病院実習のたびに思うのですが、病院へ行くと救命士は”こうもり”状態に思えてきて、悲しい思いをします・・・病院関係のDrやNs,コメディカルでもなく、病院に出入りする業者でもない、何かを手伝いたくても『勝手に触らないで。』といわれ、手を出すわけにもいかず、『QQ車が入るような緊急事態がないことにはやることがない。』という状態が続くこともあります。
気管挿管の病院実習の4ヶ月の間でも感じましたが、こういう状況に1人で遭遇すると長~い1日となってしまい、気持ち的に非常につらいものがあります。
たった1件のQQ車搬入でもあれば、QQ処置室での救急処置からレントゲン、CT,たまにMRIと検査をして病室まで上がるのに1~2時間くらいかかるので、処置の手伝いが出来るし、傷病者搬入後の処置の流れが見えていい勉強になるのですが・・・。
また、現在の病院実習は救命士が一方的に実習に行っているので、救急処置に携わるDrやNs、コメディカルもQQ車同乗などを体験して、又聞きなど通報者からの情報が少なかったり、現場に行って見なければ分らないQQに一緒に出て見るという試みもやってみることで、お互いに相手の仕事を理解できるようになるのではと思っています。
【今日のニュース】
『遅い、おれが救急車運転』隊員暴行で組幹部逮捕・・時事通信
東京で暴力団幹部が救急活動中の救急隊員3名に対して、救急車から引き出して腹をけるなどの暴行をしたうえ、ほうきの柄で救急車を数回たたき運転席ドアをへこませた。(怪我はなかったそうですが、打撲はしているかも?)
病気の妻を病院へ搬送するために救急車要請し、隊員の救護活動が遅いと『(活動が)遅いので、おれが運転する。』といいだした。
俺たち、田舎でも何回か酔っ払いに絡まれたり、要救助者が暴れたりということがありますが、”じっと我慢するしかない”、救急隊は助けることが仕事で”殴ったら負け”という気持ちがありますから、殴られないように逃げ回るしかないというのが現状です。
警察に連絡してもすぐには来ないことが多いので自分たちで対応するしかないのですが、俺の場合、周りの人が『救急隊の言うとおりにしたほうがいい。』と俺たちの立場に立って説得してくれることもあり、感謝です。
説得してくれる人の多くは、家族や友人がQQ車を呼んだことのある人で俺たちの救護活動を見ていてくれた人たちです・・・救急隊は”傷病者の立場に立ち、現場での処置は最短・最小にし、傷病者に不安を与えることがないように安全に病院へ搬送すること”をモットーとしています。
少し時間がかかるように感じるかも知れませんが、現場での救急車内搬入時間は5分から長くても10分(団地の4階などから)でその間に病歴や主訴などを聞いて、救急車内ではモニターでバイタル測定の準備をしているので、実際の現場滞在時間は長くないと思うのですが、関係者には長く感じるのでしょう。
病院関係者のなかにも救命士や救急隊の仕事について、まだよく理解していない人も多いのだから、一般の人にはまだまだPR不足ではないかと感じています・・・啓蒙に励まねば。