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酎天おやじの人間風景

他人に合わせることが苦手な酎天おやじ。
酎天おやじがこれまで見た人間や風景、これから会うであろう人間や見る風景。

木造モルタル住宅火災

2007-11-06 17:18:43 | ひとりごと

S148 昨日から今日にかけて、神戸市の”木造モルタル3階建て住宅火災”で母子4名の死亡が確認された火災についての報道を興味深く見ました。

子供が巻き込まれるような火災の報道を耳にすると、自分の身に置き換えて考えてしまうような気がします・・・モルタル造りということで外見は何事もないように見え、気密性が高いので煙も外に出なかったみたいで発見が遅れたようです。

被害者全員が3階の布団の中でパジャマ姿やジャージで倒れていたということで、逃げようとした形跡もなかったし、火傷や外傷もなく、消防隊進入時には”心肺停止”状態だったみたいです・・・消防隊が3階から救出したあと、玄関先で心肺蘇生をしていたという報道もありました。

原因調査では、階段が”煙突効果”をしたみたいで、1階の洗面所付近で燃えた物質から出た有毒な煙が一気に階段を駆け上がり、3階寝室に充満していき、気がつかないうちにCO中毒となり、身体の自由を奪われていったのではと判断しているみたいです。

俺が昔、聞いた話では、酔っ払ってしまい練炭を使用していた堀コタツの中で眠ってしまい、家族に助けられた後で『気持ちよくなってきて、外の出ようとしたけど身体の自由が利かず、自分で外に出られなかった。CO中毒で危なかったんだ。』と話したというものでした・・・意識ははっきりしているのに、身体の自由が利かなくなるというのがCO中毒の怖いところ。

CO中毒になる前に、煙や炎を検知して知らせることが出来る”住宅用火災警報器”などが設置してあれば助かったのかというと、火災はいろいろな条件が複雑に関係しているので、一概には助かるとは言えないと思います。

もし、火災の煙が2階から3階まで昇り、3階の部屋全体に溜まる前に住宅用火災警報器が発報していたら、誰かが起きて『なんだろう?』と階下を見るというような行動があり、ベランダまでは逃げ出すチャンスはあったように思います・・・階段が一つの場合、ベランダに出てから先は助けを呼ぶしかないですけど。

また、煙が充満する前に起床できて避難出来たらいいけど、気がつかず発報の確認のために階段を降りたら、階段や2階に充満した煙に巻かれて危なかったのではと思います。

昨年、地元であった火災では”高温になった有毒ガスの充満した店舗”から生還した要救助者があったのですが、腰高の高さより上はプラスティックが溶けるほどの温度に上がっていて、酔って寝ていた要救助者が、もし火災に気が付いて立ち上がると高温の空気と有毒ガスを吸い込んで、一瞬で意識を失うと同時に気道を火傷して呼吸の出来ない状態になったと思われる事案でした・・・昨日、会いましたが後遺症もなく、元気に歩いていて嬉しかったです。

今回の母子死亡は悲しい事案ですが、今回のような2・3階建ての一般住宅では、煙や炎が階段室を伝わって一気に上がることが多いので、階段や寝室に住宅用火災警報器があったら有用である、助かったかもということをもっとPRしていくことが重要であると思います。

それに一般住宅にも2方向避難の指導の必要性もあるのではないかと今回の火災で感じました・・・防犯との兼ね合いがあり難しいと思いますが、非難したベランダから避難するための非難梯子などの避難セットがあることを一般市民へ広める努力も必要ですね。

それからTVでやっていましたが、住宅用火災警報器と同期して音と光で知らせる警報機の子機を家の外に設置することも検討の余地はあるかもですね・・・独居老人や高齢者家庭だけでなく。

今回の住宅は、阪神大震災で住宅が全壊し、2006年の住宅用火災警報器の新築設置義務前に立てられた住宅だったみたいですが、既存住宅も火災の可能性がある以上、2011年の義務設置まで待つのではなく、少しでも設置を早めるように広報して指導することが必要だと思っています。


消防士の育て方

2007-11-04 21:42:22 | ひとりごと

Syoubo1消防士の育て方・・若者たちはこう変わった。”という番組をしていました。

俺は子育てと一緒で”媚らず、迎合せず、叱る時は叱る”態度を取っていれば、自ずと自分のやることは『人を助ける仕事であり、自分のことだけを考えていることは許されない。』ということが解ってくると思っています。

無理だと思ったらそこまで”という気持ちで絶対に無理といわないように授業と訓練に励む消防士に『学校卒業が終わりではない。スタートだ。』といって送り出す教官達、最高です。

