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UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)祖にありける新の形 60

2025-09-04 18:35:26 | 日記
 亀の背中だけの限定的な不死……それならできなくはないだろう。もちろんそれには途方もないエネルギーが必要になるだろう。けどそれを実現できるものをこの亀は持ってる。そう「サンクチュアリ」だ。ただの亀なら無理だろうけど、途方もないエネルギーをもたらすサンクチュアリならそれを実現できるだろう。
 だってこの背中の世界……それは明らかにこの外の世界と隔絶してる。だからこそ、結界でこの世界を覆ってるんだろう。外の世界はもちろんだけどこの世界を創った神のルールによって動いてる。当然だろう。それが普通だ。だからその世界の生命体はその世界のルールに縛られる。これもまた当然。でも……亀は自身の世界を背中に作った。そこはこの世界のルールではなく、亀のルールに則った世界なんだ。だからこそ、命だって……この背中で生まれる命だって亀の思いのまま……という事なんだろう。
 
 いや、それはもしかしたら違うのかもしれない。
 
「がああああああぁぁぁぁぁ……」
 
 そんな事を思ってたらなんとかはミレナパウスさんとリファーちゃんが甲羅を背負ったクマを倒したみたいだ。これはチャンスだ。私は後からこの世界に侵入させたドローンを何機もつかって、このクマの肉体から離れるであろう魂を観測することにする。どうやって倒したのかって? どうやらミレナパウスさんの魔力をリファーちゃんが空間を操って徐々にクマの内部に浸透させていったようだ。外側からの攻撃が効かないのなら、内側から……というのは定石だろう。
 だから二人は十分な力をクマの内部に浸透させたら、突如、その魔力を元にミレナパウスさんが魔法を発動させた。それは大きな岩を生み出す魔法だったみたいだ。内側から体を裂かれて、最後にはクマの口からその体のよりも長い鋭い岩が飛び出してきてクマを絶命させたみたいだ。きっと内臓もグッチャグチャになってるだろう。流石にあれだけやったら外側がどれだけ頑丈だとしても関係ない。まあそもそも、本当に不死とかなら、まともな生命体なのか謎だけど……
 
「やったねお姉ちゃん!」
「まだ油断はできないわ」
 
 リファーちゃんは勝利の余韻に浸ってるけど、ミレナパウスさんはまだ油断はしてないらしい。敵の生命力、それを懸念してる。そして次の瞬間だ。緑色の光がクマの体から溢れ出る。そして次の瞬間――
 
「ガボホボ、ガガガガガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
 
 ――という叫びをあげた。生き返った……本当に。けど驚いてるリファーちゃんを他所に、ミレナパウスさんは冷静にさらにクマの体内から岩を発生させる。それを何回だって繰り返してあげるミレナパウスさんだ。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第五十五話Part3

2025-09-03 23:56:36 | 日記
「どうしたんだい? 大丈夫だ。 君は、僕が守って見せる……」
 
 お父さんは覆いかぶさったお母さんに優しくそんな風に声をかけている。その声は優しくて……思わず野々野小頭は昔の事を思い出す。
 
『かわいいね。小頭は世界一かわいいね』
 
 優しい声。細めた瞳。そして……暖かな手。それによって頭をなでなでされるのが小頭は好きだった。けど、成長するにつれて、お父さんが小頭にナデナデをするのはなくなっていった。どうしてだったか? あんなに好きだったのに……けどそのきっかけも小頭は同時に思い出す。
 
(そうだ。私のせいで、お父さんは。あんなに……あんなに愛してくれてるのに……)
 
 思い出したのは自分の言葉。きっとあれがきっかけだった。ただの反抗期。中学生くらいの女の子には絶対にあることだろう。「お父さんなんか嫌い!!」――なんていう時期。実際、今も野々野小頭は反抗期だと思ってる。でもそれもついさっきまで……だったみたいだ。今はお父さんのお母さんに対する「愛」を見せつけられて、うらやましいって思ってる。もしかしたら本当の「恋」と「失恋」を経験したからなのかもしれない。
 その経験が小頭を一段、大人への階段を上がらせたのかもしれない。
 
「まずいぞ」
 
 そんな風に小頭の前に出てる鬼男がいう。え? という声が出る小頭。するとその時だ。
 
「どけええええええええ!!」
 
 そんな声と共にお父さんがふきとばされた。
 
「国人!」
 
 おじいちゃんがお父さんを庇う。けど勢いは止まらず、二人して戸棚に突っ込んだ。あんな……大人の男を二人も吹き飛ばす? そんな腕力がお母さんにあるわけはない。ならば……あの力は……
 
