origenesの日記

読書感想文を淡々と書いていきます。

マルクスの評価

2020-01-11 20:33:05 | Weblog
吉本隆明の対談集を読んでいるのだが、フーコーとの対談では、マルクスとマルクス主義を切り分けなければならないと提唱している。マルクスの思想と歴史上のマルクス主義や共産主義を切り分けるべきだというのは確かにそうだと思うのだが、1982年生まれの私から見ると、戦前生まれの吉本や柄谷行人は過剰なまでにマルクスに拘っているように見える。両者ともに歴史上の共産主義の盛衰を同時代人として体験し、両者ともマルクスの思想を共産主義の失敗から救い出す必要性を(別の形ではあるが)感じているとは思うのだが、果たして平成生まれの知識人はマルクスをどの程度、積極的に後世に残すべき思想家と見出すだろうか。過剰な拘りから離れて、マルクスを、ケインズやハイエクのような「偉大な経済思想家の一人」と評価するかもしれない。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。