origenesの日記

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マルセル・パコ『キリスト教図像学』(文庫クセジュ)

2008-06-10 19:08:58 | Weblog
20世紀の学者エミール・マール以降、美術史の一ジャンルとして重要視されてきた図像学。中世やルネサンスの美術作品を理解するためには、そのキリスト教的意味を解き明かす必要がある。著者はマリア、洗礼、最後の晩餐、十字架、聖人といったキリスト教的表象を絵画の中から読み解いていく。
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トリエント公会議まで、カトリック教会は、旧・新約の一致を唱えていた。すなわち、パウロ、アレクサンドルのファロン、オリゲネス、ヒラリウス、アンブロシウスたちは、彼らの著作の中でその理論を展開させた。アウグスチヌスは、それについて、次のような原理を確立した。彼が『神の国』で次のように記している、《旧約聖書は、新約聖書がヴェールに覆われていること以外の何ものでもないし、新約聖書は旧約聖書がヴェールを取りのぞいたこと以外の何ものでもない》。
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中世においては聖書は歴史的意味、寓意的意味、比喩的意味、神秘的意味の四重に理解されるべきものだった。

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