UENOUTAのお絵描きとかブログ

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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 988

2023-12-27 23:18:20 | 日記
「殺すのかよ……」
 
 なんとか立ち上がって俺はそんなことをいった。足元には切り裂かれた教会のやつの死体。見た目は普通の人だ。教会のやつはだいたい高そうなローブを着てるが……それも中央のやつなら、普通はそこらの地方の教会よりも高待遇なのは間違いないから高そうというか高いものを着てる筈。
 それに高給取りだろう。だから地方の教会関係者よりも金はあるはず。でも死んだ奴らはそんな高級な見た目ではない。
 当たり前だけど。流石に市中に溶け込むのに、あまりにも場違いな服装では溶け込めないからだろう。コイツラのプライド的にそんな事をしそうにないが、きっと上の方から無理矢理やらされたんだろうなって思う。
 いくら中央の貴族共だといっても、その中では更に細分化された上下関係があると聞く。そしてそれは絶対。中央の奴らはだいたい地方の街にえらい顔をしてるが、中央に戻れば下っ端……ってのは案外よくあることらしい。
 なにせそもそもが地方に出向させられる様なやつが偉いやつな訳はないっていう。でも選民思想が極まってる中央の奴らは、中央でなくてはすべて下――って思ってるらしい。
 まあそんなのは親父に聞いてたが、実際この目で見るまではそこまで何かおもうこともなかった。なにせ俺自身は中央との関わりなんてまったくないからだ。
 親父はそれこそこのアズバインバカラでもそれなりの権力を有する豪商だからな。中央の奴らと関わることだってあったんだろう。だから忠告してた。
 
 なにせ物資も何もかもを握ってるのは中央だ。それらを卸されてもらうには中央にヘコヘコくらいしないいけなかったり……きっとするんだろう。
 俺はそこら辺全くしらないが……
 
「仕方なかった。お前が馬鹿なことをしたからだ」
 
 ジジ――なんかそんな音が聞こえた気がした。すると女が死体を漁る手を止めて立ち上がって速歩きをしだす。
 
「行くぞ」
「おい、死体は?」
「放っておけ、気づいたら勝手に処理されるだろう。奴らは教会の関係者だ。ちょっと調べればわかること。殺ったって別に構わない」
「ならなんで止めたんだよ」
 
 殺ったって良いのなら、最初からやってよかったじゃんってのが俺の感想だ。なにせ俺は手柄がほしいのだ。ここに入り込んでる教会の奴らを次々と殺しておけば、俺の罪が免責されるのなら、ためらう理由なんて俺にはない。だって俺は死にたくない。誰かを殺してそれを逃れられるのなら……それに越したことなんてない。
 俺はやれるんだ。自分の為なら、躊躇いなく……
 
「そんなのは簡単だ。本当なら、相当上手くやらないとやられるのはこっちだからだよ。今回は運が良かっただけ。それをわすれるな」
 
 そういって女は俺を脅してくる。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 987

2023-12-26 23:44:08 | 日記
「やるんだろ? どうする? 一気に突撃するか?」
 
 俺は腰にある剣に手を添えてそういった。けど目の前の女はこんなことをいってきた。
 
「あほを言うな。死ぬ気か?」
 
 ってね。こっちとしては「はあ?」という感じだ。じゃあなんでこんなことしてるんだよってことだよ。俺たちがここに入り込んでる教会の奴らを殺していくことで、手柄にする――ってことじゃないのか? 見たところ、奴らは武器を持ってるようにも見えないし、やれるはずだ。それに向こうはこっちに気づていない。
 不意打ちならもっと簡単。てかそもそもが見える奴らは鍛えてるようにも見えない。武器を持った相手が突然現れたらきっと何もできないだろう。殺すなんて簡単だ。なのに……ただ見てるだけ? そんな事が出来るか? なにせこいつらを放置してたらこっちに不利になる。今更街に愛着があるかとかじゃない。
 こっち側が負けたらそもそも生きることもできなくなるんだ。なら、やりたいかやりたくないかってことじゃなく、やらなきゃいけない。誰かの為じゃない。俺の為だ。ここで奴らを殺す――俺は女の言葉を無視して飛び出した。
 
 声は出さない。音もなるべく静かに……そして出来るだけ速く駆ける。
 
「なんだお前!!」
 
 けどもちろんだけど、気づかれる。なにせそこまで広くもない路地だ。でも既に近い。問題ない。やれる。俺は抜いてた剣を振りかぶった。信頼してる剣だ。斬れない物なんてない。事実、この剣で切れてない物は今の所ないんだ。
 
