遺体屋の仕事

日常生活では見ることも聞くこともない「遺体屋の仕事」とは・・・

モラル

2006-07-01 09:44:48 | Weblog
首都圏葬祭ホールでの湯灌です。
故人様は50歳代女性で死因は不明です。(情報がありませんでした。)
解剖されていて、腹部から出血しているとのことで早めにホールに入らせていただきました。


・・・故人様は浴衣を身に着けていましたが、その浴衣の胸元あたりが赤く血で染まっていました。直ぐに浴衣をお取りし、処置に入らせていただきました。
出血箇所は既に乾いていて問題ありませんでしたが、縫い方が雑で縫い目から新聞紙が出ていました。今までに何度か解剖後のご遺体を見てきましたが、一番、酷いです。
更に出血で汚れている部分をアルコールで拭いていると糸が解れてきました。
開いてしまった腹部には新聞紙がギッシリ詰められていました。これは多分、出血防止のために入れられたもので仕方ないのかもしれませんが、人体に新聞紙、個人的に少し抵抗があります。
私が一番許せなかったのは・・・
解剖の際に使用していたものかどうか分かりませんが、ゴム手袋や汚れたタオル(明らかに自分の手を拭いたもの)、おしぼり等がお腹に入れられていたのです。
これは、どんな理由があってもやってほしくないことです。


先輩は縫合もできますが縫合はせず、処置テープを傷口に張り、開いた箇所と縫合箇所すべてを隠しました。



・・・処置が終わり、通常通り湯灌を執り行わせていただきました。
立ち会われたご家族・ご親族様は、

「入院中、お風呂に入れなかったから綺麗にしてあげられてよかったぁ」

と喜んでくださいました。


何らかの理由があって解剖されたのだと思いますが、担当された医師のモラルの低さにガッカリしてしまいます。



残されたご家族が事実を知ってしまったら・・・
亡くなられた故人様も悲しまれていると思います。







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