たまにですが「ご遺髪」を希望されるご葬家がいます。
亡くなられた故人様の体の一部。
形見として残しておく為に、故人様の髪の毛を少し頂きます。
切った遺髪を半紙に包み、小さなガラス瓶に入れてお渡しするサービスを弊社ではさせて頂いています。
とても悲しみの深いご葬家様には、こちらからご遺髪のご案内する事もあります。
ただし、多くは“髪の毛のある故人様”です。
あまり毛量の少ない方の時、どんなに悲しみ深いご葬家でも
ご遺髪の話は進めたりしません。
故人様が悲しみますから・・・。
死因は聞いていませんでしたが、故人様とても痩せた男性の方でした。
髪の毛も坊主にされて目も落ち窪み、半分あいています。
『ご病気の闘病で痩せてしまったのかな・・・?』
そう思いました。
ご葬家が用意された洋服にお着せ替えさせて頂いたあとヒゲ剃りをしました。
とても濃いおヒゲの方でなかなか手こずりました。
そしてご葬家お立会いいただく為にお部屋へご案内。
ところが肝心の喪主様の奥様がなかなかお部屋にきません。
「どうぞ中へお進み下さい」とご親戚の方にも何度もご案内したのですが
主役(奥さま)が来ないので遠慮されて入ってきません。
『進まないな~困ったな~』と思い始めたところに奥様登場。
「あ、お父さんキレイになった」と奥様
「まだ、これからお化粧させて頂きますので」と私
「お化粧!?」
なんでそんなことするの!?と少し嫌な顔されました。
【 男性にお化粧なんて普通は変です。
ですが、亡くなられると時間の経過と共に初めきれいだった故人様も
お顔色は変わってきてしまいます。
変化をしたとしても極力わからないようにするのが男性のお化粧なのです。 】
と、長々ご説明してもパッとご理解いただけるとは思えないので
「口元にカサブタがありますよね、こちらをお化粧でお隠しするためのお化粧ですので」と別の視点からご説明。
ご理解頂き、極力うす化粧で対応する事に・・・。
お化粧の間中、奥様と息子さんは故人様の足をさすっていました。
お嬢さんたちは始終泣かれていました。
「遺髪って取ることできないのかしら?」と奥様と息子さんが話し始めました。
『遺髪?だって故人様丸坊主で髪の毛は・・・』と一瞬思うと
「腕の毛、ほらここ少し切ってみたらどうだろ?」
「変だよ、そこだけハゲになっちゃうよ」
「じゃあ足のすね毛から取る?」
「いいよ、いいよ」
『えーー(д゜;)!ウデ毛!?たしかにヒゲも濃くて毛深いけど遺髪にするの!?』と内心ビックリの私
「亡くなる、前の日に坊主にしちゃったからね~それで次の日にその角のところで倒れるなんて」
「まさか、父さんだなんて思わなかった…」
とウデ毛に続くその話を聞いてやっと理解できました。
すっかり私の見当違いでどうやら突然死だったようなのです。
奥様がこの納棺式でお化粧をする事をご理解していなかったのも
故人様の一部を感じ取りたくて遺髪にウデ毛を所望されるのも
目まぐるしく巡る葬儀の打ち合わせ・連絡・準備そして予測もしていない突然の事に動揺していたからからだったのでしょう。
仕上がったお化粧を見て奥様は
「ホント!傷がわからなくなったわ。ちょうど良い顔色です」とご安心されていました。
そして、ご納棺の時お棺に入れたい品物の一つに家族写真がありました。
念のため
「言い伝えですが、ご生前の方の写真を入れると連れて行かれると言う地方もあるのですが…」とお話しすると
「良いんです。だってこの写真撮ったばかりでお父さん、まだ見ていないから・・・」
そう言ってお供えになりました。
その写真は
ご家族で整列し普段着のままの何気ない光景なのに皆さんとても素敵な笑顔でした。
遺体処置・エンゼルケア・湯灌サービス
ヒューマンケアでは、最期まで故人の尊厳を守るために死顔を整え、ご本人にもご家族にも、人生の最期にふさわしい最高の「グッドフェイス」でお送りいたします。
亡くなられた故人様の体の一部。
形見として残しておく為に、故人様の髪の毛を少し頂きます。
切った遺髪を半紙に包み、小さなガラス瓶に入れてお渡しするサービスを弊社ではさせて頂いています。
とても悲しみの深いご葬家様には、こちらからご遺髪のご案内する事もあります。
ただし、多くは“髪の毛のある故人様”です。
あまり毛量の少ない方の時、どんなに悲しみ深いご葬家でも
