goo blog サービス終了のお知らせ 

UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第五十三話Part1

2025-08-14 20:19:23 | 日記
「もう元には戻らない」
 
 その彼女の言葉……それはどうやら正しかったみたいだ。なんでそんなことを思ったのか……それは当然、事実として今、それが野々野国人につきつけられてるからだ。あれかは数日がたった。
 それで野々野国人の生活はガラッと変わった。言うなれば世界から花が消えたような……まさに孤独な独身男性の灰色の日々……というのか? そういうのだ。嫌になって別れたのなら、もしかしたら「一人最高!」――とか思えたのかもしれない。でも……違う。そうじゃない。
 野々野国人は本命だった彼女と別れたかった訳じゃない。今だって元に戻りたいと思ってる。彼女が彼女じゃなくなって、家族になることができなくなって、そのせいで野々野国人のテンションは明らかにおちてる。
 
 結婚の為に頑張ってたんだ。そもそもが野々野国人は上昇志向なんてのはそんなにない。仕事だって本当なら自分が生きていける分稼げれば、それ以上なんて求めることはなかった。
 でも一緒に歩む人がいると……そんなことをいってられないだろう。どっちかに偏る……なんてのはしたくなかった。どっちも仕事をしてるわけだけど、自分が支えるんだ……という意識があった。
 それに……だ。それに結婚をするとなれば、その先だって見るだろう。先……それは二人だけの生活じゃない。結婚したあと……となったら、子どもを意識するだろう。二人から三人に……それよりももっと増える可能性がある。
 
 一人暮らしでは増えない守るべきもの……それを意識して仕事を頑張ってたわけだ。それに子どもだけじゃなく、家……もそうだ。二人は結婚後に二人で住むための家だって探してた。
 それはもちろんまずは賃貸だ。でも……ゆくゆくは一軒家だって見据えてた。一国一城の主となる……なんてのは今の時代そんなに誇りにすることじゃないのかもしれない。でも、国人は色々と考えるとやっぱりそのうち家を持って広い家で子どもや奥さんを守りたい……とおもってた。
 そのためには先立つものが必要だ。それはお金である。なので仕事を頑張ってた。頑張れてた。大切な人の為……将来の為に仕事をやってた。
 でも今は……そう今はもう……それらはなくなっている。

転生したらロボットの中だった(ただし出ることはできません)祖にありける新の形 45

2025-08-14 00:06:25 | 日記
 トビウオも……そしてほかの魚も海面へと浮いてきた。どうやらカメの落ちた影響……そして吠えた影響はトビウオたちやミレナパウスさんとかリファーちゃんだけに影響を及ぼしたわけじゃないみたい。まあ当然だよね。なにせカメは巨体なのだ。何かをするたびにその動きは世界に影響を及ぼす。それだけの影響力がある。そもそも津波を起こした時点でその影響力が計り知れないなんてことは当然すぎた。でもあれだけならリファーちゃんたちなら何とかなっただろう。でも音でも同時に攻めてきたことで二人の体は止まってしまった。
 
 けど二人は気絶とかしてないだけまだましだろう。ほかの生命体は今のカメの咆哮で大半がその意識を手放してしまってる。もしも海で彼女たちが気を失ったりしたらどうなるか……それはきっと海に沈むことになるだろう。つまりは死だ。そうなってないだけ、二人は褒められる程度には耐えてる。
 
「ミーお姉ちゃん!」
 
 音が海を揺らしてる。そんな中、なんとかリファーちゃんがミレナパウスさんの体に手を触れることで一瞬にして消えた。空間移動……それを使ったんだ。一気に距離を稼ぐのか? とかおもった。だって空間移動なら逃げる事も簡単にできる。そしてそれは悪いことじゃない。だって逃げる事が簡単にできるということは、戻ってくることだって簡単にできるということだ。だから一回戦線を離脱したとしても別に何も問題なんてない。空間移動のメリットを生かすなら、ここでは一回離脱して、カメが咆哮をやめたときにもう一回戻ってくるのが一番安パイだ。周囲が海だとしても、どこまでも海だとしても、リファーちゃんならそれができるんだから。
 