「ぐっ!?」
 
 何か違和感があったが、傷つけることは出来た。でも運がいいのか、俺が狙ったやつは足を絡ませて後ろに倒れてしまった。斬れたのはわずかだけ。
 
「ちっ」
 
 ――と思わず舌打ちがでる。一瞬の抵抗、あれがなかったら真っ二つにできてたのに……
 
「貴様!!」
 
 そういって前に手を翳すもう一人の奴。すると次の瞬間、不可視の衝撃が俺を吹き飛ばした。
 
「がはっ!?」
 
 壁にぶつかって変な声をだす俺。何が起きた? まるでいきなり何かがぶつかってきたような……俺はそのまま地面に落ちた。同時に、剣を取り落とす。カラン――と空しい音が響く。
 
「大丈夫か?」
「ああ、それよりもそいつは……軍の奴? ではないな」
「ああ、ただのごろつき? いや、それにしては剣は最新型だ。刺客か。なら……」
 
 俺に向けて一人が手を向ける。すると今度はその手に炎が生まれて丸まっていく。あれを受けたら丸焼けになるのだろうか? なんとかしたいが……まださっきのダメージが……
 
「死ね」
 
 そんな言葉を紡がれた直後、俺は目を閉じる。けど攻撃がくることはなかった。逆になんか「がはっ――」とかいう声とザシュ――という音が聞こえた。恐る恐る目を開けると、そこには二人の教会関係者を殺した女が剣の血を拭ってた。

ある日、超能力が目覚めた件 349P

2023-12-26 23:29:35 | 日記
『えー、じゃあちゃんと見てて』
 
 そういってきらめく風が踊るように空中を移動しだした。まあけど……
 
(そもそもがこいつ実態がない風だしな……)
 
 これが参考になるか? と言われたら、実際なんの参考にもならない。だから野々野足軽はそこはかとなく、虚無の目でみてた。「これをどうしろと?」という目である。
 でも風の子は無邪気なのだ。そして純粋みたいだ。だからこそ、そこには「こんなこともできないの?」とかいう悪意があるわけじゃない。いうなれば「一緒にもっと飛びたいな!」とかいう思いだと野々野足軽は思ってる。
 でもその思いにどうこたえればいいのか? 風を参考にするってことがよくわかんないのだ。だってだ。だって風の子はもとから飛べた存在だ。むしろ、飛べない状態がわかんないだろう。だから野々野足軽の今の状態を理解しろ――と言う方がむりというか? そんな感じだと考える。
 
 なにせ今も風の子は自由なのだ。自由に飛んでる。それが当たり前に出来るからだ。そして野々野足軽はそれが当たり前に出来ない存在だ。だからそれは全く参考になんてならないって思うわけで……
 
『さて、それはどうでしょうか?』
 
 野々野足軽の頭にそんな声が聞こえてきた。それはやっぱりだけどアースだ。でも別にその姿があるわけじゃない。あいつなら、ここにも一瞬で来たり出来るだろうに、なんかでかけてた。まあ出かける……といってもアースは地球そのものだから、外出? と言っていいのかは謎である。
 まあとにかくここにいない筈のアースの言葉が脳に響く。それにすでに状況もわかってるようだ。ありがたい……が怖い奴だ。アースは本当になんでもしってる。「知ってる事だけ……」ではない。知らない事がないのがアースである。
 そんなアースが何かあるということは、その言葉は金言なんだろう。野々野足軽は身構える。
 
(なんだよそれ?)
『本当に参考になりませんか?』
(だって向こうは風だ。ああいう事があたりまえに出来る。でも人間はそうじゃないんだよ)
 
 何か役に立つことを言ってくれるかと思ったが、そういえばアースは地球そのもの。人と見てる視点って奴が違う。
 
『人間にだって出来ますよ』
(はあ?)
 
 いやいやいや――だ。流石に無理だろ。ただの人に出来るわけないだろと野々野足軽は思う。
 
『すみません、普通の人には無理ですね。力あるものにだけできます。あれれ? 貴方にはできませんか? 出来るはずですが? 力――ありますよね?』
 
 なんか煽ってきてるアース。雑なあおりだ。ちょっとイラっとしたが、流石にキレたりはしない野々野足軽だ。それに……やりたいのは満々なのだ。その方法がわかんないんだから、力があるかないかじゃないと思ってる。
 
(これって知ってるか、知らないかじゃないか? だからさっさと教えろ)
 
 そう野々野足軽はアースに伝えた。だってこいつは確実にその方法を『知ってる』だろうからだ。

ある日、超能力に目覚めた件 348P

2023-12-25 17:38:33 | 日記
 野々野足軽はきらめく風についていく。どのくらいたっただろうか? ふと、風の子にこんなことを言われた。
 
『なんか君遅いね』
 
 って。それには流石に「ガーン」って感じでショックを受けた野々野足軽だ。なにせ、なにせそんなのは知ってる。野々野足軽だってこれには満足なんてしてない。だって野々野足軽が想像してた『空を飛ぶ』という行為は、漫画とかで見てたギュイイイン――って奴である。ああいう感じ。もっとすいすい、それこそ鳥とか……いや鳥よりもさらに正確に飛べる、それこそ蜂? とかか? それかトンボとかでもいい。ああいう虫って空中で止まることもできるし、急旋回とかも自由自在で、さらには速い。
 実際これまで野々野足軽が見てきた漫画のキャラはそんな昆虫を参考にしてたのかは正直わかんない。でも考えてみると、まさに自由自在に空を飛ぶって行いは、鳥よりもそっち系なんだと思ってる。
 だって鳥は空中で止まる事は基本出来ないだろう。旋回するのだって、やっぱり大回りしてるように見えるし……そうなると理想はやっぱり虫のように飛ぶこと……
 
