個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

学力低下と貧困

2017-12-14 10:43:25 | 教育問題
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

学力低下の問題と貧困の問題は密接な関係にあるといわれています。つまり、生活していくためにぎりぎりの収入であるため、子どもの教育費、塾などの習い事に行かせる余裕がなく、その結果塾に通っている子たちとの学力差が大きくなってしまうという問題です。確かに現在は、幼児教育や小学校の低学年から塾に通っている子どもも少なくなく、一方でまったく習い事をしていない子どももいるため、二極化が進んでいるといわれています。

ある調査では、小中学生で基本的な知識や能力が身についていない子どもの多くは、いわゆる貧困家庭の子どもであるという結果も出ています。なるほど、そうでしょう。塾などで勉強を教えてもらい、そしてまた自宅でも勉強できる環境が整っている子どもと、塾に通えず、自宅には静かに勉強できる部屋もなければ、勉強する机もない子どもとでは、だんだんとその差が広がっていくのは明らかです。

しかし、私はこの問題を考えるときに、いつもいくつかの疑問点がわいてくるのです。

1つ目は、塾にもいかず、家で勉強できるような環境がない子どもが、府内のトップの進学校に合格するというのは確かに難しいでしょう。しかし、小中学校で身につけるべき基本的な学力が身についていないというのは、はたして貧困だけが問題なのでしょうか?私が中学生のときには、塾に通っている子は半分いたかどうかの割合だったと思います。ですが、塾に通っていない子も、たとえば読み書きができないとか、主語述語がわからないとか、九九ができないとか、代金を求める簡単な算数の文章題ができないとか、そんなことはありませんでした。にもかかわらず、今は塾に通えない子どもの多くがそうなってしまっているということは、学校での教育が機能していないということではないでしょうか。もともと学習塾は、学校の勉強よりも、もっと高度な勉強をしたいという子どもや、学校の授業で少しわかりにくいところがあり、授業の補習のような形で利用する子どもが通っていた場所で、学校の授業がまったくわからず、1から勉強するような場所ではなかったはずです。なぜなら、基本的な部分は学校の授業でみんな理解できていたからです。

2つ目は優先順位の問題です。貧困家庭といわれている家庭の中には、子どもの教育費を出すことはできていないが、自分の遊びや趣味にはお金を使ったり、家族みんながスマホを持ったりしているところもあります。その分を教育費にまわせば、十分に塾に通わせることができる家庭もあるんです。何を我慢するのかは各家庭の価値観ですが、私は子どもの教育費というのは、ほぼ確実に返ってくる投資だと思っています。もちろん度を過ぎたようなことをする必要はありませんが、基本的な学力・能力を身につけているだけで今後の人生は大きく変わるはずです。高校を卒業するまでの18年間より、それから後の人生の方が圧倒的に長いわけで、それまでの18年間をどのように生きてきたかで大きく変わるのは間違いありません。自分のことは我慢してでも、子どものためにというのが親として最低限の役目ではないでしょうか。逆に、そうではなく本当に朝から晩まで必死に働いて、なんとか子どもを幸せにしようと頑張り、それでも教育費までは出せないという家庭も多くあります。そういう家庭こそ支援が必要で、その基準が曖昧なまま支援を行おうとするから難しくなってしまうのです。本当に支援が必要な家庭にそれが届かないというのが一番大きな問題です。

3つ目は、どうしてそういう状況になってしまったのかということです。予期せぬ不幸などによって、苦しい生活になってしまった家庭もあるでしょう。しかし、まったく無計画に自分たちの都合だけで子どもを産み、子育てを放棄し、子どものことよりも自分のための時間を優先している家庭も多く存在します。子どもを育てていくというのは、気力・体力はもちろん、時間やお金も必要となります。その条件が整っていないにもかかわらず、簡単に子どもを産み、その結果子どもが苦しんでいるのです。こういった子どもたちは、低学力になることが多く、そのため就職などで不利になってしまいます。まさに負の連鎖です。このような家庭に支援をしても、親の意識が変わらない限りは支援は無駄になりますし、その効果は薄いと思います。子どもの人生は、親で大きく変わるのです。その覚悟や決意を持って子育てするべきだということを教えていくことが、支援するよりも必要なことだと思います。

私は少子化が日本にとって良いことなのか、良くないことかはわかりません。ただ1つ、親から愛情をあまり受けずに育った子ども、必要な学力や能力が環境が原因で身についていない子ども、そういった子どもたちが増加していくのはよくないことだと確信しています。ですから、生まれた環境だけで人生がほぼ決まってしまうことのないように、支援すべきところにはしっかりと支援していき、そしてこれから親となる人たち(今の子どもたち)には、子育ての大切さ・大変さをしっかりと教えていくような仕組みをつくっていかなければなりません。

大人が子どもの可能性を消してしまってはいけません。子どもが私たちの未来をつくっていくのですから。

ONE-SのHP

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