【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第19回
「わらしべ長者」
今回は、日本の昔話からの教訓を どのように仕事や生活で活かしたらいいかを
一緒に考えてみたいと思います。
みなさんは、「わらしべ長者」というお話を どこかで聞いたことや読んだことがあると思いますが、
覚えていらっしゃいますか?
本当に昔話は、深いですよね。昔話のおさらいも含めて、まずはご紹介いたします。
『むかしむかし、あるところに一人ぼっちの貧乏な若者がいました。
若者は貧乏に耐えかねて、観音様にお願いしに行きました。「どうかお金持ちになれますように」
お願いを続けたところ、観音様からお告げがありました。
「この寺を出たら、おまえがその手で最初につかんだものを大切にしなさい」
若者は門から出るとすぐに転んでしまいました。その時、一本のわらをつかみました。
わら一本では何の役にも立たないと思いましたが、若者はわらを持って歩きはじめました。
若者が歩いていると、一匹のアブが飛んできて、彼の顔の周りをぶんぶん飛び回りました。
若者はそのアブを捕まえて、わらの先に結び付けて遊んでいました。
すると、そのアブをみた子供が欲しいと言いました。
若者は、わらに結んだアブを子供にあげました。そのお返しにと、
子供のお母さんはみかんを三つくれました。若者は、わらがみかんになったと喜びました。
若者が歩き続けていると、苦しんでいる女性に会いました。「暑さでのどが渇いています」
水を持っていなかったので、若者はその女性に水の代わりにみかんをあげました。
女の人は、みかんを食べると元気になりました。そして、みかんのお礼に美しい布を若者にくれました。
若者は三つのみかんが美しい布になったと喜びました。
若者がまた歩いていると、道端で男の人が倒れた馬を相手に困っていました。
馬と布を交換するのに市場へ行く途中でしたが、馬が病気になってしまい、一歩も進めなくなってしまったのです」
若者は、持っていた布を差し出して、病気の馬と交換してあげました。
すると、男の人は大喜びで村へ帰っていきました。若者は一晩中一生懸命、馬の看病をしました。
すると、馬は元気になりました。若者は美しい布が馬になったと喜びました。
若者はその馬に乗って旅をつづけました。すると、旅の準備をしている家がありました。
そこの主人は若者の馬を見て「私はこれから旅に出るつもりで、馬が必要なのです。
私の家や田んぼをその馬と交換してもらえませんか」と言いました。
若者は快諾し、家を得ました。若者は馬が家と田んぼになったと喜びました。
若者は、立派な家と田んぼをもらい、大金持ちとなりました。
そして若者はわら一本から大金持ちになったので、「わらしべ長者」と呼ばれるようになりました。おしまい。』
というお話です。いかがでしたか?
注) お話の内容は何パターンかあったりします。(お嫁さんをもらう など・・・)
参考文献で紹介している、『人生に奇跡を起こす わらしべ長者の魔法』の中にも、
わらしべ長者の人たちの特徴がいくつかまとめられていたので、ご紹介します。
★どんな人も色眼鏡でみないでフラット(素直)な心で、決めつけず話をする
★信頼の貯金を積み立てて、必要とされ続けている
★好奇心旺盛で人懐っこい
★オープンマインドで雑談力と状況判断力に優れている
★相手の様子を洞察して、「この人は何を求めているのか?」のニーズをとらえるのが速い
★一を聞いて十を知る人
★スピーディーに考え、一瞬で相手の役に立つ情報が提供できる
などがありました。
私自身がこの教訓から得られる一番大事な事としては、
「いかなる状況に置かれても、 目の前の状況すべてを受け入れて、
相手のニーズに応じて、自分自身ができる 最善のことをしていくこと。」
だと感じました。
これって実はあたりまえの事?!だと思うのですが
それがなかなか 受け入れることさえ出来なかったりするものだなぁと
この文章を書きながら私自身思うところです。苦笑 このお話を胸に生きていきたいものです。
参考文献 『人生に奇跡を起こす わらしべ長者の魔法』
(東京ニュース通信社 元谷拓著より)