(そういうとなんか格好悪いんだが)
 
 鳥のように飛ぶ!! というのと、虫のように飛ぶ!! ってどう考えても前者の方が格好いい。きっと百人中九十人くらいは同じ感想になるんじゃないか? と野々野足軽は思ってる。
 野々野足軽は体を浮かす事が、力の原点だった。ある日、何の前触れもなく野々野足軽の体が浮いた。それによって世界は変わったんだ。だから野々野足軽の飛ぶという行為は、浮くことになってる。つまりは今も浮いてるのだ。飛んでるんじゃない。
 ただ最初は直上に浮くことしかできなかったが、色々とやるうちに全方位に体を自由に移動させることが出来るようになった。そうなると『飛ぶ』といってもいいかな? とか野々野足軽は思ってたけど、どうやら風の子に言われて自覚した。
 いや、わかってたけど、他人に指摘されることで「あ、やっぱりこれ違うんだ」って受け入れることが出来た――と言った方が正しい。そうこれは「浮いてる」んであって、「飛んでる」んではない。
 それがずっと歯がゆかった。だからこそ、心の叫びが野々野足軽から出てきた。
 
「ならどうやったら飛べるのか教えろよおおおおおおお!!」
 
 ――ってね。大丈夫、ここは空だから、周囲には誰もいない。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 986

2023-12-25 17:33:35 | 日記
「やるんだろ? どうする? 一気に突撃するか?」
 
 俺は腰にある剣に手を添えてそういった。けど目の前の女はこんなことをいってきた。
 
「あほを言うな。死ぬ気か?」
 
 ってね。こっちとしては「はあ?」という感じだ。じゃあなんでこんなことしてるんだよってことだよ。俺たちがここに入り込んでる教会の奴らを殺していくことで、手柄にする――ってことじゃないのか? 見たところ、奴らは武器を持ってるようにも見えないし、やれるはずだ。それに向こうはこっちに気づていない。
 不意打ちならもっと簡単。てかそもそもが見える奴らは鍛えてるようにも見えない。武器を持った相手が突然現れたらきっと何もできないだろう。殺すなんて簡単だ。なのに……ただ見てるだけ? そんな事が出来るか? なにせこいつらを放置してたらこっちに不利になる。今更街に愛着があるかとかじゃない。
 こっち側が負けたらそもそも生きることもできなくなるんだ。なら、やりたいかやりたくないかってことじゃなく、やらなきゃいけない。誰かの為じゃない。俺の為だ。ここで奴らを殺す――俺は女の言葉を無視して飛び出した。
 
 声は出さない。音もなるべく静かに……そして出来るだけ速く駆ける。
 
「なんだお前!!」
 
 けどもちろんだけど、気づかれる。なにせそこまで広くもない路地だ。でも既に近い。問題ない。やれる。俺は抜いてた剣を振りかぶった。信頼してる剣だ。斬れない物なんてない。事実、この剣で切れてない物は今の所ないんだ。
 
「ぐっ!?」
 
 何か違和感があったが、傷つけることは出来た。でも運がいいのか、俺が狙ったやつは足を絡ませて後ろに倒れてしまった。斬れたのはわずかだけ。
 
「ちっ」
 
 ――と思わず舌打ちがでる。一瞬の抵抗、あれがなかったら真っ二つにできてたのに……
 
「貴様!!」
 
 そういって前に手を翳すもう一人の奴。すると次の瞬間、不可視の衝撃が俺を吹き飛ばした。
 
「がはっ!?」
 
 壁にぶつかって変な声をだす俺。何が起きた? まるでいきなり何かがぶつかってきたような……俺はそのまま地面に落ちた。同時に、剣を取り落とす。カラン――と空しい音が響く。
 
「大丈夫か?」
「ああ、それよりもそいつは……軍の奴? ではないな」
「ああ、ただのごろつき? いや、それにしては剣は最新型だ。刺客か。なら……」
 
 俺に向けて一人が手を向ける。すると今度はその手に炎が生まれて丸まっていく。あれを受けたら丸焼けになるのだろうか? なんとかしたいが……まださっきのダメージが……
 
「死ね」
 
 そんな言葉を紡がれた直後、俺は目を閉じる。けど攻撃がくることはなかった。逆になんか「がはっ――」とかいう声とザシュ――という音が聞こえた。恐る恐る目を開けると、そこには二人の教会関係者を殺した女が剣の血を拭ってた。