人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第162回『菩薩行』(仏教)

2024年10月28日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第162回

『菩薩行』(仏教)


前回は、人間界を含めた「6つの迷いの世界」をご紹介しました。

第161回『お天道さま』(仏教)


今回は、その先にある4つの悟りの世界を簡単にお伝えさせて頂きます。


7、声聞界(しょうもんかい)

釈迦(仏)の説法の声を聞いて、この世の道理を悟ることができる人が
住む世界になります。

8、縁覚界(えんがくかい)

自然界の動きをみて、この世は縁によってうまれ、
縁によって滅びる
ものであると悟る人の世界になります。

9、菩薩行(ぼさつぎょう)

自分が悟ったならば、今度は大衆の苦しみや悩みを救い、
悟りの世界に
引き入れる努力をする。そのような人を菩薩といい、
こういう行いを菩薩行といいます。


10、如来界(にょらいかい)

すべての執着がなくなり、永遠の宇宙の大生命と同じ心になる。




前回ご紹介したものを含めた十界を絶えず出入りしている我々のことを、

「凡人(ぼんじん)」と
いいます。だからこそ、常に移り変わるこころを

絶えず確認しながら、目の前の事をしっかり行うことが

我々人間として大切なことなのかもしれませんね。


参考図書
『空海感動の人生学』 大栗道榮著 中経出版社(現KADOKAWA)

 

 

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第161回 『お天道さま』(仏教)

2024年10月22日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第161回

『お天道さま』(仏教)


昔から、おばあちゃんに「お天道(てんとう)さまがみているよ」と

悪い事をすると、怒られたのをよく覚えています。

いつからか、自分の中ではお天道さまにみられているからということを

どこか意識するようになり、常に見守ってくれている存在でもあり

自然とお天道さまに感謝するようになっていました。

もともと、この「お天道さま」は、仏教の教えである、

「六道(ろくどう)、六つの迷いの世界」の中で

最上位にあたるのが天道(てんどう)といわれ、

天人が住む場所ということで、「天上界」とも言われています。

天道の他に、地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道の五つがあります。

この世の中で、我々も常に自分自身の在り方や、気持ち次第で、

にこの六つを行ったり来たりしているそうです。



今日は、この六つの世界を簡単に説明していきましょう。

1、地獄界・・・何でも悪い事は、すべて人の責任にする世界です
お互いに鬼のような顔をしてののしりあっている世界です。

2、餓鬼界・・・常にいくらあっても欲しいと、欲求不満の塊の世界です。

3、畜生界・・・強いものが勝ち、弱肉強食の世界で、
他人が迷惑しようが、困っていようが自分さえよければの世界です。

4、修羅界・・・常に争いが絶えなく、他人に負けまいと闘っている世界。

5、人間界・・・我々人間さまの世界で、苦しみや悩みの多い中で、せめてお互いに
助け合って、御縁ある人と仲良くやっていきたいと思います。

6、天上界(天道)・・・やることなすことすべてうまくいって、幸せいっぱいの世界。
有頂天(天上界のてっぺんにいる人)にいる世界。でも、この天上界に住んでいるからといっても、
五衰(ごすい)の悲しみを持っているともいわれ、調子は乗ってはならないと言われています。


*五衰の苦しみ
1)羽衣がよごれる、2)頭上の花がしぼむ3)体が臭くなる4)腋の下に汗をかく
5)自分の居場所が楽しくなくなる

だからこそ、常に心の状態をととのえて、

感謝の祈りの生活を日々することが、大切かなと日々感じています。


参考図書
『空海感動の人生学』 大栗道榮著 中経出版社(現KADOKAWA)

 


諏訪大社

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第160回『感動』(安岡正篤)

2024年10月14日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第160回

『感動』(安岡正篤)


東洋思想の研究者であり、国民的教育者として知られた安岡正篤先生。

政財界のリーダーたちの精神的支柱として活躍された先生の言葉には、

深い洞察が潜んでいます。

今回、ご紹介する言葉はとてもシンプルですが、

その奥深い意味合いを感じてみましょう。


「無感動な人間ほどつまらないものはない。

よく世間で、あいつは熱がないとか、いっこうに張り合いがないと言うが、

電気が伝わらないような人間は、実際つまらない。

人間の進歩というもは、感動から始まる。偉大な発明、発見でも、

あるいは悟りでもそうです。みんな感動がないといけない。」


感動することで、私たちは創造性を発揮し、新しい発見をし、

進歩していくのでしょう。

 

では、私たちはどのように日々の生活で「感動する心」を磨いていけばよいのでしょうか。

  1. 身の回りの小さな喜びに気づく
  2. 新しい経験や学びや出会いに積極的に取り組む
  3. 芸術や自然に触れる機会を増やす
  4. 自分が本当に楽しいと思うことに時間を使うことを優先する


自分が心から感動したものこそ、
他者に真に伝わるものです。

まず自分自身が感動する感性を磨いていきたいと思います。

そうすることで、少しでも東洋思想の深さと楽しさを多くの方々に

お伝えできれば嬉しいです。


参考図書
『安岡正篤一日一言』 安岡正泰監修 致知出版社

 

  大國魂神社

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第159回『万象具徳』(二宮尊徳)

2024年10月07日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第159回

『万象具徳』(二宮尊徳)


先日、妻と小田原城の近くにあります 二宮尊徳さんを御祭神とし

報徳二宮神社にお参りに行ってきました。

雨上がりということもあり、とてもいい氣に満ちた感じで

清々しい気もちになりました。

尊敬する偉人の一人である、二宮尊徳さんの教えは、

現代でも多くの経営者に親しまれ、愛されています。

そんな教えのひとつが、今回ご紹介する、

「万象具徳(ばんしょうぐとく)」という言葉になります。


この教えは、二宮尊徳さんの教えで、根幹のひとつであります。

「この世のすべての人やもの(万象)は、それぞれが独自のよさ・力(徳)を

身につけているという考えが、この教えの根本にあり、

その徳をお互いに認め合い、磨き、磨き合い高め合って、

よりよい生活、よりよい人生、よりよい社会を築いていこう」

というものであります。

まさに、今の現代でも何の違和感もなく、腑に落ちる教えですよね


その万象具徳という教えを、報徳博物館初代館長の 故佐々井典比古さんは、

次のようなひらがなの詩で記されています。

万象具徳(ばんしょうくどく) 

どんなものにも よさがある

どんなひとにも よさがある

よさがそれぞれ みなちがう

よさがいっぱい かくれてる

どこかとりえが あるものだ

もののとりえを ひきだそう

ひとのとりえを そだてよう

じぶんのとりえを ささげよう

とりえととりえが むすばれて

このよはたのしい ふえ(増え)せかい



参考【過去のブログより】

第106回 「積小為大(せきしょういだい)」(二宮尊徳)


参考図書
『二宮尊徳一日一言』寺田一清著 致知出版社
『二宮尊徳』境野勝悟著 致知出版社

 


報徳二宮神社

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