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人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第190回『徳は事業の基なり』(菜根譚)

2025年05月13日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】


第190回

『徳は事業の基なり』(菜根譚)



これは菜根譚に記された言葉で、

東洋思想の根幹を成す「徳」について語った、深い智慧に満ちた教えとなります。


菜根譚(さいこんたん)は、日本のリーダーや経営者の間で

長年にわたり深く愛されてきた書物です。

明の時代(1368年~1644)末期に、洪自誠(こうじせい)によって著されたこの書は、

儒教、道教、仏教の教えを巧みに融合させ、生き方の極意を前集222、後集135にわたって

要領よくまとめています。私も大好きな書物のひとつです。


その後に続く言葉が、

「未だ基(もと)の固(かた)からずして、棟宇(とうう)の堅久(けんきゅう)なるものはあらず」

となります。

これは、簡単に言えば、「土台がぐらぐらしている家は、どんなに立派に見えても倒れてしまう」

ということになります。


東洋思想において、「徳」とは単なる道徳的な行いではなく、

人間としての根本的な在り方を指します。

つまり、人生や仕事において、表面的な成功や派手な見栄えよりも

内面の強さや誠実さが本当に大切だということを教えているのです。

目立つことや、すぐに成果を出すことだけを考えるのではなく、

分の中に真の価値観や信念をしっかりと育てることが重要なのだと感じます。

現代社会では、すぐに結果を求められたり、外見や評判に惑わされたりしがちですが、

この古い言葉は、本当に大切なのは目に見えない内なる力だと教えてくれます。

目立つ成功よりも、自分の中にある誠実さや、困難な時でも曲げない信念こそが、

長く続く本当の成功につながるのだと思います。

東洋思想が大切にしてきた「徳」、

つまり誠実さや思いやり、正直さを大切にすれば、

どんな困難も乗り越えられる強い土台を作れるのではないでしょうか。

これからも、大切にしていきたい言葉です。


参考文献 『菜根譚』(今井宇三郎訳 岩波文庫)


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愛宕神社

 


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