UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 332P

2023-12-03 20:24:16 | 日記
「あれは……まずいよな」
 
 野々野足軽はそうポツリといった。その視線の先には仮面の男と三人の女性。二人は二十歳超えてそうな女性だ。けど一人は制服を着てるから明らかに高校生だ。それも野々野足軽の通ってる高校の制服だった。この日は休みだったけど、きっと彼女は部活とかあったんだろう。
 そしてもう今は夜である。あの三人は解散する感じではない。そうなるとどこに行くのかってのは限られてくる。大人の人達は野々野足軽は自己責任だと思ってる。
 だからどうでも……とは言い過ぎかもしれないが、ある意味で仕方ないと思える。けど高校生はまずいだろう。このままあの子を食べる気なら、それは少女淫行である。
 きっと仮面の男は成人してるだろうし、それは立派な犯罪だ。でも彼女は悪魔に魅入られてる。きっと警察とかが出てきたとしても、あの子が同意して……とかになるだろう。
 なにせそれをあの子が言うのである。それを否定できる人はいない。周囲は勿論こんな仮面の男となんて……って思う。薬物とかも疑うかも知れない。でも……たとえ調べたとしても何もでてくるなんてことはない。だって彼女の奇行は悪魔のせいだからだ。
 どんな医療器具を使ったとしても悪魔の姿は見えないだろう。このままじゃ彼女はあの仮面の男に食われる。
 
「女子高生だやっほー」
 
 とか言って嬉々として食うだろう。それがイケメンの特権……とかあいつは思ってる。そこに疑いはない。なにせあいつは自身の事を理想のイケメンだと思ってるからだ。イケメンに抱かれることはきっと女にとっても幸せなこと――くらいに思ってるだろう。
 
 けどそれは当然だけどあの子の意志はそこにはない。一番の被害者は彼女になる。ただの女子高生を巻き込んでしまった……という罪悪感……それが野々野足軽を動かしてる。
 
 どうやら三人は電車を待ってる。このまま電車に載せたらまずい。なにせ野々野足軽の乗る方の電車とは違うからだ。
 
(悪魔をどうにかする……ってのは今の段階では危険か……)
 
 なにせ悪魔という存在があの美女にどんな影響を与えてるのかわかんないし、そもそもが悪魔にどんな力があるのかよくわかってない。ここで下手にあの悪魔に暴れられたら大変だ。
 イメージ先行してる部分があるかも知れないが、警戒するに越したことはない……と野々野足軽は思った。
 
(彼女だけを正気に戻す)
『もうひとりは?』
(もう一人は……確かにあの人も悪魔に操られるだけかも知れないか……)
 
 悪魔に取り憑かれた美女と、女子高生ともう一人の女性。そのうちの二人がなんの罪もないのなら、たしかに女子高生だけを開放するのも悪いのかも知れないと……とアースの言葉で思い直す野々野足軽。
 とりあえずまずは力で彼女たちを覆う。それだけで悪魔の変な電波? とかが遮断されればいいなって思ってた。けどそうはならないらしい。そこで野々野足軽は彼女たちの内部を調べる。悪い物……とかいう先入観じゃなく、ただ単に異物を感じるようにした。そしたら何かを感じることが出来た。なにか黒いしこりのような……それが女性たちの内部にある。
 それに触れると何やら黒い感情が溢れ出すような……暗い気持ちになってくる。
 
(助けて……)
 
 そんな黒いしこりの内部からそんな苦しそうな声が野々野足軽には聞こえた。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 969

2023-12-03 20:17:47 | 日記
「おい、俺と手合わせしろ」
 
 町中で出会った彼女に俺はそんなふうに声をかけた。彼女は軍属ではなく、賞金稼ぎらしい。だから訓練で戦う……なんて出来ない。
 けど俺は端的に言えば調子に乗ってた。なにせ……だ。なにせ武器を持ってるとなんでも出来る気になってたからだ。俺は新人の中では負けなしなのだ。
 やはり天は二物を与えず――とはいうが、俺には与えてしまったんだと思ってた。だから今の俺なら……こいつをこてんぱに出来る……とそう思ったんだ。
 
 まあ新人の俺たちは帯刀したまま町中にでるのは認められてなかった。だから今は剣はない。でも……それでも日頃の訓練で身体を鍛えて戦闘技術も学んでるのだから、今なら負けるわけ無いとおもった。けど……
 
「はあ……なんで私が子供のわがままに付き合わないといけない? ふざけるな」
 
 とか言われた。断られるのは想定内だった。けど……まさか「子供のわがまま」とか言われるとは思わなかった。その言葉は俺を切れさせるのには十分。寧ろ子供っぽいとか一番言われたくない言葉だといっていい。
 
 俺の身体は勝手に動いてた。彼女はすぐさま背を向けて歩いてた。そこに向かって背後から近づいて拳を向ける。でも次の瞬間――俺は空を仰いでた。
 
「ぐはっ!?」
「そんな心持なら、死ぬぞ」
 
 そんな事を耳元で囁いて彼女は去っていく。こうやって倒されるのは実際はいつものこと。だが、今までとは違う事がある。それは俺自信が訓練をしてるってことだ。それは不本意なものだが、真面目にはやってる。てかサボる事を許されない環境だ。
 
 だから真面目にやるしか無い。戦い方だって変わったはず。今までの素人前とした戦い方ではなく、ちゃんと訓練した兵士としての動きをしてた筈。
 なのに、あの女は一瞬で俺を下した。認めたくない……認めたくないが、改めてあの女は相当強い……ということに俺は実感した。
 
「くそやろう……」
 
 それから真面目に訓練をやってあの女を下してやる!! ――となれば厚生物語りとしてよかったのかも知れない。けど基本クズな俺はそんなふうにはならなかった