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UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第四十話part8

2025-03-31 18:59:45 | 日記
 結婚式はそれぞれ親族やら友人、会社の人達……そんなくくりで席が決まってたりするものだと思う。だからどこら辺が騒ぎの中心なのか、主催である小頭はすぐに気づいた。実際それまでの準備の記憶なんてのは勿論だけどない。
 けどなぜか小頭にはそこが親族席なのはわかった。白い煙が立ち込めて、ざわざわとしてる会場。そんな中、拡散してく白い煙の中から現れたのはその角を長く輝かせてる鬼……鬼男だった。
 そしてそれを見定めた瞬間から小頭はわかった。
 
(ああ、助けに来てくれたんだ)
 
 屈強なその姿。素晴らしい筋肉美をしてると小頭は思う。でも、それはこの結婚式には似つかわしくない。当然だろう。だって彼は上半身裸だし。上半身裸で結婚式に参加する奴はいないだろう。皆さんきっちりとした服装をして参加するのが礼儀というもの。
 でもそんなマナーなんてしらないとばかりに鬼男は上半身裸だ。実際、鬼男はそんなマナー知らない可能性あるしね。なにせこの世界とは鬼男は関係ないわけで……小頭は彼の視線に射貫かれて拳を握った。
 
 周囲の皆さんは鬼男をまだ足軽だと認識してるのか、そういう風に声をかけてる。でも、鬼男はそれに聞く耳を持たない。ただ輝く角を見せつけて更に小頭を見てる。それだけで小頭の手は汗ばんでしまう。
 
 すると背中越しに彼が……アランが言ってくれる。
 
「大丈夫だ。お兄さんにも認めてもらうさ」
 
 実際本当にあれが野々野足軽なら、アランの方が体格もいいし、強そうではある。でも……あれは足軽ではなく鬼男なのだ。アランも外国人なだけあって体格良い。でも鬼男にはかなわない。
 そもそもが鬼と、人……
 
「帰るぞ」
 
 そう静かに言う鬼男。ざわざわしてる会場なのに、やけにその声はよく通った。行かなきゃいけない……それは小頭にもわかってる。だってこれは……現実じゃない。いうなれば夢だと小頭もわかってるんだ。でも……
 
「邪魔しないで。ここでなら、私は好きな人と一緒に成れるの!」
 
 そういった。鬼男は小頭の前に立つアランを見る。そして察したんだろう。一度目を伏せる。でも……彼は目を開けて左腕を横に振るった。するとバキイイイイン――とどこにもぶつかってないのにそんな音がして、空間が割れた。
 
 それで鬼男が何をしようとしてるのか小頭にはわかった。彼はこの夢を壊そうしてる。
 
「やめて……壊さないで……」
 
 でも鬼男の角は更に強く輝きバチバチと周囲に鳴ってる。そして今度は右腕で空間を……
 
「やめてええええええええええええええええ!!」
 
 その小頭の絶叫は空しくそこに響いてた。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 210

2025-03-31 18:54:59 | 日記
 何かがみえる……私の頭に叩きつけられるように。それは……喝采の中で祝福される姿、大海原でなぜか眼帯しつつ沢山の船を率いてる姿、未知の領域、そんな場所を踏破する姿、まるでゴミムシのように、自分の最後を哀れに思う姿……強大な何かに立ち向かう姿、もっと別のなにか……もっと別の私……別の世界の……私がみえる。
 
 きっとこれがあったかもしれない運命なのかもしれない。どこかにはあるのかもしれない。でも、分離する運命には限りがあって、存在できる平衡世界には限度がある。だからあったかもしれないが、今ここに私が存在してる限り、そんな未来はない。運命はない。
 
 大体見える運命は、かなりきつそうなものばかりだった。もっと苦しくて、そして辛いものもいっぱいだ。きっと運命は……メタリファーが新たに生まれとしたら、こんな劇的な運命がふさわしいと思ってるんだろう。
 
 それだけの格がきっとあるから。そこには栄光とかももちろんある。もしも運命を選べるのなら、この中にある悲惨な死……その運命は御免こうむりたいと思うけどね。なんのつもりでこの死の運命たちはやってきてるの? なんの意味があるの? それを知りたいところだ。だってわざわざそれを選ぶとか……ないじゃん? どうせなら幸福……それが欲しいと思うのはどんな命も一緒の筈。
 
「あぐっ……はぁはぁ……」
 
 ジャブジャブ……と水が揺れる。いつもは足位しか使ってないが、今はあばら位までつかってた。目もなんか霞む。見えてるのはいつものコクピット内の光景? それとも……運命の見せる……結末? 
 
