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UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十三話part4

2025-01-30 00:00:59 | 日記
「おああああああああああああああああああああ!!」
 
 鬼たちにぼっこぼこにされてた海坊主。けど奴もこのままでは終われない思ったのだろう。自身が使える最大級の技を使おうとしてる。どうしてそれがわかるのか。それは奴の力がたまってるからだ。
 
「まだ? ねえやばいわよ!?」
 
 浜の方にいる育代たちにそんな風に鬼女が現状切羽詰まってるようなことをいってくる。それを聞いても小頭には「え? え?」 という感じである。だって小頭には二人そろった鬼たちが負けるとは思えない。
 今も優勢のように見える。確かに海坊主は吠えてる。けど、それだけだ。でも、どうやら育代たちには違うように見えるらしい。小頭には全く持って見えてないが、今海坊主からはその大量の力が溢れるように出てるのだ。
 それはまさにその巨体にふさわしい程の力。だからこそ、鬼二人はもう決めた方がいいんじゃないか? と焦ってるのだ。決めた方が良いというのはフィニッシュの事である。
 なにせ予定ではこの妖怪とか、他の強力な妖怪たちを使って有象無象の妖怪たちを門まで運ぶ予定なのだ。だからこそ、フィニッシュは控えてた鬼たちである。けど向こうはそんなの考える必要はないわけで、危ないとなったら自身の最大級の技を使うのは当然だ。
 だから今、それをやろうとしてると鬼たちは判断してる。育代は流石に何かをしようとしてる……というのはわかるが、そこまで戦闘経験があるわけじゃないからそれがどれだけの覚悟をもって打とうとしてるのかをわかってる訳じゃない。
 
 けど流石に急がないとは――と思ってる。でも焦ってはダメだということだっで年の功で理解もしてる。だから静かにその力を展開してた。なにせ今までは自身以外に使ったことがないのだ。それを遠隔で……なんて……本当ならそれこそ直接触れた方がいいのは当然だろう。
 でも離れてはいるが、実は今育代は海坊主に触れてる状態だった。それは彼女に中に入ったコケシ達。蛇たちといってもいい。それによって、密かに育代は海坊主に触れてた。
 そして詠唱を通して自身の集中と力を高め、術を構築してる。でもそれもまだ完成ではない。
 
(あと少し……あと少しなの……)
 
 両足を開いて、まるで海を両手でつかむような格好の海坊主。それで水である海を掴めるはずはない。普通なら。けど、叫びつつ青筋を立ててる海坊主が全身を使って体を上げようとするのに合わせて、なんと海もその部分が持ちあがってるではないか。勿論鬼たちはそれをやめさせようと攻撃してる。けど、異常なタフさを見せつけて海坊主は動じない。
 それはもしかしたら海の脅威……津波を引き起こそうとしてるのかもしれない。そうなったら、沿岸部の建物は全滅してもおかしくない。死傷者だって計り知れないことになるだろう。
 これで焦るなという方が無理な話かもしれない。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 167

2025-01-29 23:51:36 | 日記
 託されるのは別にいい。だってそもそもそのつもりというか? この船、手に入らないかな? とは思ってた。なにせこんな所で腐らせてるのは惜しくない? この船。まあ問題は大きすぎる……ということだけどね。なにせ世界を内包できる程の巨大な船である。
 流石にこれで別の世界に乗り付ける……とかやったら目立って仕方ないだろう。だから私が考えるのはこの船を拠点にできないか? という事である。どうやら『彼』は私へとこの船(船とはいってない)――がその研究の全てを私へと渡そうとしてるのだ。
 ならば、この船だってもらっていいよね? まあけど私の考えではこの船をベースステーションにするというのには、メタリファーの協力も必要になる。それが一番問題かもしれない。
 なにせ彼の場合は彼の研究を私が受け取るという事は大体はこの船事私の物になるということであってると思う。まあけど、確認は大事だよね。
 
「なるほど、私に貴方の後継者になれと……一つ聞きたいんですが。その場合、この船は?」
『ああ、なんか簡単に受け入れるな……』
「メリット、あるんでしょう?」
 
 その私の言葉で困惑してた彼が『ニヤリ』となんか悪い顔をしてた。私が実益を求めてて、それなら……って納得してくれたのかもしれない。それに……どうやら彼は自分のこれまでの研究の事を話したかったらしい。
 
『もちろんだ。まずは君が言ってるこのユグドラシルだ。これは君の機体に積まれてる物と比べたらきっと性能が劣るだろうとおもってるだろう。それは間違ってない。なにせこれは初期の七機の内の一つだからだ。だがしかし……』
 
