富田林百景+ 「とんだばやし」とその周辺の魅力を発信!「ええとこ富田林」

大阪の東南部に位置する人口10万ちょっとのごく普通の町、富田林。その魅力を、市民の手で発見していきます。

〈リバイバル・アーカイブス〉葛城古道をゆく5 名柄の町

2018年08月23日 | 歴史

〈リバイバル・アーカイブス〉2022.12.5~12.19

原本:2018年8月23日

 

 2018年7月31日 17:33 次は名柄の町へ。葛城古道を南から北へ進んでいきます。

 

 17:38 最初に迎えてくれたのは、おおきく立派な太神宮灯籠(伊勢灯籠)。

 

 富田林ではなじみの神前型。竿部分に「太神宮」の銘。

 

 「天下泰平」 文化四年(1807)に造られました。

 

 17:41 灯籠の斜め向かいが造り酒屋の葛城酒造(久保家)。

 

 杉玉が上がっています。

 

 17:45 中村家住宅前、ここで当て曲がっています。

 

 17:47 国の重要文化財 中村家住宅

御所市の中では、現存する最も古く、かつ重要な建築のひとつといわれています。中世吐田(はんだ)城主 吐田越前守の子孫、中村正勝が慶長13年(1608)に名柄村の代官になっており、その頃に建てたと推定されています。国の重要文化財。代官屋敷のような建物。建て方が明らかに他の伝統的建造物(厨子二階入母屋〈または切妻〉平入り家屋)とは異なりますね。

17:52 少し北に行くと、「本 池口」と表札の上がった平入り部分の間口が長い厨子二階切妻建物。

ここは作家であり元経済企画庁長官でもあった堺屋太一氏のご実家でもあります。

「巨人・大鵬・卵焼き」、「団塊世代」は彼のことば。

 

 17:52 玄関の木が印象的な家屋

 

 18:01 郵便名柄館

資料館&カフェに改装された旧名柄郵便局。築100年余りの大正ロマンが感じられる建物です。

 

 火曜日・水曜日はお休み 営業時間11~16時

 

 18:04 ここも当て曲がっています。 写真左が水越街道、右が葛城古道(名柄街道)。

ここが葛城古道(名柄街道)と大阪府の千早赤阪村森屋から水越峠を越えて長柄神社前の通り、下街道に至る水越街道の交差地点になります。

 

 18:06 式内社 長柄神社 

「式内社」は延長5年(927)にまとめられた『延喜式』に記載されている古社で少なくとも平安時代には存在したことが確認できます。

長柄神社は平安時代どころか、『日本書紀』天武天皇9年(680)9月9日条において記述があります。天武天皇が「長柄杜(ながらのもり)」において騎射(馬に乗って矢を射かけること)を催したと書かれています。

『古事記』では「葛城長江」の名称が見えますが、「長江(ながえ)」と「長柄(ながえ/ながら)」は同義語であって葛城山の長い尾根を意味するといわれ、『長江』→『長柄』→『名柄』と代わっていったのかもしれません。「長柄」と表記すると天理市の長柄町と混同されるので、今は「名柄」になったとかいう説も...

 

本殿の庇(ひさし)の裏板に、龍が描かれています。「八方睨みの龍」のような雲龍。

軒先を支える垂木(たるき)がないのも珍しいですね。

 

 

使用用途がよくわからない建物(東屋風) かなり傷んできているようです。鐘楼ではなさそうです。

 

 献燈 まだ新しいこの石灯籠は平成24年(2012)に建之されました。

 

  「堺屋太一(池口 小太郎)建之」とあります。

 

 18:07 樹齢800年といわれる楠や欅(けやき)がそびえたつ大和棟の建物。大庄屋であった末吉家。

 

18:13 御所市豊田 民家の前の水路の水場 

 

 ここから先は8月21日に再度訪れました。15:35 御所市豊田 

名柄街道をすこし東に下った坂道に灯籠をかこった玉垣。なんだろうと近づいてみると...

 

 真ん中の大きい神前型の灯籠は「太神宮」灯籠でした。

 「太神宮灯籠」とは、伊勢灯籠のことで、江戸中期以降、庶民に普及した「伊勢参り」、「おかげ踊り」の流行とともに、その街道筋や、町の中などに建之されました。

太神宮灯籠に興味のおありの方は、次のブログを参考にしてください。

〈富田林百景ブログより〉

金岡神社の太神宮灯籠 2016.8.24.

南河内で一番古い太神宮灯籠 3 2016.9.6.

 

 15:40 灯籠から少し下ると豊田公民館

ここもすごいですね。価値ある板碑がたくさん並べられています。公民館は新しいですが、古いものをこうして後世に残していく心に敬服いたします。

銘が風化して読みづらくなっています。わかるのは、自然石を使用している碑(右から2番目)で、嘉永三年(1850)の「南無阿弥陀佛」、六字名号碑ですね。

半鐘も玄関わきに吊るされていました。

 

 15:45 遠くに大和三山が見渡せる田園地帯。

この辺の土地割は、空中写真では条里地割の痕跡が読み取れるので、開発は相当古く古代、奈良時代にさかのぼる可能性があります。

 

 15:48 片上醤油さん 今は珍しい村の醤油屋さんです。

昭和6年に創業され、奈良県産大豆を主原料として杉の大桶の中で自然の季節のままに発酵熟成する、天然醸造の手法を守っています。もちろん食品添加物は使わない無添加無調整の醤油です。(片上醤油ホームページより)

 

 売店奥に、醸造に使用する木桶がありました。

呼びボタンを押すと、別の蔵で作業中の蔵人でもあるご主人が来られ、製品の説明を受けながら「天然醸造醤油」と「自家用たまり醤油」をおみやげに購入しました。

 

 16:16 葛城一言主神社参道に着きました。立派な鳥居と灯籠が迎えます。奥は森脇公民館。

 

 公民館の脇にはいろんな石碑

 

半鐘 もありました。

 

16:21 葛城一言主神社に向かう田んぼに虹のかけ橋 

「葛城古道6 一言主神社と九品寺」に続きます。

関連記事:葛城古道をゆく1 高鴨神社の灯籠 2018.7.5.

              葛城古道をゆく2 髙天彦神社周辺 2018.7.24.

              葛城古道をゆく 3 極楽寺→南郷 2018.8.10.

                           葛城古道をゆく4 井戸、佐田地区 2018.8.18.

写真撮影:2018年7月31日、8月21日

2018年8月23日

( HN:アブラコウモリH )

 


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