個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

現場を知らない人間が決めるからどんどん悪くなる

2018-08-17 10:34:10 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

夏期講習もいよいよ後半戦に突入し、始業式が近づいてきました。7月中に宿題が終わった生徒もいれば、まだ半分ほど残っている生徒もいます。でもそれでいいんですよね。学力も違えば、環境も違いますので、それぞれのペースでしていけばいいんです。そういう意味ではここまで予定通りにすべての生徒がきていますので、このまま後半戦も一緒に頑張っていこうと思っています。

ところで、先日驚くニュースを耳にしました。小学6年生と中学3年生を対象とした「全国学力テスト」の結果が発表され、大阪府は全国で40位代、大阪市は政令指定都市の中で最下位という結果でした。この結果を受けて、大阪市は「全国学力テストの結果を校長や教員の人事評価とボーナスの額に反映させる」ことを検討しているというものです。

「これが決定されたらエラいことになるぞ」というのが第一印象でした。学力低下に危機感を持つのはとても大切なことです。現場の教師たちに緊張感を持たすのもいいことなんでしょう。ですが、その方法が間違っていると言わざるを得ないのです。

大阪の学力が低いのは、本当に現場の先生たちの責任なのでしょうか? 先生たちがもっと一生懸命すれば、学力テストの結果が変わってくると本当に信じているのでしょうか? 

学力テストの点数を上げる方法は、簡単に2つあります。

1つ目は、学力テスト対策を行うことです。テストというのは「傾向と対策」が存在します。みなさんも、いわゆる「赤本」をしたことがあるでしょう。同じ入学試験でも、たとえば大学によって出題傾向はかなり違ってきます。ですから受験生はまず受験校の過去問から傾向をつかみ、その対策の勉強をするのです。本命の大学は対策をきちんとしたから合格したけれども、赤本すらせずほとんど対策をしていなかったすべり止めの大学が不合格になるなんてよくある話です。高校受験でもそうですよね。どこの塾においても、もちろんONE-Sでも、定期テスト前の勉強と入試前の勉強はまったく違った勉強をさせます。つまり、テストでいい結果を出すためには、そのテストの対策をすることが必要不可欠なのです。

2つ目は、学力の低い生徒にテストを受けさせないようにするのです。なんらかの理由をつけて受けさせなければ、必然的にその学校の平均点は上がるでしょう。

ですが、こんなんで結果を上げたとしていいはずがありませんよね。まず、テスト対策ですが、普段の授業時間をつぶしてでも、テスト対策する学校も出てくるでしょう(実際、すでにそういうことがおこなわれている学校もあるという報告を受けています)。過去問を分析して類題を多くやらせ、授業の方向も完全に学力テストに向けて行われ、そうして学力テストの結果が良くなったとしても、それで本当に学力が上がったといえるのでしょうか?全国学力テスト向けのコツをつかんだだけなのではないでしょうか。

そして2つ目はさらに深刻な問題です。学力の低い子の成績を上げることは本当に難しいのです。それも中学3年生の段階で、小学校で学習する内容がほとんど理解できていない子の成績を上げるのは至難の業です。マンツーマンで毎日指導しても難しいのに、学校の全体授業でどうにかできるはずもありません。そうなるとそういう生徒をテストから遠ざけるようになるケースもでてくるでしょう。ひどくなると、発達症の検査を受けさせて、どれだけ軽度であっても通常学級から追い出すようなことになるかもしれません。支援学級に行かされる子どもが増えてくる可能性もあります。

さらに問題はあります。それは不正が行われる可能性が高くなるということです。テスト中に解答を教えたり、生徒の答案を書き直したり、成績の悪い生徒の答案を提出しなかったり、そんなことが起こりそうだと、どうして考えられないのでしょうか?

本当に学力を上げたいのであれば、小学校教育から変えていかなければなりません。もっと学校が自由に、特色ある授業を行うことができる権限を与え、ついていけなくなっている子どもを徹底的にサポートできる体制を作る。そして家庭の経済格差をもっと考慮した援助をする。ここから始めないと、学力なんて変わるはずもありません。何もわかってないんです!

ではどうしてこんなしょうもないことをしょうとするのでしょう? それは教育というのは専門家ではなくても、だれでもかじったことがあるからです。例えばサッカーでは、監督はもちろんサッカーの経験者がほとんどで、選手ではなくてもずっとサッカーに関わった仕事をしている人がなっています。そしてサッカー協会の中にも元サッカー選手が多くいて、現場の声を吸い上げることもでき、よりよい改革をしていこうとしています。

