こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。
夏期講習もいよいよ後半戦に突入し、始業式が近づいてきました。7月中に宿題が終わった生徒もいれば、まだ半分ほど残っている生徒もいます。でもそれでいいんですよね。学力も違えば、環境も違いますので、それぞれのペースでしていけばいいんです。そういう意味ではここまで予定通りにすべての生徒がきていますので、このまま後半戦も一緒に頑張っていこうと思っています。
ところで、先日驚くニュースを耳にしました。小学6年生と中学3年生を対象とした「全国学力テスト」の結果が発表され、大阪府は全国で40位代、大阪市は政令指定都市の中で最下位という結果でした。この結果を受けて、大阪市は「全国学力テストの結果を校長や教員の人事評価とボーナスの額に反映させる」ことを検討しているというものです。
「これが決定されたらエラいことになるぞ」というのが第一印象でした。学力低下に危機感を持つのはとても大切なことです。現場の教師たちに緊張感を持たすのもいいことなんでしょう。ですが、その方法が間違っていると言わざるを得ないのです。
大阪の学力が低いのは、本当に現場の先生たちの責任なのでしょうか? 先生たちがもっと一生懸命すれば、学力テストの結果が変わってくると本当に信じているのでしょうか?
学力テストの点数を上げる方法は、簡単に2つあります。
1つ目は、学力テスト対策を行うことです。テストというのは「傾向と対策」が存在します。みなさんも、いわゆる「赤本」をしたことがあるでしょう。同じ入学試験でも、たとえば大学によって出題傾向はかなり違ってきます。ですから受験生はまず受験校の過去問から傾向をつかみ、その対策の勉強をするのです。本命の大学は対策をきちんとしたから合格したけれども、赤本すらせずほとんど対策をしていなかったすべり止めの大学が不合格になるなんてよくある話です。高校受験でもそうですよね。どこの塾においても、もちろんONE-Sでも、定期テスト前の勉強と入試前の勉強はまったく違った勉強をさせます。つまり、テストでいい結果を出すためには、そのテストの対策をすることが必要不可欠なのです。
2つ目は、学力の低い生徒にテストを受けさせないようにするのです。なんらかの理由をつけて受けさせなければ、必然的にその学校の平均点は上がるでしょう。
ですが、こんなんで結果を上げたとしていいはずがありませんよね。まず、テスト対策ですが、普段の授業時間をつぶしてでも、テスト対策する学校も出てくるでしょう(実際、すでにそういうことがおこなわれている学校もあるという報告を受けています)。過去問を分析して類題を多くやらせ、授業の方向も完全に学力テストに向けて行われ、そうして学力テストの結果が良くなったとしても、それで本当に学力が上がったといえるのでしょうか?全国学力テスト向けのコツをつかんだだけなのではないでしょうか。
そして2つ目はさらに深刻な問題です。学力の低い子の成績を上げることは本当に難しいのです。それも中学3年生の段階で、小学校で学習する内容がほとんど理解できていない子の成績を上げるのは至難の業です。マンツーマンで毎日指導しても難しいのに、学校の全体授業でどうにかできるはずもありません。そうなるとそういう生徒をテストから遠ざけるようになるケースもでてくるでしょう。ひどくなると、発達症の検査を受けさせて、どれだけ軽度であっても通常学級から追い出すようなことになるかもしれません。支援学級に行かされる子どもが増えてくる可能性もあります。
さらに問題はあります。それは不正が行われる可能性が高くなるということです。テスト中に解答を教えたり、生徒の答案を書き直したり、成績の悪い生徒の答案を提出しなかったり、そんなことが起こりそうだと、どうして考えられないのでしょうか?
本当に学力を上げたいのであれば、小学校教育から変えていかなければなりません。もっと学校が自由に、特色ある授業を行うことができる権限を与え、ついていけなくなっている子どもを徹底的にサポートできる体制を作る。そして家庭の経済格差をもっと考慮した援助をする。ここから始めないと、学力なんて変わるはずもありません。何もわかってないんです!