 でもどうやらリファーちゃんはそんなことはしないらしい。彼女が空間移動で現れたのはなんと咆哮してるカメの顎の下部分。何やる気だ? なんか嫌な予感するぞ。いや、攻める姿勢……それは大切だけどね。うん……でも二人はカメにから見たら、蚊みたいなサイズ感だ。しかもすでにカメは海に着水してるわけでバランスだって崩すことはない。
 
「お願い、私事打ち出して!!」
 
 リファーちゃんには何か考えがあるんだろう。それを受けて深く聞くことなくミレナパウスさんが魔法でリファーちゃんに勢いをつけて打ち出した。
 

転生したらロボットの中だった(ただし出ることはできません)祖にありける新の形 44

2025-08-14 00:00:52 | 日記
 大きな吠えるような声と共に、カメが大きく傾いた。てかそもそもがあのカメはどうやって浮いてるのか……そこらへんから疑問ではあるが、大きく傾いたカメはトビウオと一緒に斜めに空を落ちていく。実際トビウオもかなり大きくなったといっても、カメに比べるとまだまだではある。だって人間サイズで例えると、カメが人間の成人男性くらいだとすると、大きくなったトビウオは野球ボールくらいである。確かに当たったら痛い。ケガだってするだろう。
 でも一緒に落ちるほどかな? と思う気もする。でもそもそもがカメはその体の形的には飛ぶようにはできてないのは確かだ。空を飛ぶような機能はそもそもがカメにはないのだ。それをなしてるのはやっぱりサンクチュアリなのだろう。だからあの巨体のカメが無理やりに飛べてる。そして無理矢理だからこそ、ちょっとした干渉によってバランスが崩れてしまったんだろうって思えた。
 人間サイズで考えたらカメは人間として、ぶつかったトビウオは野球ボールくらいだ。でも無理矢理だったからこそただの野球ボールがぶつかった程度で傾いた。
 
「いっけえええええええ!!」
 
 自分の力で侵入できなかったことをリファーちゃんは根に持ってるのかな? なんかやけに勢いづけてそういってる。そしてそのまま巨大な陸程の体積があるカメが海に落ちる。大きな水柱が立ち上る。そして海全体が揺れるようにカメが落ちた部分が沈み。そしてその分周囲が盛り上がっていく。この世界はほぼ海だから津波の被害……はそこまで考えなくてもいいのかもしれない。
 でももしもそのわずかな陸地にこの津波が襲い掛かる……としたら、その陸地をすべて飲み込むような津波になるだろう。だってそれだけの巨大津波になるはずだ。それだけこのカメはでかい。そしてそんなデカいものが高い位置から勢いよく落ちたのだ。それそこ位置エネルギーと運動エネルギーがとてつもない乗算となって海へと伝わったはず。
 
 大きく沈んだカメ。実はそれから上がってくるのか? とか思ったけど、カメは上がってきた。そして吠えてるカメ。抗議の声をあげてるのかもしれない。とてつもない音量の声に二人は耳を抑えてその場に縫い付けられる。そしてトビウオたちはその音でビクンビクンとなって海に浮かんでしまった。そうなると二人には足がなくなってしまう。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第五十二話part5

2025-08-13 00:05:31 | 日記
「楽しかった……」
 
 そう不意に口をついて出たその言葉。けどだからこそ……不意を突いて出た言葉だからこそそれは本心……本音というのかもしれない。
 
「うん、楽しかったよね。これからはもっとたくさん会えるわね」
「そう……じゃない! もう会わないって言ってるんだ!!」
 
 危ない危ない、なんか自然と流されそうになってしまった野々野国人である。あとちょっとで「そうだな!」っていうところだった。でもそれはない。そうじゃないのだ。そもそもが電話したのはこのあいまいな関係をはっきりさせる為。そして終わらせる為だった。なのに、これからは本命の彼女の席にスルっとこの人は入ろうとしてきた。なんて奴だって思ってる野々野国人だ。
 野々野国人は見た目通りというか、男だしやっぱり女性よりも舌の回りは劣る。それはどうしようもないことだ。やっぱり常に話をしてるようなイメージがある女性と基本的に寡黙……といわれる野々野国人では口の回りで勝てる見込みなしである。だからあまり話すことは不利だと国人は悟った。だから要点と結論だけを話した。もう「会わない」……それが野々野国人の結論だ。
 だってそれで元通りになる。
 