教官達の『君たちはできる。』という言葉に送られて配属地に行く初任科生も配属地での教育によっては、その後の消防士としての気持ちが変わることもありえると思えます。

山本五十六語録

やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ。』

何をしていいのか自分のやることが解らない人間には、”やってみせる”ことが重要で、やってみせた後、何回言っても理解できない人間には『この仕事に向いていない。』ということをわかってやることも実年者の一つの決断ではと思います・・・もっとも教える方がやってみせられなかったり、やることがわかっていなかったら、それ以前の問題となってしまいますが・・。

言いたいこと、不満なこと、腹の立つことをじっと我慢している若者もいるようです・・・『今どきの若者は』ということは絶対にいってはいけないと思います。

実年者は、今の自分のことを考えてから、どういう指導をすれば若者のためになるのか、それが巡って若者自身に還ってくるのかということを若者に教えることが重要だと思っています。

消防の仕事の中で救急か、火災か、予防か、どれを自分がやりたいのか、選択することを教えることも教えていくべきだと考えています。

俺的には、田舎で装備も人員も足りないので無理かもしれませんが、”絶対に自分たちで助けるんだ”という気持ちだけは失いたくありません・・・ハイパーレスキューと同じで自己完結の救急救助を求められているのですから。

消防学校の6ヶ月で今まで出来なかったことが出来るようになる・・・すばらしいことです、その喜びをいつまでも持って地域住民のために奉仕するという気持ちを大事にしてほしいと思っています。


災害対策訓練

2007-11-03 18:10:49 | ひとりごと

S276 昨日も静かな1日でした。

この時期は県内各地でいろいろな機関の災害対策訓練があり、ものすごく興味があります。

海上集団災害や原子力発電所、空港など一つの機関だけの単独訓練ではなく、いくつもの機関が一つのチームとなって行動する訓練が近頃の訓練の主流になりつつあります。

先月の31日に行われた”高速船の海上集団災害事故救急訓練”は実際の事故を踏まえての訓練で、”多数負傷者を伴う集団災害事故時の各機関の連携強化”が目的だということで、これからもっとも重要で有意義な訓練だと興味津々だったのですが、見ることができず残念でした。

訓練実施者に『乗客数や負傷程度は知らせず、本番と同じでシナリオなし。』というのがいいですね・・・失敗や予定外のことがあっても、それが訓練の場合、失敗したとしても次に繋がる情報となるし、各機関の情報の共有や伝達方法など、どこがどのくらい足りないか、足りているかも分ってくるし、それらの情報が蓄積されていくので有用で必要な訓練だと思います。

俺もいろいろな訓練に参加させてもらっていますが、情報の共有や各機関の連携は一番難しい問題ではないかと思っています・・・シナリオがあっても全体指揮系統と各部門の指揮系統にずれがあったり、救急救助隊の末端まで情報が来なかったりでウロウロしたことが何回かありました。

それにぶっつけ本番で現場トリアージ、QQ出動と同じで『トリアージを間違ったら、間違っていたら』と考えると怖いですが、このような訓練の積み重ねが現場に適応した救急救助体制が取れると思います。

このような訓練がこれからも増えていくと思っていますが、乗り遅れないように訓練の情報収集や参加をできる限りしたいと思います。

そして救急救助に関係する機関の意思疎通ができるようになり、当たり前となってきたら次は一見、救急に関係ないような異業種も加わる訓練の計画も検討に値するのではと考えています・・・民間人がAEDなどを使った救命処置で救命処置をする時代ですから。


地理調査

2007-11-01 18:07:01 | ひとりごと

Kiyuukiyuuani01 昨日はQQもなく、静かな1日でしたので、QQなどの進入障害になりそうな道路や搬送困難が予想される住宅などの確認をしました。

先日の夜中のQQ出動で現場付近に到着しても現場を特定するのにチョッと困難な事案があり、しばらく”狭い道路や進入困難な道路”確認などしていなかったなと反省しました。

夜中のQQの場合、通報場所とQQ発生場所が違うことも多く、現場付近に着くと”電気が着いている家”を目標に行くことが多いのですが、今回の場合は竹や木に取り囲まれ、家の奥の電気だけが着けてあり、道路から見えず、確認に手間取ってしまいました・・・夜中に起きている家は少ないので、電気が着いている家があるとQQ要請の家と違っていたとしても『○○サンの家はどこですか?』と聞けるから、電気を見るとホッとします。

今回、確認に出て分ったことは、過疎が進み空き家も多くなり、また新しい家が建ち、新しい道路ができているということでした・・・いつも通っているので見ているようなのですが、見ようとする視点が違うと見えるものが違ってくるとあらためて感じました。

1分1秒が命にかかわるQQもあり、地図が間違っていたとか場所が分らなかったということを失くすことを目指したいと思っています・・・出動指令の地図の更新が追いつかない状態もありますが、最新版の購入は財政が・・・。

QQ処置や知識を高めたとしても現場に着かなければ何にもなりません・・・スキルUPと同時に現場到着時間を1秒でも縮められるように、定期的な道路事情や住宅状況の調査をしていかなければと思っています。