origenesの日記

読書感想文を淡々と書いていきます。

エーリヒ・ケストナー『消え失せた密画』(創元推理文庫)

2008-12-29 20:37:05 | Weblog
クロッツ率いる強盗団に美術品を盗まれたシタインへーフェル。盗まれた美術品を取り戻すために、秘書イレーネ・トリュープナーと彼女とひょんなことから知り合った肉屋オスカル・キュルツが活躍する。ユーモア・ミステリの傑作と言われ、冷静さとはほど遠い直情的な主人公キュルツが特に魅力的な一作である。青年作曲家ルーディ、変装の得意な悪人クロッツ、なぜか憎めないクロッツの手下たちといった登場人物たちもそれぞれが個性を主張している。
20世紀には興味がない、などと言う知的スノッブのルーディが個人的にはベスト・キャラクターかな。

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