 それからは酷かった。なにせ彼の研究の詳細。理想の体現。理念の高さ。さらには応用の幅とか……なんとかそんな事をぺらぺらぺらぺら……ぺらぺらぺらぺら――と喋りまくってくるのだ。きっと死するまでこれを話せる相手が彼にはいなかったんだろう。
 そもそも生前も彼がそんな話ができたのは『彼女』だけだった。そんな彼女にも先に発たれてしまってた。なのでめっちゃ久しぶりにこんな風に語れる相手ができたのかもしれない。それこそそれは数十年……いや死しても待ってたとしたら、それこそ数百年? レベルかもしれない。
 
 それを考えると、流石になんか無下にするのもかわいそうというか? もちろん私も――
 
「へー、ふーん、そうなんですかぁ。おぉー」
 
 ――とかいって相槌はわすれてなかった。けど流石にそれでは逃れられない長さになってきたというか? でもそこで私はおもった。
 
(あれ? この人別に私に話してる訳じゃないんじゃない?)
 
 ――ってね。なので私はアイと連絡を取って、アイのホログラムを私の前に出した。アイならこの人とも話ができる思った。私は私で受け取ったユグドラシルシステムを確認することにしたよ。
 なんか長そうだしね。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十三話part3

2025-01-28 23:21:32 | 日記
 海をなぜか平気で走る鬼の二人。そんなことはもちろんだけど育代は出来ない。彼女には力があるが、だからって力でなんでもできる訳じゃない。小頭は力さえあれば……とか思ってるかもしれないが、育代はなまじ力があるからそれがちゃんとわかってる。
 
(私にできる事は……)
 
 そんな事を思う育代。すると彼女の中から声が聞こえてくる。
 
(出来る、できるよ)
(教える、教えるよ)
(大丈夫、やってみて)
(皆味方、味方だよ)
 
 そんな声。不思議な感覚だっだ。振り返るも誰もいない。けど……まるで沢山の人が見守ってくれてるかのような……そんな確かな確信が育代にはある。まさかここまで老いた自分に、こんな感覚が訪れようとは……と育代はおもってる。
 それに期待。
 
(うん、これは期待だ)
 
 それを今、感じてる。それがおかしい。だって既に育代は老体といっていいくらいだ。初老くらいだろう。既に人生は余生に入ってる。夢とか希望を語るよりも、人生を振り返る時期だ。なのでそんな自分に期待が再び集まってるのがおかしいと思ってる。
 もう人生の主役の時期は終わって、それは子供たちに譲ったと思ってた。そしてそんな子供たちも親になって今は孫たちが世界の中心にいる。なのに……今ここで自分の出番があるという……
 
(でも、おばあちゃんなんだから、良いところを見せないと……)
 
 孫の目があるのだ。だから育代はもう失敗できないと思ってる。孫である小頭のキラキラとした目。それを向けられたら、おばあちゃんは無限の力が湧いてくるという感じである。
 
 なので育代は手を向けた。
 
(こんなのただの呪い『まじない』程度の物だったのに……)
 
 昔からこんな力が跋扈してたのか? それをちょっと育代は考えてた。でもそんな強力な力が本当に呪術師にあったのなら、きっと育代のかつての村はあんな廃れなかっただろうと思う。
 けど実際育代の育った村はもうない。
 
(こんな力があったのなら……)
 
 そのもしも……はもうなんの意味もない。でも今はただありがたいと思ってた。だってこの力の……知識のおかげで、育代たちは足軽を助け出せるかもしれないから。
 
 育代にはあの海坊主に勝てるような腕力を出す術はない。なにせ育代の力は若返りというか、老化とかそんなのの操作に近い。それはつまりは肉体への干渉? ともいえるだろう。
 それを他者に施すなんて今までは考えもしなかった訳だけど、新たに得た知識が、育代の考えを拡張した。自身の力の本質……それを捉えるのが大切なのだと知ったのだ。
 なんとなく使ってた力。それを知ろうとして、そしてそれをどういう風に使えば、鬼たちに頼るだけじゃなくできるのか……そもそもが海坊主をただ倒すのではだめなのだ。
 それは他の強力な妖怪たちにだって言える。ただ倒すだけなら、鬼二人で出来そうな程に彼らは強い。それは育代だってもう認めるしかない。
 でも……妖怪たちを『使役』するのは育代の役目なんだ。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 166

2025-01-28 23:06:38 | 日記
 普通ならもっと夢と希望を持たせるような事をいうのが定石だと思う。だってそっちの方が魅力的だからだ。誰かを動かすには魅力的な言葉が必要だ。心が湧きたって、思わずうごきたくなるような……そんな魅力的な言葉。
 でも彼はそんなことは言わないらしい。私は思う……
 
(そういうとこだぞ)
 
