個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

今の時代は大学ってとりあえず行っとこかというノリでいくもんじゃないですよね

2018-04-14 10:36:50 | 教育問題
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾(ワンズ)の塾長の松下です。

バルセロナがヨーロッパのCLの準々決勝でローマに負けてしまいました。圧倒的に有利な状況での敗戦でしたので、めちゃくちゃショックで2時間ほど動けませんでした。とサッカーの話はとりあえずおいといて、今日は最近よく耳にする気になるニュースを取り上げてみます。それは大学進学などで奨学金を借りたが、その後返済が困難になりかなり苦しい生活に追い込まれたり、場合によっては自己破産する人までいるというものです。

調べてみると実際奨学金を借りる学生の割合も20年前と比べて約2倍になっており、50%以上の大学生が奨学金制度を利用しています。国民全体の所得がそれほど上がっていないのに、授業料は上がり続け、国立大学でも平成元年は授業料が約35万円(大卒初任給平均は約16万円)、平成26年には国立の授業料は約55万円(大卒初任給平均は約20万円)と、かなり厳しい状況になっています。

なぜここまでのリスクを背負ってまで大学に進学する人が多いのでしょうか?

それはまず社会全体が、「いまどき、大学くらい卒業していて当たり前だ」という風潮があるからです。

ですが本当に大学進学するということに、そこまでの価値があるのでしょうか?

大学に進学しないと就けない職業はたくさんあります。医者や弁護士や学校の先生もそうかな? などの専門的な職業は高卒では難しいでしょう。民間企業にしても、ある程度の偏差値以上の大学を卒業していないと、面接すらしてくれないところもあります。そういう意味では偏差値の高い大学を卒業し、学歴という武器を持つということは選択肢が広がり、有利に就職活動も進めることができ、その結果安定した暮らしに繋がっていく可能性も高くなるのです。

しかし、気をつけなければいけないのは、今や大学全入時代です。大学進学を希望すれば、受験勉強をしなくても入れる大学なんていくらでもあります。中学校の授業をしているのかと間違えるほどレベルの低い授業をしている大学もあります。子どもの数はどんどん減っているのに、大学の数は減るどころか増えています。「大学くらい行っておいた方がいいよ」という言葉を信じて、ほとんど受験勉強も必要のない大学で4年間貴重な時間とお金を使い、それが果たして武器となりえるでしょうか。

本来ならば大学は、将来こういう仕事をしたいからという目的を持って、大学そして学部を選んで受験するものだと思います。「それが見つからないからとりあえず大学にでも行って探す」というのも理解できますが、大学進学するのに時間とお金がどれだけ必要で、それを使う価値があるのかどうかをしっかり考えてから決めるべきです。

また、より偏差値の高い大学に合格するための競争が激化しています。中高一貫コースの私学もたくさんあり、小学校や中学校の頃からすさまじい勉強量をしている子もたくさんいます。私は、こういった競争そのものは否定しません。一生懸命勉強し、有名大学に合格したときの喜びは格別でしょうし、優秀な人が増えるのは日本にとってプラスになるはずです。努力するというのはどの分野においても素晴らしいと思います。ただ、これだけ競争が激しいということは、その競争に負けてしまう子もたくさんいるということを、特に親は忘れてはいけません。

小学生の頃から勉強をさせ続けて、ほとんど遊ばせることもなく、中学そして高校と勉強をさせた結果、志望していた大学とはずいぶん差のある大学にしか合格できなかったとしたら、この子はどうなってしまうでしょうか。メディアや予備校で登場する大学生は、この激しい競争に勝ってきた子ばかりです。この子の後ろには、多くの敗者がいるんです。

本人が希望し、そして親もそれを望んでいるのなら、この競争に飛び込むことは素晴らしい挑戦だと思います。ただ、「○○大学に合格することが人生のすべてだ」というような考え方を植え付けてしまっては、その大学に合格できなかったときのダメージが大きくなりすぎます。合格できなかったときでも「頑張ったけれどもあかんかった。でも、こっちの大学でまた頑張るわ」と前向きな気持ちで受験が終えれるような環境を整えてあげることも親の大事な役目だと思います。そうすると受験勉強に費やした努力が、志望校には不合格になったけれども、きっと報われるはずです。

そしてもう1つ大切なことは、大学合格がゴールではありません。そこからがスタートなのです。大学に合格するために勉強だけに集中しすぎて、他の能力が十分に育っていないケースもよくあります。有名大学を卒業している「ひきこもり」や「ニート」の人が大勢いることはご存知でしょうか? 将来の安定のために勉強を続けて、目標の大学に合格できたのに、勉強以外の能力が成長してないせいで社会からはじき出されてしまっては本末転倒です。学歴というものは社会人になるときの初年度に使用できる最高の武器ですが、それ以降は職種にもよりますが、学歴そのものは武器にはなりません。勉強面だけでなく、バランスよく他の能力を磨いていくことも大切にしてほしいと思います。



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