「ぅぅぅぅきゃあああ!?」
 
 思わず体が後ろに向かって沿った。私の細く、華奢な体がくの字に反った。そしその態勢のまま、私は手の甲を額につけてパチパチと瞬きを来る返す。その度に私の視界に映る物……それはある一定の運命から同じになった。それは何か……それは……
 
「メタリファー……貴方まさか……」
 
 体がのけぞる程の運命……そして同じ結末にたどり着く運命……それらには全て『空獣』が関係してる。運命が見せる結末、それらには全て空獣が関係してて、それらはどんな運命にも食い込んできてる? 最初に見た栄光の光景……様様な運命……それらが全て……今や空獣による最後……で埋め尽くされていくような……
 
 それはもう、逃れられない事実であるかのような……そんな事になってる。運命は絶対じゃない。それはそのはずなんだけど……空獣は世界を食らってる。なら空獣をどうにかしない限り、どんな運命も奴に台無しにされる……という事じゃないのかな?

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第四十話part7

2025-03-30 19:16:31 | 日記
 濃厚なそれをしたら、小頭の頭はとろけてしまった……と言っていいだろう。トローンと思考があやふやになって、顔は火照ってる。顔にすべての熱が集結してしまったかのようで、周囲の事なんてどうでもよくなってた。小頭は町中でイチャイチャとしてるカップルを見る度に下品だな――とか思ってた。けど今の小頭は、ようやくアランが唇を放したというのに、自分から背伸びしてその唇をむさぼりにいった。きっと小頭の事を考えてアランは濃厚だけど、中学生にふさわしいキスをしてた。
 それは所謂ナチュラルキッス……みたいな? それこそただ『チュ』――とするようなそんなキス。けどただ唇を重ねてそしてそのままみたいな、あくまでも綺麗なキスといっていいだろう。アランはそれをやってた。でも、小頭はどうかというと、そんな配慮はどこ吹く風といっていい。体格的には完全に押し倒される側は小頭だ。それくらい体格に差がある。でも……小頭のキスはとても濃厚で、そして激しいそれだった。まるで貪るかのようなキスと言えばいいだろうか? 小頭は明らかにアランの口に舌をいれてる。
 
 周囲にはそこそこの動植物に、さらに言えば兄である野々野足軽だっている。家族に自分の激しいキスが見られる……と言うのは世間では結構な羞恥ではないたろうか? けど周囲なんて見えてない小頭には関係ないんだろう。そんな小頭やアランの事を誰もが祝福してる。小頭はきっとここでなら、幸せになれる……そんな風に唾液をかわしながら思った。
 
 すると、なんだが周囲の光景が変わっていく。
 
 ゴーンゴーン……
 
 そんな綺麗な音が響く。それに拍手もさっきまでよりももっと多い。まさに喝采……と呼べるほどの物になってる。
 
 ぷはっ……
 
 そんな風にようやく小頭はアランを開放した。そして気づく。何やら自分が真っ白なドレスに身を包んでる事に。そして彼は真っ白なタキシードだ。似合いすぎてる。王子様としか思えない風貌。周囲を見回すと、家族や知り合い、さらには知らない人もいっぱいで、大きなカメラだって沢山ある。そして神父……というと男性だが、なぜだか、修道服に身を包んだ草陰草案がいる。彼女はいった。
 
「誓いのキスを経て、あなた達は夫婦となったのです」
 
 ――とね。どうやら、これは結婚式らしいという事に小頭は気づいた。結婚式なんて今どきやるカップルの方がすくないんじゃない? フォトブライダルくらいでいいよ――とか思ってた立場の小頭だが、出来るなら豪勢な結婚式をやってみたい欲望? だろうか、それはあった。王子様のような相手とだれもかれもに祝福されて華やかな式を挙げる……それは全女性の憧れではないだろうか? 夢見がちな少女みたいな事はもう卒業して現実を見てるみたいな態度をとってた小頭だが、どうやらこの場所は彼女の内に追いやった欲望……それまでもかなえてくれるらしい。
 絶対にオーダーメイドであろうドレスに、まるで城のような会場。そして全世界に中継されて祝福されてそうなそんな規模の式。優越感がやばかった。でもその時だ。ある一角のテーブルがなんか吹き飛んだ。そしてそこで何やらバリバリバリ……と音がする。素早く小頭を守ろうとする彼、流石は夫だと思った。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 209

2025-03-30 19:10:43 | 日記
「押し寄せてる運命を知る……とか出来ないかな?」
 
 それも重要なことじゃないだろうか? 実際まだメタリファーの望むことはわかんないが、なんかそんなに劇的な事は望んでないような? そんな気がする。でもきっとメタリファーという存在が得る命の格? といっていいのかわかんないが、それはきっと普通の命よりも高いと思うんだ。
 