一方教育は、現場の先生は教育の専門家でありプロです。塾の先生講師も同じです。ですが、教育の方向を決定する人たちは、教育の専門家ばかりではありません。現場のことを何も知らない人もたくさんいます。であるのに、どうして教育に口出しするのかと言うと、教育というのは専門家ではなくても、だれもが義務教育を受けて受験を経験しているため、自分なりの教育論を持ってる人が多いためです。ただ、その教育論は自分の経験のみで構築されているので視野が狭く、間違ってる場合が多いのすが、それに気付かず、正しいものと思い込んでいるため、訳のわからないことを言いだすのです。

テレビゲームでしかサッカーをしたことがない人が、チームの監督になれませんし、サッカーのルールを決めるのは明らかにおかしいですし、よい改革ができるとは思えませんよね。

今の教育の問題は、現場の声を吸い上げる機能がないこと、現場をわかってない人間が日本の教育の方向を決定していることなんです。その本質に気付かずに、学力が低下してるからもっといっぱい勉強させて、教師にも必死で指導させればいいと表面的な発想しかできないから何年経ってもよくならないどころか、どんどん悪化しているのです。

結局振り回されるのは子どもたちなんです。本当に子どもたちのことを、子どもたちの将来のことを考えている人間が教育を決めていかなければいけない、それがなにより今必要なことだと思います。

ONE-SのHP

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当たり前のことなんて1つもない

2018-08-09 10:19:08 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

夏期講習も前半戦がもうすぐ終わりますが、まだまだ暑い日が続きますね。朝から晩までエアコンをつけっぱなしの部屋にいるので、たまに外に出たときには5分ほどしか体がもちません(^^;)

私たちの生活って毎日それほど大きな変化はなく、同じような日の繰り返しですよね。もちろんそうでない人もいるでしょうが、社会人なら毎日職場に行って、いつもと同じ仕事をし、学生ならば学校に行き、いつも変わらぬ授業を受けて部活をして というように何か特別な行事などがなければ、ほとんど変化がありません。

そうなってくるとすべてのことに慣れてきて、何もかもが当たり前のように感じ始めます。

たとえば、一生懸命頑張って高校に合格したときは、これまでの努力が報われた喜びと、これからの3年間に対する期待感で溢れていたのに、入学してしばらくするとそういった感情がなくなっていき、この場所で勉強できることが当たり前のように感じ、「ああ、今日も学校かあ。だっるいなー」と何か嫌なことがあったわけではないのに、志望校に通えてる幸せを忘れ、その上不満まで出てしまいます。ちなみに、これは完全に私の高校時代のことです(笑)。

就職してもそうですよね。必死で就活頑張り、内定をもらえたときなどは喜びでいっぱいで、これからこの場所で何十年も頑張ってやるぞ!とヤル気に満ち溢れているのも最初の数年、いや数ヵ月かも。すぐに「ああ、仕事だっるいなー。休みも少ないし給料も低いし」などどつい仕事帰りの居酒屋などで愚痴ってしまうのです。

もっと身近なもの、毎日ご飯を食べることができることに「ありがたいな」と思ってますか? なかなか思えないですよね。毎日寝る場所があって、快適に暮らせていることを当たり前じゃないんだと思っている子どもたちはいるでしょうか? 

まあ、私の中学生時代を振り返っても、そんな気持ちを持っている子なんてほとんどいないでしょうね。私もよく母親に「おかんの飯はまずいねん!」「家がせまい。なんとかしてくれ!」などと感謝どころか不満ばかり言ってました。

こんな私でしたが、大学卒業後に「ひきこもり」になってしまったことから、働けることやご飯を食べられることが当たり前じゃないんだと気づきました。生まれて初めて親に感謝できたのはこのときだったように思います。ひきこもりから脱出して、塾を開校し、生徒が入塾してくれたあの喜びは20年経った今でも鮮明に覚えています。

「あのときの気持ちをいつまでも忘れずにいよう」と心に誓いながらも、ついついその想いが薄くなるときもあります。そんなときに生徒たちの顔が思い出させてくれるんです。

ONE-Sには電車で30分以上かけて来てくれている生徒もいます。家から出るだけでもしんどい、この暑さの中、それだけの時間をかけて来てくれています。塾に着いたときには、汗びっしょりになっていて、それでも笑顔で話しかけてくれ、一生懸命勉強します。こんな生徒の顔を見ると、「本当にありがたい。この子の気持ちに応えるためにも、俺はもっと頑張らないと」という気持ちになります。

そう考えると、遠くからの生徒だけでなく、近くから来てくれている生徒も同じように、「数ある塾の中からONE-Sを選んでくれ、貴重な時間とお金を使ってくれているんだ。」ということを再確認できるのです。「いってらっしゃい」と子どもを見送るお母さんの気持ち、子どもを塾まで車で送り迎えしてくれてるときのお母さんの気持ち、そんな気持ちのすべてが有難いのです。