「会わない? 本当に?」
「本当だよ。ごめん。あなたのおかげでとても助かったのも事実だ。それには感謝してる。でも、自分が一番大切なのは君じゃないから。婚約者が大切なんだ。元に戻りたいと思ってる。そのためにはもう会うことはできない。ありがとう」
 
 それを口を挟ませる前に言い切った。あとは通話を切るだけだ。だって反論を聞いても意味なんてない。いや、危ない……と野々野国人は思った。だって彼女はとても口がうまい。回る回る。だって式場に行った時だってほとんど喋ってたのは彼女だった。まあそれは本命の彼女ともそうだっといえるが……実をいうとあのデキル彼女は本命の彼女よりも会話の回しはうまかったと思う。
 やっぱりそこら辺がデキル要因なんだろう。うまく人から言葉を引き出すのがうまいというか? 一緒にいると野々野国人もそれなりにしゃべることになるというか? そんなのだった。だから彼女と話してはいけないのだ。それだけでもう彼女のペースに陥ってしまうからだ。ならば最初からメールとかメッセージで終わらせればよかったじゃないか? だって? 
 そこはほら、野々野国人は律儀な人柄をしてるからだ。今トラブルに陥ってるわけだが、それは野々野国人が浅慮だったからであって、彼女のせいではない。むしろ彼女には感謝はしてる。今回の電話でちょっと彼女のやばさは野々野国人も感じ始めてるが、それももうこれで終わりなのだ。だから通話を切るために最後に画面をタップするその瞬間だ。
 
 スマホのスピーカーから最後の彼女の声が聞こえてくる。
 
「もう、元には戻らないわ」
 
 ――てね。
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第五十二話part4

2025-08-11 20:02:23 | 日記
「君は別に僕に恋してるわけじゃない。そうだろう? そんな奴と結婚しようとしてるのか?」
 
 代わりに婚約する……ということはそういうことになる。野々野国人はまったくもってそんな気はないが。恋してもない……愛してもない相手と結婚する気が彼女にあるのか? と思う。そんなのはおかしいだろう。だから、そのおかしさに気づかせようと思った。
 
「気付いてないの? 私はそれなりに君のこと気に入ってるよ。嫌いな相手と式場になんていかないわ」
「でもそれはまだ気に入ってるだけじゃん。恋とかじゃない。そうだろ?」
「……そうね」
 
 認めたよ。彼女は野々野国人には恋してない。愛してない。婚約なんてのは恋して……愛してるから結婚に向けて歩くことだ。なのに、彼女はそうじゃない。そこには……
 
「焦ってるのか?」
 
 この際だからぶっちゃけてそれを言ってみた野々野国人である。いつもの国人ならそんなデリカシーのないことは言わないだろう。なにせ国人はやさしいからだ。でも今はあえてそれを口にした。だって彼女がとち狂ったことを言ってるから……ちょっと距離を置きたいと国人は思ってる。
 
「焦る? 別にそれだけじゃないわ。本当に……君ならいいって思ったの」
 
 最後の部分はなんかささやくような……そんな声音だった。彼女なりの色っぽい私……なのかもしれない。男を落とす定番テクなのかもしれない。本当に耳元でそれをやられたら野々野国人としてはやばかったかもしれない。だって女性と接近したことなんて本命の彼女以外、それこそ数えるくらいしかない。
遠足で並んで歩いてるときとか、集会でがやがやしてるときとかだ。そんな程度でしか女性とのふれあいを知らない国人なら危なかった。これが電話越しではなかったら、恋に落ちてたかもしれない。
 もう自分がもらってあげないと! ――と思ってしまったかも。でも電話越しだったからまだ我慢できた。正気を保てた。
 
「そんなの……適当に言ってるだけだろ」
 
 なんとか動揺も悟られないようにと、国人はいつもの声音でそう返した――つもりだ。けど国人はしらない。彼女のほうが何枚も上手だということを。電話の向こうでニヤニヤとしてるということを。だから彼女はさらに攻める。
 
「私と一緒の時……楽しくなかった? 私は……楽しかったよ」
 
 そういわれたら自然と国人の頭にはここ最近の彼女との式場巡りの記憶あふれだす。式場を二人で巡って話して、食事をしてた。その時の野々野国人は党思ってたのか。どう感じてたのか……それは……
 
「こっちも、楽しかった」
 
 自然とそんな言葉が野々野国人の口から出てた。