 命に優劣はないのかも知れないが、だってメタリファーは普通じゃない。じゃあ普通の命にはなりはしないだろう。そしてそんな普通じゃない命に、普通の運命がふさわしいのか? って運命側だっておもうのではないだろうか? 
 運命に思考能力なんてないとおもうけどね。けどどうやってその運命を見るのか……運命にはもちろんだけど姿とか形があるわけじゃない。でも生まれようとしてるの魂があるのだから、ここにあるのは確実なわけで……
 
「色々と……守ってるだけじゃダメなのかもね」
 
 私はそんなことをふと呟く。はっきり言って今のメタリファーも……そして運命も……めにみえるものじゃない。感じるにしても、それは色々と保険を張ってるし、更に私の安全の為にきっとG-01は様々な保険をかけてる。
 なにせ私はきっとここ……この場所でしか生きられないからだ。私はもしかしたら自分が思うよりももっと脆弱なのかもしれない。だからこうやって色んな器具とテクノロジーによって介護されてるのかも。
 そんな私を守るために、G-01の最優先事項は「私」へと設定してある。私も知らない防護機構が色々とある。でもこのユアの卵の状況をもっと知るためにも……観測し得ない、魂に影響をする運命を感じるためにも、私もこの「魂」をさらけ出さないといけないのかも。
 
 もしかしたらG-01のテクノロジーの中にも魂の観測を可能にするものがある可能性はある。でも今は持ってない。今必要だけど、それが今はない……なんてのは人生の中でなら結構あることだよね。
 実際、運命が押し寄せてるといってもそれだけで、何か外的攻撃がくることはきっとないと思ってる。
 
「けど私だからな……」
 
 私の魂……きっとそんな頑丈じゃないような? でもこれもメタリファーを無事に新たに生まれ直させるため。私は一旦、G-01のシステムをスリープモードに移行させる。
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第四十話part6

2025-03-29 19:09:48 | 日記
「どうしたんだい? 僕の言葉は本当だよ」
 
 甘ったるい顔と声のコンボ。はっきり言ってそんな風に言われたら、小頭だってぐっとくる。だって彼は超絶イケメンだ。日本の学校には曲がり間違ってもいないような、そのレベルである。そしてそんな相手が幻か何かだとわかってても小頭の事を「好き」とか「愛してる」とか言ってくれてるのだ。
 
(もういいんじゃないかな?)
 
 そう思わない女性がいるだろうか? 確かに違和感がある。いや、小頭の場合は違和感どころの騒ぎじゃない。違和感というよりももっとはっきりとした、虚構……そうだと確信してるのだ。こんなことはあり得ないと、こんな現実は訪れなかったと……小頭ははっきりとわかってる。でも……だからなんだというのだろうか? これはきっとよくない状況だろうと、小頭はうすうす感づいてる。だっておかしい……でもこれだけのイケメンが自分を好いてきてるこの状況をきっぱりすっぱりと放り投げて捨てていける女がいるか? ――と小頭は自分に問いかける。
 だからこその――(もういいんじゃないかな?)――である。つまりは別にこれでもいいんじゃない? である。おかしいしまずいだろう。でも、ここでなら彼は草陰草案ではなく、野々野小頭を愛してるのだ。好きで好きでたまらなかった超絶イケメンの彼が……全く持ってその心に入り込む余地さえなかった彼が今はその全てで小頭を愛してる。なら――
 
(もういいんじゃないかな?)
 
 ――である。完璧に小頭の気持ちはそっちに傾いてた。ここでなら彼が手に入る。愛してくれる……物語ではそんな移り気な彼じゃなく、自分が好きになったのは相手に一生懸命な彼だから……的な展開がくるんだろう。でも……小頭はそんなことなかった。小頭は自分を好きになってくれたのなら、それでいい――タイプの女だった。それに小頭だって彼『アラン・ハンス』をよく知ってるか? と言われたらそうじゃない。ほぼ一目惚れで、一気に燃え上がった恋だっだんだ。
 もしも彼と知り合って何年も経って彼の人となりをしっかりと知ってたら、その内面から好きになってたのかもしれない。でも小頭とアランの出会いは最近で惚れた振ったも、ちょっとの間の事だ。だからその見た目がほぼ……なのだ。あとは紳士的な所とかだった。だから、全然小頭はこのアランを受け入れることが出来る。
 小頭は彼の腕の袖をつかむ。そしてこういってみた。
 
「ねえ、キスできる?」
 
 その答えにアランは迷う事はない。
 
「もちろん」
 
 小頭を抱き寄せるアラン。そして二人の視線は交わって、息が絡まっていく。もういい……から小頭の思考はこれでいい……になった。