「なんで……なんでお前たちは戻ってくる?  眠ったままでいない?」
 
 そんな風にお母さんがつぶやいてる。けど……それはお母さんではない。だって、お母さんはグタッてしてた。立ち上がってるけど、それはお母さんの下半身だけだ。どういうことかというと、準備運動で手を地面に向ける運動があるだろう? 1・2・3・4――で腕を下にむけて体を前にまげて、5・6・7・8――で今度は背中側に反る運動。その前の前半部分の状態でお母さんはとまってる。けど下半身は動いてるのだ。それは、お母さんの上半身には別の体が生えてるから……水色で能面の人の形を真似た何か……がお母さんの下半身から上半身を生やしてる。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第五十五話Part2

2025-09-03 23:51:01 | 日記
「うううぅぅぅ」
 
 食卓を滅茶苦茶にしたお母さんはなんか人間じゃないような声を出してる。
 
「大丈夫かい? なにか痛いところとか!?」
 
 そんなふうに小頭のお父さんがお母さんに手を延ばす。お父さんはお母さんを純粋に心配して隣のお母さんに触れようとした。けどその時だ。
 
「あああぁぁぁぁああああああ!!」
 
 そんな風にお母さんが叫ぶ。そしてその声は凄くて、思わず耳を抑えてその声を聞こえないようにするくらいの声だった。明らかにそれはただの声……じゃない。声なのに圧力を感じて、窓とか戸棚の扉……そんなのがガタガタとなってた。椅子はバタンと倒れて、野々野小頭達も、僅かにその体が後方に押される。
 
「おかあ――さん」
 
 心配する小頭はお母さんに向かって手を伸ばす。けど……それが届く距離じゃない。一体何が……誰もが何が起きてるのかわかってない。でもそんな中、お父さんは変な圧力がある声を出し続けてるお母さんになんとか近づいて行こうとしてた。元々が一番近かったし、それにお父さんはなんとか食卓を掴むことで後ろに押されることを防ぎつつ、食卓を使ってなんとかにじり寄ってる。
 
 いきなりあんな風になったら恐怖が思い浮かんでもおかしくない。だってお母さんは普通の人間だったはずだ。確かに世界には異変が起きてて、超能力者が増えてきてる。けど、お母さんにはそんなのは無縁のような……そんな感じだった。そもそもが身近な人がいきなりそうなる……なんて誰も思ってなんてないだろう。
 そしてそれに直面した時、一体どうするのか、どんな風になるのかなんて誰にもわからない。
 
(おとうさんは……)
 
 少なくともお母さんを見捨てるような……そんな人ではなかったようだ。小頭はお父さんをちょっと頼りない大人……と思ってた。だって優しいのだ。小頭にはお父さんに怒られた記憶なんてない。小頭が娘だから……というのもあるだろう。男親は娘に甘くなるものらしい。お母さんには拒否されても、お父さんに甘えたら案外ほしいものが手に入る……というのは何回も経験してる。
 二人が仲いいのは確かだったし、それを小頭だってちゃんとわかってた。けど、いきなりおかしくなったらそれが恋も愛も冷める瞬間――かもしれないじゃないか。そんな風にならないだなんて言えないだろう。でも……お父さんは頑張ってる。少しずつお母さんに近づいてる。
 
「あっ!」
 
 ガツン――とお父さんにお母さんの声で飛んだ食器がお父さんの額に当たった。よろけるお父さん。けどそれでもグッと食卓を握って押される体を押しとどめるお父さん。そして次の瞬間ガバッとお母さんに覆いかぶさるようにお父さんがお母さんを抱きしめた。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)祖にありける新の形 59

2025-09-02 23:56:16 | 日記
 いくつかの条件……それを満たしたら『不死』を実現できるかもしれない。そんなのは簡単には信じられないことだろう。だって『不死』ってそれだけ夢みたいなことだ。私が覚えてる前世の記憶。それによると不死とはいろんなものたちが挑んで散っていった夢みたいなもの。それが実現できるかもしれない……とかそう簡単に信じられるものじゃないだろう。このG-01を作った人たちはある意味で寿命の延命というのは達成してたみたいだ。それは体の交換によって寿命を延命するという術だった。
 なにせこのG-01をつくった人たちは技術力が段違いだったのだ。だからこそ、体のパーツの交換やら体全ての交換……を実現できてるみたいだった。G-01の内部の記録ではこれを作った人たちの詳細……はロックがかけられた。だから私は一部しかみれない。でも、私には他の視点からの情報が今はある。それは彼の……「あの人」の記憶だ。
 彼がG-01を作った人たちの世界で過ごした記憶。それを私は引き継いだ。きっと彼はそんなのは無駄な記憶……と思ってただろう。なにせただその世界の社会を知る事しかできないからね。その世界に生きてた彼にとってはそんなのは何の価値もないはずだ。だって彼にとってはそれが「当然」の社会だったから。
 
