変わり、その後夜になったら雪に変わるのかな、道路が凍ったら怖いなとドキドキしながら一夜開け、外を見たら、まだ雨のままでホッとしました。

今日は”文化財防火ディ”で、管内で5ヶ所の文化財で訓練が実施されるということでした・・・過去には吹雪の中で3ヶ所の文化財を分刻みで移動して訓練を実施したりと相当ハードでしたが、現在はそこまでではないようです。

それでも雪や雨の中では、スリップや道路路肩の踏み外しなど足元不安定の場面では危険だと思います。

人間でも車でも自然が関与したスリップ等の事故であっても、QQ車や消防車が事故を起こしたら格好のニュース種になることは必死です・・・気をつけねば。

今日もnetやTVでは東京の『搬送先病院間違いで66歳女性死亡。』や大阪の『薬物中毒の女性を間違って運び、通報の男性が置き去りにされたという人違い搬送。』、横浜の『通報場所間違いによりCPAの80歳女性死亡。』、秋田の『場所迷いによる73歳の男性死亡。』など今年になっていろいろと不祥事といわれても仕方のないニュースが流れています。

俺も今までに何回かQQ場所特定に時間がかかったことを経験しており、現場付近に到着し、周りを走り回ったり、夜間の場合、明かりの着いている家に駆け込んだりと苦労することもあります・・・それでも通報者が現場をよく知っていない場合など、現場付近での道間違いは起りえる状態だと気持ちの中に織り込んで出動するべきだと考えています。

今回の秋田の事故は屋外の杉林で意識不明で倒れている患者を発見した住民が、傷病者を自宅へ搬送して、約1時間してから119通報ということのようで、QQ車内収容後にCPAとなリ、死因は外傷性のショックということで亡くなったようです・・・これはQQ車が右折場所を間違い、通常15分で着くところを20分かかったからといってその5分の遅れが死亡の原因かはわからないと思います。

俺が経験した田舎である事案として、意識消失や意識低下の傷病者に着替えをさせてからとか、家族やかかりつけ病院へ電話をしたりという現場に遭遇することもあり、『傷病者を発見した時点で通報をしてもらっていたら。』と思うようなことが多々あります・・・助かるか助からないかという以前の問題として。

俺たちには、”最大限の努力をし、最高の結果を出すことが求められている”ということは現実であり、言い訳をしない活動ができるように頑張りたいものです。

ここ数ヶ月に起こった消防関係車両の事故など自分のこととして考え、助ける側が傷病者を作るということは許されないことであり、俺たちは”助ける側の人間”であることを再認識しなければ。


タラップ落下

2009-01-24 17:05:55 | ひとりごと

Norimono_0048 今日は朝から冷たい風が吹き、日の当たらない山かげには粉雪が溶けずに残っていました。

昨日は大分で『造船所のタラップ落下事故』という大変な災害が起き、死者2名重体1名を含む20歳~60歳代の作業員24人が巻き込まれたようです。

今日、県警が事故原因の調査に入ったようですが、会社側の慢心が招いた人災の可能性が強いことを疑わせるような報道が出ています。

1トン強の強度しかなかったタラップの乗り込み任数を制限していなかったり、ワイヤーで補強をしていなかったりということが人的ミスと、ボルトが3本折れていたり、フックが外れたりという不幸な偶然も重なったようです。

それでも2人が亡くなり、1名が重体となっているという重大な結果は、しっかりと受け止めるべきだと考えます・・・ほとんどのけが人が四肢の骨折ということのようで、地元消防が現場に設置したテント付近でトリアージをしている映像が出たり、地元DMATとの協力体制などの様子が見えました。

事故原因はともかくとして、QQ救助の現場活動状況とDMATの活動状況を出してもらったら、地元大規模災害での対応という意味で参考となる事例だと思います。

熊本のQQ隊員シンポに参加したときに聞けたら聞いてみたいと思っています。