人生をひらく東洋思想からの伝言

様々な東洋思想の様々な言葉から、これからの時代をどのように生きていけばいいのかを、考えていきたいと思います。

「慎独(しんどく)(「大学」より)

2021年12月02日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第13回 

「慎独(しんどく)(「大学」より)

 

東洋思想の根本に、このような言葉があります。

「独り(ひとり)を慎む(つつしむ)- 慎独(しんどく)」

 

まさに、独りのときにいかに過ごすかが大事で、

独りのときこそが自己鍛錬の最も重要な場だということです。

 

「小人(しょうじん)閑居(かんきょ)して、不善(ふぜん)を為(な)す」
 (「大学」より)

 

という言葉があります。これは、小人(立派でない人間・普通の人間)は、

閑居(独りのところ)で 不善(善くないこと、見苦しいこと、悪いこと)を起こすものだと言っています。

 

私の名前は、慎一(しんいち)といいます。

この慎独という言葉を知ったのは、20歳くらいになってからでしたが、

その頃までの人生では、本当の意味を殆ど理解しておらず、全く実践できていませんでした。

その後、東洋思想をいろいろな角度から学ぶようになり、

50歳を超えて、少しづつ自覚ができるようになりました。

まだまだ、至らないことばかりですが、少しでも社会にお役に立てるように

自分自身を整えていきたいと思います。

そして、この慎独の本質を理解し、自分に正直に楽しく生きていきたいものです。

 

参考:古来、私たち日本人の祖先は東洋古典を読むことによって、自らを磨き、高めてきました。
一言で東洋古典といっても膨大な数に及びますが、
その中で特に代表的な九つの経典を総称して「四書五経」といいます。
「四書」とは『論語』『大学』『中庸』『孟子』の四つの書物です。
「五経」とは『易経』『詩経』『書経』『礼記』『春秋』の五つを指します。
今回ご紹介している「大学」とはこの四書五経の四書のひとつです。

 

(参考文献) 『東洋思想に学ぶ人生の要点』(田口佳史著 致知出版社)

 

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「五労」(「安岡正篤一日一言」より)

2021年11月25日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】 

第12回

「五労」(「安岡正篤一日一言」より)

 

安岡先生は、日本の東洋思想の研究と 後進の育成に努められ、

政財界のリーダーの啓蒙や、教化に努め、その精神的支柱となっていた方で、

国民的教育者として活躍されていた方であります。

 

安岡先生の一日一言の中で、紹介されている一節ですが、

我々現代人は耳が痛い話かもしれないので、自らの戒めも含めて ご紹介致します。

 

1,多想心労(たそうしんろう)・・・取越苦労が多すぎること。これは心臓を痛める。

 

2,多怒肝労(たどかんろう)・・・怒りが度重なると肝を痛める。

 

3,多思脾労(たしひろう)・・・考えごとが多いと、脾(ひ)が疲れる。脾臓は、血液の浄化や

                調節を司る大切な器官であるが、割合に人々はこれを知らない。


4,多悲肺労(たひはいろう)・・・悲しみが多いと、肺を痛める。

 

5,多憂腎労(たゆうじんろう)・・・憂(うれい)が多いと、腎が疲れる。

 

悲と憂と どう違うかと思う人々もあるかもしれませんが、これはつきもので、

どちらかというと、悲の方は過去につながり、憂の方は未来にわたるということができる。

 

そこで、特に春には脾を養い、夏には肺を養い、秋には肝を養い、冬には心臓を養い、

四季を通じて、最も腎を養うと昔から言われている。

つまり、腎すなわち身体の浄化装置を過労させないこと、

腎労しないことが大事と 昔の人は、生活の知恵として伝えている。

 

これは、心身一如(しんしんいちにょ)ということで、こころも身体も同じように大切なので、

その浄化をしっかりしていくことなどの、心得があると無いとでは、人生が変わってくるように感じる。

 

私の祖父は、晩年身体が弱かったようで、その影響から 独学で東洋医学を修め、

自ら針やツボなどを研究し、胃腸を整え、長生きをしていた人でした。

その影響からか、私も幼少期より 東洋医学や思想には関心がありました。

今になって、もう一度 東洋思想に原点を求めて活かそうとしているのも、

何か不思議なご縁を感じます。

 

参考文献 『安岡正篤一日一言』(致知出版社)

      

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第11回 「ゆく河の流れは絶えずして、しかも もとの水にあらず」(「方丈記」鴨長明)

2021年11月18日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】 

第11回 

「ゆく河の流れは絶えずして、しかも もとの水にあらず」(「方丈記」鴨長明)

 