ではどうしてこんなしょうもないことをしょうとするのでしょう? それは教育というのは専門家ではなくても、だれでもかじったことがあるからです。例えばサッカーでは、監督はもちろんサッカーの経験者がほとんどで、選手ではなくてもずっとサッカーに関わった仕事をしている人がなっています。そしてサッカー協会の中にも元サッカー選手が多くいて、現場の声を吸い上げることもでき、よりよい改革をしていこうとしています。
一方教育は、現場の先生は教育の専門家でありプロです。塾の先生講師も同じです。ですが、教育の方向を決定する人たちは、教育の専門家ばかりではありません。現場のことを何も知らない人もたくさんいます。であるのに、どうして教育に口出しするのかと言うと、教育というのは専門家ではなくても、だれもが義務教育を受けて受験を経験しているため、自分なりの教育論を持ってる人が多いためです。ただ、その教育論は自分の経験のみで構築されているので視野が狭く、間違ってる場合が多いのすが、それに気付かず、正しいものと思い込んでいるため、訳のわからないことを言いだすのです。
テレビゲームでしかサッカーをしたことがない人が、チームの監督になれませんし、サッカーのルールを決めるのは明らかにおかしいですし、よい改革ができるとは思えませんよね。
今の教育の問題は、現場の声を吸い上げる機能がないこと、現場をわかってない人間が日本の教育の方向を決定していることなんです。その本質に気付かずに、学力が低下してるからもっといっぱい勉強させて、教師にも必死で指導させればいいと表面的な発想しかできないから何年経ってもよくならないどころか、どんどん悪化しているのです。
結局振り回されるのは子どもたちなんです。本当に子どもたちのことを、子どもたちの将来のことを考えている人間が教育を決めていかなければいけない、それがなにより今必要なことだと思います。
ONE-SのHP
夏期講習もいよいよ後半戦に突入し、始業式が近づいてきました。7月中に宿題が終わった生徒もいれば、まだ半分ほど残っている生徒もいます。でもそれでいいんですよね。学力も違えば、環境も違いますので、それぞれのペースでしていけばいいんです。そういう意味ではここまで予定通りにすべての生徒がきていますので、このまま後半戦も一緒に頑張っていこうと思っています。
ところで、先日驚くニュースを耳にしました。小学6年生と中学3年生を対象とした「全国学力テスト」の結果が発表され、大阪府は全国で40位代、大阪市は政令指定都市の中で最下位という結果でした。この結果を受けて、大阪市は「全国学力テストの結果を校長や教員の人事評価とボーナスの額に反映させる」ことを検討しているというものです。
「これが決定されたらエラいことになるぞ」というのが第一印象でした。学力低下に危機感を持つのはとても大切なことです。現場の教師たちに緊張感を持たすのもいいことなんでしょう。ですが、その方法が間違っていると言わざるを得ないのです。
大阪の学力が低いのは、本当に現場の先生たちの責任なのでしょうか? 先生たちがもっと一生懸命すれば、学力テストの結果が変わってくると本当に信じているのでしょうか?
