デンマーク出身の学者であるオルリックが、北欧神話のラグナロクについて論じた本である。従来、終末論であるラグナロクはキリスト教から多くの影響を受けて成立したものだと考えられていたが、オルリックは文献を吟味することで、ラグナロクがキリスト教とは違うところから生まれていったことを論じている(例えばペルシャのゼント・アヴェスタも影響源の一つである)。
著者はこの本の中で何度もケルト民話を出し、北欧神話と比較している。双方とも終末論・円環的な歴史観・多神教などの要素で共通点であり、キリスト教以前の民族的な想像力を窺わせる思想である。
著者は北欧神話のロキに関して、元々は彼が悪戯を好む人物だったのにも関わらず、キリスト教のサタンからの影響のために、次第に絶対悪的な人物になっていったということを指摘している。
北欧神話そのものはキリスト教と起源を異にする。しかし、歴史の中で(ケルト神話やプラトンがそうであるように)キリスト教的に解釈されてきた。例えば、フェンリルに向かう異教の神々は、歴史の中でキリストのアレゴリーへと変化していったのだ。
著者はこの本の中で何度もケルト民話を出し、北欧神話と比較している。双方とも終末論・円環的な歴史観・多神教などの要素で共通点であり、キリスト教以前の民族的な想像力を窺わせる思想である。
著者は北欧神話のロキに関して、元々は彼が悪戯を好む人物だったのにも関わらず、キリスト教のサタンからの影響のために、次第に絶対悪的な人物になっていったということを指摘している。
北欧神話そのものはキリスト教と起源を異にする。しかし、歴史の中で(ケルト神話やプラトンがそうであるように)キリスト教的に解釈されてきた。例えば、フェンリルに向かう異教の神々は、歴史の中でキリストのアレゴリーへと変化していったのだ。