origenesの日記

読書感想文を淡々と書いていきます。

辺獄

2008-05-22 21:25:34 | Weblog
煉獄はpurgatory、辺獄はlimboである。
初期のカトリックの教父たちは、洗礼を受ける前に死んだ子どもたちは地獄に行くと考えた。それに対してペラギウス派は洗礼前の子どもでも救われ神の国へ招かれると考えた。アウグスティヌスはペラギウス派に反論した。13世紀から地獄の中の「罰を受けない場所」として辺獄という概念が登場する。トマス・アクィナスは辺獄で幸福に暮らす洗礼前の子どもたちの姿を思い描いた。
ダンテの『神曲』においては、ホメロスやプラトンのような、キリスト教以前の偉人は、地獄の最上位である辺獄にいることになっている。

『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』

2008-05-22 19:25:54 | Weblog
3手に分かれてしまったパーティー。1つはビルボとサム。もう1つはピピンとメリー。もう1つはアラゴルン、レゴラス、ギムリ。
蛇の舌に操られていたローハン王セオデンはアラゴルンたちの強力な協力者となる。
ハリウッド映画らしく、アラゴルンとエルウェン(リヴ・タイラー)の恋愛がクローズ・アップされて描かれている。アラゴルンは次第にゴンドールとローハンを導く存在として成長していく。

私が書いたメールより抜粋

2008-05-22 19:16:14 | Weblog
ウェルギリウスは『アエネーイス』の中で地獄の様子を描き出し、後のキリスト教の地獄概念に影響を与えた。ダンテが地獄の案内人としてウェルギリウスを選んだのはそのことに一因があるだろう。ダンテの地獄観は他にも、ホメロス(ハデスの章)、オウィディウスからの影響も存在する。

薔薇物語以降、ルネサンス期において薔薇が象徴として重んじられるようになった。薔薇はイングランドの象徴でもある。薔薇十字団のアンドレーエはイギリスが神聖ローマ帝国に従うことを願い、その名前をつけたという説がある。

詩人ウィリアム・ワーズワースは元々フランス革命を支持する人物であり、ウィリアム・ゴドウィンから影響を受けた彼は革命により新しい時代が訪れることを信じていた。しかし、ナポレオンの登場とともに、彼は革命に失望し、隠遁的な傾向を強くしていく。

ウェルギリウスのアエネイス第四歌はイエスの誕生を予言したものとして有名である。

煉獄

2008-05-22 18:57:48 | Weblog
カトリックの煉獄(Purgatory)といえばダンテの『神曲』で有名だが、中世~ルネッサンスに煉獄概念の普及に大きな役割を果たした書物として『聖パトリックの煉獄』が挙げられる。これはアイルランドにキリスト教をもたらした聖パトリックが、イエスに導かれて煉獄を見るという内容である。この本の中には、騎士オーエンを主人公とした地下世界めぐりという物語も含まれており、地獄・煉獄を経て天国へと上昇していくプロットは『神曲』に影響を与えたと考えられている。この上昇をテーマとした作品は『神曲』の他にも十字架の聖ヨハネの詩などがある。
シェイクスピアの『ハムレット』にも聖パトリックについての言及があるとのこと。

ソフィア

2008-05-22 18:50:48 | Weblog
ソフィアは元々ギリシア語の智慧に由来しており、東西キリスト教文化の中で女性名としても用いられてきた。
特に東方正教では「ソフィア」という名前を重んじるようだ。アヤソフィアといえば正教会の総本山であった教会であるし、ロシア正教会には世界の終末にソフィアという女性が現れ救いをもたらすという独特の終末論も存在する。この終末論は19世紀の思想家ソロヴィヨフによって唱えられ、広められた。ソロヴィヨフは20世紀の哲学者ベルジャーエフに大きな影響を与えた思想家である。。
ギリシア的な智慧を受け継いだのは、西方のカトリック教会だけではない。むしろ東方教会こそはより前面に「ソフィア」を押し出し、ギリシア的な智慧の継承を図ったのではないか(推測)。