昨日から今日にかけて、神戸市の”木造モルタル3階建て住宅火災”で母子4名の死亡が確認された火災についての報道を興味深く見ました。
子供が巻き込まれるような火災の報道を耳にすると、自分の身に置き換えて考えてしまうような気がします・・・モルタル造りということで外見は何事もないように見え、気密性が高いので煙も外に出なかったみたいで発見が遅れたようです。
被害者全員が3階の布団の中でパジャマ姿やジャージで倒れていたということで、逃げようとした形跡もなかったし、火傷や外傷もなく、消防隊進入時には”心肺停止”状態だったみたいです・・・消防隊が3階から救出したあと、玄関先で心肺蘇生をしていたという報道もありました。
原因調査では、階段が”煙突効果”をしたみたいで、1階の洗面所付近で燃えた物質から出た有毒な煙が一気に階段を駆け上がり、3階寝室に充満していき、気がつかないうちにCO中毒となり、身体の自由を奪われていったのではと判断しているみたいです。
俺が昔、聞いた話では、酔っ払ってしまい練炭を使用していた堀コタツの中で眠ってしまい、家族に助けられた後で『気持ちよくなってきて、外の出ようとしたけど身体の自由が利かず、自分で外に出られなかった。CO中毒で危なかったんだ。』と話したというものでした・・・意識ははっきりしているのに、身体の自由が利かなくなるというのがCO中毒の怖いところ。
CO中毒になる前に、煙や炎を検知して知らせることが出来る”住宅用火災警報器”などが設置してあれば助かったのかというと、火災はいろいろな条件が複雑に関係しているので、一概には助かるとは言えないと思います。
もし、火災の煙が2階から3階まで昇り、3階の部屋全体に溜まる前に住宅用火災警報器が発報していたら、誰かが起きて『なんだろう?』と階下を見るというような行動があり、ベランダまでは逃げ出すチャンスはあったように思います・・・階段が一つの場合、ベランダに出てから先は助けを呼ぶしかないですけど。
また、煙が充満する前に起床できて避難出来たらいいけど、気がつかず発報の確認のために階段を降りたら、階段や2階に充満した煙に巻かれて危なかったのではと思います。
昨年、地元であった火災では”高温になった有毒ガスの充満した店舗”から生還した要救助者があったのですが、腰高の高さより上はプラスティックが溶けるほどの温度に上がっていて、酔って寝ていた要救助者が、もし火災に気が付いて立ち上がると高温の空気と有毒ガスを吸い込んで、一瞬で意識を失うと同時に気道を火傷して呼吸の出来ない状態になったと思われる事案でした・・・昨日、会いましたが後遺症もなく、元気に歩いていて嬉しかったです。
今回の母子死亡は悲しい事案ですが、今回のような2・3階建ての一般住宅では、煙や炎が階段室を伝わって一気に上がることが多いので、階段や寝室に住宅用火災警報器があったら有用である、助かったかもということをもっとPRしていくことが重要であると思います。
それに一般住宅にも2方向避難の指導の必要性もあるのではないかと今回の火災で感じました・・・防犯との兼ね合いがあり難しいと思いますが、非難したベランダから避難するための非難梯子などの避難セットがあることを一般市民へ広める努力も必要ですね。
それからTVでやっていましたが、住宅用火災警報器と同期して音と光で知らせる警報機の子機を家の外に設置することも検討の余地はあるかもですね・・・独居老人や高齢者家庭だけでなく。
今回の住宅は、阪神大震災で住宅が全壊し、2006年の住宅用火災警報器の新築設置義務前に立てられた住宅だったみたいですが、既存住宅も火災の可能性がある以上、2011年の義務設置まで待つのではなく、少しでも設置を早めるように広報して指導することが必要だと思っています。