 でもやっぱり突出した技術を持ってた世界だからこそ、私から見たらその社会は超技術のオンパレードで見てるだけで結構たのしいものだった。他の世界から見たら、その世界は憧れ……みたいなのが沢山だっだのだ。怪我なんて絆創膏がもっと進化したものを添えて完治するし、欠損は交換か再生かえらべたりしてた。それに、遺伝子操作によって見た目は生まれる前からある程度弄れるとかさ……それに空間とかにも干渉する術を確立してて自分たちの世界を拡張してるようだった。
 
 それだけの超技術をもってる世界……でもそんな世界の住人達も流石に不老不死ではなかったみたい。私に残ってる前世の記憶の寿命よりは平均的に100歳くらいは長寿になってるのはたしかみたい。でもパーツやら体を交換したとしても+100歳くらいということである。
 
 あれだけの世界でそれなのに、それよりも確実にそんな技術はあの亀にはないだろう。そんな亀が不老不死を実現した世界を作ってるなんて……と思うかもしれないが、そこで思い出してほしいのがトビウオである。あれは不老不死だったか? いやそんなことはないだろう。あのトビウオは確かに死に招かれてた。
 この世界事態が不老不死の世界じゃないのだ。その範囲はあくまでも亀の背中の世界だけの話……ならそれが実現できるかもしれないってことだ。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第五十五話Part1

2025-09-01 20:41:31 | 日記
「う……ん」
「ふぁーあ」
 
 モゾッとして二人がようやく起き上がろうとしてる。同時に目覚めるのはやっぱり夫婦だからなのか……そんな風に野々野小頭は思ってた。
 
「お母さん! お父さん!」
 
 そう言って二人に近寄っていく小頭。その目にはちょっと涙の後がある。
 
「あれ? なんで……父さん? 母さん?」
「ふん、ようやく目覚めたか。やっぱりお前にはこれが一番だな」
「そんなわけ無いでしょう。全く、男の子だからって雑に扱いすぎですよ」
 
 小頭のお父さんに向かっておじいちゃんは拳を見せつけてる。そしてそんなおじいちゃんに対してお小言を言ってるおばあちゃん。すると寝ぼけ眼だったお父さんがいきなり覚醒した。
 
「父さん、さっき僕の事殴った?」
「あ? まあ……ちょっと小突いた程度だぞ。本当だ」
 
 いきなり詰め寄られておじいちゃんはちょっとバツが悪そうになってる。いつもはいつだってお父さんに対しては強気というか態度がでかいおじいちゃんである。でもなんか今はお父さんに押され気味である。
 
「やっぱり……父さん!」
「おう!? いや、そんな痛かった――か?」
「ありがとう!!」
「おう? おう……?」
 
 なんかよくわかんないって感じだ。小頭のお父さんはおじいちゃんの両肩を掴んでなんかいきなりお礼をいってた。どういう事? いやきっと夢の中でなにかあったんだろうってのはわかる。本当なら夢……に小頭達は干渉しようとしてた。でもお父さんとお母さんの夢には入り込めなかったんだ。
 だからどうしようか? と思ってたとき、おじいちゃんがいきなりお父さんを打ってどなってたた。
 
『男をみせんかい!! このバカモンが!! 大黒柱じゃろう!! 家族を守るのはお前だぞ!!』
 
 ――とね。流石にそんなの聞こえないだろうって小頭は思ってた。でも……もしかして……
 
(聞こえてたのかな?)
 
 ――小頭はお父さんの反応をみてそう思った。だって……ね。でもまさかそんなことが……と思わなくもない。そんな都合よくいくものか? と。でももしかしたらそれが親子って事? 
 そんなことを思ってると――バン!! ――と音が響く。なにかと思って皆の視線がその音の発生源に向いた。それはお母さんの手だ。その手がパーに開かれて、突っ伏してるテーブルに叩きつけられてた。
 お父さんはすでに完全に目覚めてるが、お母さんはまだ顔をあげてない。目覚めてた感じはあるが……寝ぼけてる? と小頭はおもった。
 
「お母さん?」
 
 そう声をかけたとき、叩きつけた手を横薙ぎにする。そのせいでテーブルの上にあった料理と食器がドンガラガッシャーンと床に盛大に落ちた。
 
「きゃあ!?」
 
 思わずそんな声が出る野々野小頭。さり気なくかばうように鬼男が前に出る。そしてその視線は厳しい目をしてた。お母さん……がなにかおかしい。その雰囲気がこの食卓に漂ってる。