今こうして塾の仕事をできているのは当たり前なんかじゃない。家族や友人など、多くの人に支えてもらい、力を貸してもらっています。そして塾に来てくれている生徒たち、そのご両親。すべての人のおかげで、私は自分がしたいことを仕事としてできているのです。ですから、「今日はちょっとしんどいから、このくらいでいいか」などと手を抜くことなんてありえません。

私は教える能力があるかぎり、塾を続けようと思っています。この先何十年続けることができるかはわかりませんが、何年経っても常に新鮮な気持ちで、決して当たり前とは思わず、いつでも全力で生徒たちと向き合っていきたいと思っています。

みんな、暑い中勉強よく頑張ったな! 休憩は必要なんで、今週末からのお盆休みには勉強忘れていっぱい遊んで、休むんやで。そしてお盆明けの夏期講習の後半戦、お互いリフレッシュしたいい状態でまた頑張っていこうぜー!

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一生懸命頑張ることが恩返し

2018-08-04 10:36:37 | 活動報告
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

先月29日の日曜日に、大阪狭山市で定期的に開催されているミーティングに参加してきました。

1年半ほど前に、狭山市のNPOさんが、「ひきこもりの経験が強みになっている」というテーマで講演会を開かれ、そのときの講師として私に声をかけてくださり、それ以来このNPOさんと仲良くさせていただいています。その方たちが中心となって定期的にミーティングが開催されるようになりました。

今思えば、その1年半前の講演会が私にとっての大きなターニングポイントでした。というのも、私自身が「ひきこもり」の経験があったというのを、大勢の前に話をするのも初めてでしたし、そもそも講演会という場で話をすることが初めてでしたので、ものすごく緊張もしました。ですが、話をさえていただいたおかげて、「ひきこもり」時代を含めて、自分自身をもう一度見つめなおすきっかけになったこと、そして何十人という人たちの前で緊張しまくりでしたけれども、言いたいことを伝えることができたという自信ができたこと、それらが今現在、仕事においてとても役に立っています。

ミーティングに来られた方々は、私のような個人事業の方もいますし、NPOや行政側の方もいます。私と同じ学習塾をしている方もいますし、ひきこもりの就労支援事業や、発達障がいの方の居場所や働く場所をつくっている方などいろんな方が集まってくれました。

ミーティングといっても、堅苦しい雰囲気ではなく、ご飯を食べながらリラックスして、ときには冗談も言い合ったりして楽しい時間となりました。年齢も違えば、職業や性別も違いますし、それぞれの置かれている環境も異なります。ですから、ある問題について、意見が分かれることは当然あります。大切なのはみんなでそれについて話し合うことです。意見が違うからこの人とは一緒に活動できないと決めつけるのではなく、意見を出し合うことでいろんな発見があったり、逆に一つにまとまったりすることも少なくありません。

自分は今までこういう考えを持っていたけれども、確かにその意見も一理あるな。気をつけていたつもりだったが、もしかすると決めつけていた部分があったかもしれないな。などと自分自身の考えを見つめなおす機会にもなりますし、なにより議論することによって、繋がりがより強固なものになってきます。みんなが同じ方向に歩いていくことができるのです。

現在、子どもたち、若者たちが抱える問題は複雑になっており、もはや1つの機関で解決できるものではありません。それぞれの分野のスペシャリストが協力し、それに対応していく必要があります。同じ志を持った人たちと繋がりを広げるとともに、議論を重ねて繋がりを強めて1つにまとまっていくことはとても意味のあることだと思います。

もともと人と付き合うのが苦手で、どこの組織とも関係を持たずにきました。ですが3年ほど前から、ネットワークを構築することの大切さを感じ、活動を開始した結果、いろんな方と知り合うことができるようになりました。人付き合いが苦手な私がこうしていろんな方と知り合うことができたのは、1人の友人のおかげなんです。彼はとても顔が広く、私が「◯◯の仕事してる人いないかな?」というと「それやったら、こんな人知ってるよ。紹介しよか?」と言ってくれます。私から頼まなくても、彼の方から私に必要だろうと思う人のところに連れて行ってくれたこともありました。彼がいなければ、わたしの活動範囲はここまで広がっていなかったはずです。

そんな彼はひきこもりなんです。正確には、元ひきこもりで、現在は様々な活動をしていますが就労をしているわけではありません。頭も良く、優しくて、とってもいいやつです。ですが、彼をよく知らない人は彼のことを「働いていない変わった人」というレッテルを貼るでしょう。

私はこういう偏見を、少しずつであっても、なんとかして変えていきたいと思ってます。ひきこもりや不登校といっても、1人1人にそうなった理由があり、それぞれ状況は異なるんです。

私1人でできることなんてほんの少しでしょう。誰かを助けることなんて簡単にできません。ですが、私が信念を曲げずに、一生懸命頑張っていくことで、いつか大きな流れができると信じています。それが、いつも私を助けてくれる彼や、大きな力を貸してくれる多くの方への恩返しなると思っています。



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