「方丈記」は 昔からこの冒頭の名文句によって 愛されてきたので、

どこか 馴染みがある文言かもしれない。

冒頭の文言の続きを紹介すると、

「よどみに浮かぶ うたかたは、かつ消え、かつ結びて 久しくとどまりたる例(ため

し)なし。世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。」

まことに練り上げられた、無駄のない完璧な文章である。

これだけで 鴨長明のいいたいことは、自然と伝わってくる気がする。

存在するいかなるものも ひとつも同じ状態でいることはなく、

自然も人事も 万物は必ず流転してゆく。無常、すなわち常なるものは

何もないということ。

そこのことを、鴨長明が心の底から真実として、伝えようとしていることがわかる。

仏教に、「諸行無常」という言葉があるが、まさに同じような意味合いである。

我々、日本人の中には四季があるように、この感覚が体に刻まれている。

でも、知らないうちに、当たり前だったことが 当たり前にできなくなると、

「今まで できたのに、なぜできないのか?」と

いろいろな面で 執着するこころが出てしまうのが、我々人間である。

これからの時代を どのように生きていけばいいのかを、

我々はこの瞬間瞬間 問われているが、

このような無常観をもっていると、多少はこころが楽になる。

移りゆく 変わりゆく その時々で、楽しめるこころを持ちたいものだ。

 

参考文献 『すらすら読める 方丈記』(中野孝次著 講談社文庫)

 

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第10回「盲亀腐木の縁(もうきふぼくのえん)」

2021年11月11日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第10回

「盲亀腐木の縁(もうきふぼくのえん)」

 

太平洋の深い海底に、一匹の目の見えない大海亀が住んでいました。

この大海亀は、百年に一度だけ海上に出てきて、新鮮な空気を吸って、

ふたたび海底にもぐってゆきます。

 

百年に一度しか海上に出てこない大海亀が、いま浮き上がろうとしているところへ、

たまたま古びれた板切れが一枚ただよっていました。

その板切れのまん中には、穴が一つあいていました。

そして、大海亀がまさに首を海上に突き出そうとしたとき、

目が見えないので古い板切れの穴に首を突っ込んでしまったのです。

 

このように、めったにないチャンスを「盲亀浮木の縁」といいます。

これを読んでくださっているみなさまとも、こうやってご縁を頂いているのも、

奇しき盲亀浮木の縁なのです。

 

本当にご縁とは、不思議なものですね。

 

この言葉を教えてくださったのは、ご紹介している本の著者でもある、大栗道榮和尚です。

今から約30年前に、何を思ったのか、大学の卒業旅行で四国のお寺を1人で歩いてみたくなり、

徳島県と高知県のお寺を1ヵ月かけてお遍路してきました。

そのときに、和尚のお祖母様に、四国八十八ヶ所の十三番の大日寺さんの宿坊でお世話になり、

それがきっかけで、東京に帰ってから和尚にご縁を頂きました。

和尚自体も、僧侶でありながらも、密教の教えを活かし、

当時、広告流通業でアイディアを生かした商品で特許などをとり、

それで財を築き、代々木にお寺(大日寺)を建立された経営センスのある方でもあります。

当時、(20代の頃)「仏教を経営に活かす修行塾」というものに、

会社で働きながら通ってお世話になっていました。

 

和尚は、残念ながら今年お亡くなりになりましたが、

生前に沢山のことを教えていただきましたが、まさに私にとっては、盲亀浮木の縁でした。

参考文献 『ポケット般若心経』(大栗道榮著 KADOKAWA/中経出版 )

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第9回 「発酵という生き方とは?」(「発酵道」より)

2021年11月04日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】 

第9回

「発酵という生き方とは?」(「発酵道」より)

 

日本は発酵の天国でもある。地理的特性からも、ユーラシア大陸の東端にあたることから、

様々な思想や文化などが、東へ東へ辿り着き、最終的に日本にすべてが溜まっていく。

その背景から、日本に辿り着いた文化、思想などを、溜まり文化や発酵文化とも言う。

ということから、香り高い文化や思想が熟成されていく。

儒教、仏教、道教、禅、神道などがミックスされ、様々な生活におけるものに多大な影響を及ぼしてきた。

そのひとつに、食の文化としての発酵としての生活の知恵が、数多く残されている。

 

今回ご紹介するのは、千葉県の香取市にある寺田酒造の23代当主が書いた、

「発酵道」という本からのものである。

そこのお酒もすごく美味しいが、このベースにある思想や考え方にはしびれてしまう。

本当に、日本人に生まれて良かったと感じる瞬間でもある。

 

「生命が喜ぶような本物の酒造り、魂の喜びを求めなくてはいけない。」

「微生物とは、生命のおもむくままに、自分にとって最も快いものを選択していく、

一匹一匹が自分の出番になったら大いに働き、使命を全うして、役目が終えたらスーと消えて、

そうなったら次に来る微生物にバトンタッチしていく。」

 

「自分の生命をよりよく活かす方法、謙虚な姿勢で生きる。」

 

「自分らしくとは、周りと調和しながら、自分のために生きる。

自分の生命をよりよく活かしていくことで全体をよくなっていくということ。

楽しくとは、自分が信じたこと、心が好きなことを楽しんでいく。形にこだわらずいること。

仲良くとは、何よりも争わない、お互いに助け合い、支えあう。それぞれを尊重して、

共生していること。」


「発酵(抗酸化、蘇生型)と腐敗(酸化、崩壊)がある。

 発酵とは、人に役立つ仕事、競争しない、儲けすぎない、競争より共生。

 腐敗とは、利益優先、自分たち優先、自分の欲を満たす」

    


参考文献 『発酵道』(寺田啓佐著、河出書房新社)

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