20世紀の学者エミール・マール以降、美術史の一ジャンルとして重要視されてきた図像学。中世やルネサンスの美術作品を理解するためには、そのキリスト教的意味を解き明かす必要がある。著者はマリア、洗礼、最後の晩餐、十字架、聖人といったキリスト教的表象を絵画の中から読み解いていく。
>>
トリエント公会議まで、カトリック教会は、旧・新約の一致を唱えていた。すなわち、パウロ、アレクサンドルのファロン、オリゲネス、ヒラリウス、アンブロシウスたちは、彼らの著作の中でその理論を展開させた。アウグスチヌスは、それについて、次のような原理を確立した。彼が『神の国』で次のように記している、《旧約聖書は、新約聖書がヴェールに覆われていること以外の何ものでもないし、新約聖書は旧約聖書がヴェールを取りのぞいたこと以外の何ものでもない》。
(58)
<<
中世においては聖書は歴史的意味、寓意的意味、比喩的意味、神秘的意味の四重に理解されるべきものだった。
>>
トリエント公会議まで、カトリック教会は、旧・新約の一致を唱えていた。すなわち、パウロ、アレクサンドルのファロン、オリゲネス、ヒラリウス、アンブロシウスたちは、彼らの著作の中でその理論を展開させた。アウグスチヌスは、それについて、次のような原理を確立した。彼が『神の国』で次のように記している、《旧約聖書は、新約聖書がヴェールに覆われていること以外の何ものでもないし、新約聖書は旧約聖書がヴェールを取りのぞいたこと以外の何ものでもない》。
(58)
<<
中世においては聖書は歴史的意味、寓意的意味、比喩的意味、神秘的意味の四重に理解されるべきものだった。