ご遺髪の話は進めたりしません。
故人様が悲しみますから・・・。
死因は聞いていませんでしたが、故人様とても痩せた男性の方でした。
髪の毛も坊主にされて目も落ち窪み、半分あいています。
『ご病気の闘病で痩せてしまったのかな・・・?』
そう思いました。
ご葬家が用意された洋服にお着せ替えさせて頂いたあとヒゲ剃りをしました。
とても濃いおヒゲの方でなかなか手こずりました。
そしてご葬家お立会いいただく為にお部屋へご案内。
ところが肝心の喪主様の奥様がなかなかお部屋にきません。
「どうぞ中へお進み下さい」とご親戚の方にも何度もご案内したのですが
主役(奥さま)が来ないので遠慮されて入ってきません。
『進まないな~困ったな~』と思い始めたところに奥様登場。
「あ、お父さんキレイになった」と奥様
「まだ、これからお化粧させて頂きますので」と私
「お化粧!?」
なんでそんなことするの!?と少し嫌な顔されました。
【 男性にお化粧なんて普通は変です。
ですが、亡くなられると時間の経過と共に初めきれいだった故人様も
お顔色は変わってきてしまいます。
変化をしたとしても極力わからないようにするのが男性のお化粧なのです。 】
と、長々ご説明してもパッとご理解いただけるとは思えないので
「口元にカサブタがありますよね、こちらをお化粧でお隠しするためのお化粧ですので」と別の視点からご説明。
ご理解頂き、極力うす化粧で対応する事に・・・。
お化粧の間中、奥様と息子さんは故人様の足をさすっていました。
お嬢さんたちは始終泣かれていました。
「遺髪って取ることできないのかしら?」と奥様と息子さんが話し始めました。
『遺髪?だって故人様丸坊主で髪の毛は・・・』と一瞬思うと
「腕の毛、ほらここ少し切ってみたらどうだろ?」
「変だよ、そこだけハゲになっちゃうよ」
「じゃあ足のすね毛から取る?」
「いいよ、いいよ」
『えーー(д゜;)!ウデ毛!?たしかにヒゲも濃くて毛深いけど遺髪にするの!?』と内心ビックリの私
「亡くなる、前の日に坊主にしちゃったからね~それで次の日にその角のところで倒れるなんて」
「まさか、父さんだなんて思わなかった…」
とウデ毛に続くその話を聞いてやっと理解できました。
すっかり私の見当違いでどうやら突然死だったようなのです。
奥様がこの納棺式でお化粧をする事をご理解していなかったのも
故人様の一部を感じ取りたくて遺髪にウデ毛を所望されるのも
目まぐるしく巡る葬儀の打ち合わせ・連絡・準備そして予測もしていない突然の事に動揺していたからからだったのでしょう。
仕上がったお化粧を見て奥様は
「ホント!傷がわからなくなったわ。ちょうど良い顔色です」とご安心されていました。
そして、ご納棺の時お棺に入れたい品物の一つに家族写真がありました。
念のため
「言い伝えですが、ご生前の方の写真を入れると連れて行かれると言う地方もあるのですが…」とお話しすると
「良いんです。だってこの写真撮ったばかりでお父さん、まだ見ていないから・・・」
そう言ってお供えになりました。
その写真は
ご家族で整列し普段着のままの何気ない光景なのに皆さんとても素敵な笑顔でした。
遺体処置・エンゼルケア・湯灌サービス
ヒューマンケアでは、最期まで故人の尊厳を守るために死顔を整え、ご本人にもご家族にも、人生の最期にふさわしい最高の「グッドフェイス」でお送りいたします。
他にもたくさん仕事があるでしょ??
私には理解できない。
どんな仕事でも、相手がある以上その要望は様々ですね。
特に、葬儀にかかわるような、ご遺族の方にとってはこれっきりで最後というような場合、できるだけその要望をかなえてあげたいと思っていろいろ試行錯誤されていらっしゃる事と思います。
そういう部分は何の仕事にも通じる部分だと思いますので、全く異業種の私ですが、いろいろと考えさせられることが多くあります。
これから暑くなって、体力的にも厳しいと思いますが、頑張りましょうね。
私は葬儀社勤務で、似たようなことをしております。
男性のお化粧、受け入れられない地域なんかもあろうかと思いますが、決して押し付けではなく、ケアという観点からやれればいいな、って思います。
なかなか一般の人や、同業者にすら理解されないご苦労なんかもあると思いますけれど、お互い頑張りましょう。
きっといい日は来るさ・・・。