UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 347P

2023-12-24 19:36:35 | 日記
『お願い……もうずっと淀みが僕たちを邪魔してるの』
 
 そんな声が聞こえてきた。幼いような、けど大人のようでもある声だった。てか何重にも聞こえてるのかもしれない。だけど発してる言葉は一つなのか、野々野足軽の耳には一つの言葉しか聞こえない。
 
「よどみ?」
『うん、お願い来て!!』
 
 そういってキラキラとしてる風が野々野足軽にまとわりついてくる。周囲には平々凡々の男子高校生というのを演出してる野々野足軽としてはこの風は困る。なにせ目立つ。こんなキラキラしてる風を纏ってる平凡な男子高校生がいるだろうか? いやいない。なのでさっさと風っ子の願いをかなえてあげることにした。
 色々と気にしてないといけないことはおおいが、日々その力が伸びてる成長期の野々野足軽だ。だから前みたいにちょっと力を使ったらもう疲れてしまう……なんて段階はとっくに超えて、いまや日夜力を使い果たすのに頭を悩ませるくらいだ。なにせ力を使い切らないと力が伸びないからなるべく力を使い切る様にしてる。
 まあだからこそ、自分だけじゃなく他の人にも手伝ってもらうおうってことで他の人にも自身の力を分け与える……みたいなこともやってるのだ。なにせ本当なら、そんなリスキーな事は野々野足軽だってやりたくなかった。
 でも日々大きくなっていく自身の力……それをちゃんと使い果たすためには誰かの手が必要な段階になってたのだ。まあようは力を与えられた者たちは野々野足軽に都合よく使われている――といえなくもない。
 
「しょうがないか……」
 
 
 このまま無視をしても、相手は風である。何回だって来るだろう。それにそれはきっと境なんてない。境というのは、いつ来るか……とかいう遠慮というか、配慮である。でもそれを考えるのは同じ人――という生命体だからであって、風となるとそんなのはないだろうって野々野足軽は思った。
 それに風となればどこにだって現れることができる。もしもここでやらないで、もしも学校の……それも教室であんなキラキラとした風が野々野足軽にまとわりついたらどうなるだろうか? そんなのは大騒ぎだ。無視したって余計に面倒なことになるのは確定してる。なら、さっさと今、その問題は解決した方がいい。
 
 周囲に気を配る野々野足軽。そんなに人通りが多い訳じゃないが、誰が見てるかなんて分かんないからだ。周囲を視線で確認して、さらには力でもちゃんと確認する。そして大丈夫なのを確認してから、野々野足軽は空を飛んだ。そして風っこと共に、空の散歩に繰り出した

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 985

2023-12-24 19:31:18 | 日記
 俺たちは日が落ちたアズバインバカラを走ってる。人がごった返してる大通りではなく、裏路地……けど一気に人が多くなったアズバインバカラではこういうところに一定数の輩がいる。女とよろしくやってる奴、酒に溺れて地面に倒れてるやつ、食べ過ぎたのか吐いてる奴、絡まれてる奴、と様々だ。
 日が落ちてから宵になるまでは3時間程度しかない。なにせ日が落ちた時点で世界は活動を停止するようなものだ。だから俺たちは休む準備をする。もちろん酒を飲んだり、騒いだりするのもこのわずかな時間の楽しみで、それも休む準備だ。
 だから大通りではたくさんの楽しそうな声……俺もついこの間までは向こう側にいた。なのに……今はこうやって路地裏をこそこそとしてるしかできないような立場になってしまった。
 アズバインバカラは俺の町だ――そんな感じで威張って歩いてた。でももうあのころには……俺はそんな不安を振り払って前をみる。前にはあの女が俺を先導するように走ってる。そして俺たちはある人物を追ってた。
 
「まさか、教会の奴が入り込んでるなんて……」
「戦いはもう始まってる。次にぶつかる時がこっちか教会側か……その雌雄が決するだろう。だがな……全面的にぶつかる時なんてのはもう大体の裏工作が終わってるんだよ。それをやってない方は、結局負けるしかない」
「じゃあ、アズバインバカラは……こっちの陣営は危ういのか?」
 
 そういう風になってしまう。だってだ。なにせアズバインバカラという大本営にまで教会の刺客が入り込んでるんだ。それってつまりは、こちら側は懐まで入り込まれてる――ってことじゃないだろうか? もしも教会との戦いに負けたら……それは世界の終わりだといわれてる。生きるか死ぬかだけじゃない……この世界そのものがおわるって言われてるんだ。楽園……寝かせるときに昔聞かされた御伽噺……その楽園に教会の奴らは行くからこの世界はいらないらしい。
 
 確かに昔から親父とかから叱られるとき『悪い奴は楽園に行けなくなるぞ』とかいう脅しを受けた。まさか本当のその楽園にいける? にわかには信じがたい。そもそもが楽園なんてものを想像できない。美女がいっぱいいる場所だろうか? 
 俺がそんな馬鹿なことを考えてると目の前の女が「そんなわけあるか」と言ってきた。そこには確かに確信があるような……そんな自信を感じた。