 ――ってね。そういう現実的なところが彼が孤独になってしまった所というか? いやわからないけどね。周りに理解されない天才すぎる目標と、なぜか現実的なやり方。
 それは実際、とてもありがたいような気がするが、彼に見えてる『結果』がその過程を行くことで到達できると考えられるのは彼だけだったのかもしれない。天才はいつだって荒唐無稽というか、他者には理解できない事を言いまくって夢を語るイメージがある。
 それこそ天才にはついていけない……みたいなイメージに繋がってるというか? でも彼は場合はそうじゃないんだから、かなり付き合いやすい天才のような? そんな気がしないでもない。
 でも実際には彼は一人……ここで余生を過ごしたんだよね。人生とはわからないものだ。
 
「いつか、私は私を知ることができるんですか?」
『その時は来るだろう。一つ言っておく。確かに君は禁忌から生まれたかもしれない。でも……既に君の自我は確立されてる。だから……君は君の思うように生きればいい。その場所に、その役目に縛られる必要はない』
 
 きっと何か私が知らないことを色々と知ってそうな彼の言葉は、心にずっしりと響く。なんか色々とわかってます……風なのがむかつくが。でもここに、この場所に私は確かに縛られてると言えるだろう。なにせ私はここから出ることもできないんだから。
 けど彼は、それに縛られることはないという。つまりはその内……私は自由に馴れるときがくる?
 
『私は案外後悔してないんだ。ここまで来たんだ。私の過去は見たんだろう?』
「そうですね……でも、それは本当ですか?」
 
 ちょっと信じれない。だって禿げ散らかしてた時、かなりやけになってなかった? それなのに後悔してないとか……ね。
 
『私はたどり着いた。完成はしてないが……道筋は見えてる。プチュオクミか……それもまた可能性か』
 
 なにか一人語ってる。私を見る目が、なんか優しいのもぞわぞわするというか? いや、いやらしい目じゃない。それはわかる。期待? 哀れみ? それはきっと全く違う感情だけど……でも、彼にはもう時間なんてものはない。だって彼自身はもう……
 
「ここでなにしてたんですか?」
『もちろん研究だよ。私にはそれしかないからね。そしてそれを君に託したい』
 
 彼はそういってきた。
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十三話part2

2025-01-27 18:56:01 | 日記
「あぁぁぁぁぁぁあああああああ!!」
 
 頭頂部がはげ散らかしてる海坊主が巨大な拳を海へと打ち付ける。それによって海水が大きくせりあがった。それによって鬼たちは海坊主を見失う。そして次の瞬間、せりあがった水のカーテンの向こうから現れた拳によって、鬼男がふきとばされる。水面を一回跳ねて、そして砂浜に「ドゴオオオオン!」と埋まる。
 
「あわわ……」
 
 降り注ぐ砂と共に、小頭は恐恐としてた。でも……
 
「まだだ!」
 
 砂から一気に鬼男は元気に出てきた。一体あいつら、ダメージという概念があるのかよくわからない野々野小頭だ。まあそもそもがあんな巨大な存在の拳に当たったら、普通の人間なら、ダメージなんて考える前にぺしゃんこになってしまうだろう。つまりは『死』だ。それが普通だと思う。でも、鬼は想像以上に頑丈らしい。体の大きさはこの星の人間よりも一回り大きいか? くらいだが、やっぱり別の世界の存在だけあって、細胞の構成とかが違うのかもしれない。
 
 海坊主は十メートルくらいはあるんじゃないだろうかと思えるが、それに対して鬼たちは高く見積もって2メートルくらいである。その差はかなりある。それだけあると、相手にならなくてもおかしくないが、鬼たちの攻撃は確実に海坊主にダメージを蓄積してる。鬼男は海の水面を走りながら戦場に戻ろうとしてるが、鬼女はその間も海坊主と肉弾戦をしてるのだ。さっきまでは二対一で数的有利があった。一対一になると、正面での戦いになる。小細工はしずらいだろう。そうなると大きな海坊主がそのパワーで押しきれるんじゃないのか? とか思えるだろう。
 
 それにもしかしたら海坊主もそれらを狙ってたのかもしれない。二対一は厄介だったから一人を吹き飛ばしてる間にどっちかを倒す……そんプランだった可能性は高い。けど……それは既に崩れようとしてる。なにせ……
 
「そんなものかぁぁぁぁぁぁ!!」
 
 拳と拳がぶつかる。鬼女の拳の数倍の大きさの海坊主の拳とぶつかりあったら、普通は小さな法の鬼女の拳なんて通用しないんじゃないのか? と思うだろう。けど後方によろめくのは海坊主の方だった。打ち勝ってる? 数倍の大きさなのに?
 
「滅茶苦茶ねあの子」
 
 そんな風に幾代が言う。そう、鬼女も決してダメージがないわけじゃない。むしろ正面切っての一対一になった時から、その体にはダメージが刻まれてる。それでも……鬼女は笑ってるのだ。どれだけボロボロにされようが、鬼女は笑って戦ってる。だからまるで全然大丈夫なように幾代にも小頭にも見えてるのだ。けど決して全然大丈夫……なんて事はないだろう。