熊本県・水俣市は3日「有機水銀などの汚染物質を含む土壌が、隣接する不知火海に流れ出す恐れがある」老朽化した市道の補強工事に着手する方針を発表しました。(下:2015年2月4日 西日本新聞・河野潤一郎「 チッソ廃水貯蔵施設跡 汚染土流出の恐れ 水俣市周辺指導改修へ 不知火海」より)
不知火海は内海。熊本、福岡、佐賀、長崎各県市町村がその沿岸部にあります。沢山の種の魚介・海藻類を育んで「宝の海」と大事にされてきました。ところが不知火海を囲んで沿岸産業が発展してきて汚染が進みました。特に有機水銀汚染は沢山の犠牲者をだし、今も後遺症に苦しむ方々も多く、補償をめぐる裁判が続いています。経済発展がもたらした公害問題と社会にも暗い影を落としてきました。その後の数々の努力により、不知火海は汚染を克服した海として、日本の公害克服技術のすばらしさをアッピールしてきた経過もあります。「13年10月に採択された世界規模での水銀排出・使用削減を定めた条約」には「水俣条約」と「水俣」の名がついています。条約は「水銀汚染地の特定と適正な管理を各国に求めてい」ます。世界が注目する「補強工事」です。汚染土壌が今もあること自体が驚きです。活断層のことも問題になっています。「(今後)おおむね40年以上、性能を維持できる」とありますが、土壌は密閉されていたということでしょうか?地下水汚染は?汚染土壌がどこにあるのかちゃんと表示はされているのでしょうか?汚染物質が海を再度汚す等絶対あってはならないことです。監視の目を増やし、川や海、大地を汚さない体制確立を願います。