学力テストの点数を上げる方法は、簡単に2つあります。
1つ目は、学力テスト対策を行うことです。テストというのは「傾向と対策」が存在します。みなさんも、いわゆる「赤本」をしたことがあるでしょう。同じ入学試験でも、たとえば大学によって出題傾向はかなり違ってきます。ですから受験生はまず受験校の過去問から傾向をつかみ、その対策の勉強をするのです。本命の大学は対策をきちんとしたから合格したけれども、赤本すらせずほとんど対策をしていなかったすべり止めの大学が不合格になるなんてよくある話です。高校受験でもそうですよね。どこの塾においても、もちろんONE-Sでも、定期テスト前の勉強と入試前の勉強はまったく違った勉強をさせます。つまり、テストでいい結果を出すためには、そのテストの対策をすることが必要不可欠なのです。
2つ目は、学力の低い生徒にテストを受けさせないようにするのです。なんらかの理由をつけて受けさせなければ、必然的にその学校の平均点は上がるでしょう。
ですが、こんなんで結果を上げたとしていいはずがありませんよね。まず、テスト対策ですが、普段の授業時間をつぶしてでも、テスト対策する学校も出てくるでしょう(実際、すでにそういうことがおこなわれている学校もあるという報告を受けています)。過去問を分析して類題を多くやらせ、授業の方向も完全に学力テストに向けて行われ、そうして学力テストの結果が良くなったとしても、それで本当に学力が上がったといえるのでしょうか?全国学力テスト向けのコツをつかんだだけなのではないでしょうか。
そして2つ目はさらに深刻な問題です。学力の低い子の成績を上げることは本当に難しいのです。それも中学3年生の段階で、小学校で学習する内容がほとんど理解できていない子の成績を上げるのは至難の業です。マンツーマンで毎日指導しても難しいのに、学校の全体授業でどうにかできるはずもありません。そうなるとそういう生徒をテストから遠ざけるようになるケースもでてくるでしょう。ひどくなると、発達症の検査を受けさせて、どれだけ軽度であっても通常学級から追い出すようなことになるかもしれません。支援学級に行かされる子どもが増えてくる可能性もあります。
さらに問題はあります。それは不正が行われる可能性が高くなるということです。テスト中に解答を教えたり、生徒の答案を書き直したり、成績の悪い生徒の答案を提出しなかったり、そんなことが起こりそうだと、どうして考えられないのでしょうか?
本当に学力を上げたいのであれば、小学校教育から変えていかなければなりません。もっと学校が自由に、特色ある授業を行うことができる権限を与え、ついていけなくなっている子どもを徹底的にサポートできる体制を作る。そして家庭の経済格差をもっと考慮した援助をする。ここから始めないと、学力なんて変わるはずもありません。何もわかってないんです!
ではどうしてこんなしょうもないことをしょうとするのでしょう? それは教育というのは専門家ではなくても、だれでもかじったことがあるからです。例えばサッカーでは、監督はもちろんサッカーの経験者がほとんどで、選手ではなくてもずっとサッカーに関わった仕事をしている人がなっています。そしてサッカー協会の中にも元サッカー選手が多くいて、現場の声を吸い上げることもでき、よりよい改革をしていこうとしています。
一方教育は、現場の先生は教育の専門家でありプロです。塾の先生講師も同じです。ですが、教育の方向を決定する人たちは、教育の専門家ばかりではありません。現場のことを何も知らない人もたくさんいます。であるのに、どうして教育に口出しするのかと言うと、教育というのは専門家ではなくても、だれもが義務教育を受けて受験を経験しているため、自分なりの教育論を持ってる人が多いためです。ただ、その教育論は自分の経験のみで構築されているので視野が狭く、間違ってる場合が多いのすが、それに気付かず、正しいものと思い込んでいるため、訳のわからないことを言いだすのです。
テレビゲームでしかサッカーをしたことがない人が、チームの監督になれませんし、サッカーのルールを決めるのは明らかにおかしいですし、よい改革ができるとは思えませんよね。
今の教育の問題は、現場の声を吸い上げる機能がないこと、現場をわかってない人間が日本の教育の方向を決定していることなんです。その本質に気付かずに、学力が低下してるからもっといっぱい勉強させて、教師にも必死で指導させればいいと表面的な発想しかできないから何年経ってもよくならないどころか、どんどん悪化しているのです。
結局振り回されるのは子どもたちなんです。本当に子どもたちのことを、子どもたちの将来のことを考えている人間が教育を決めていかなければいけない、それがなにより今必要なことだと思います。
ONE-SのHP