遺体屋の仕事

日常生活では見ることも聞くこともない「遺体屋の仕事」とは・・・

スタンダートか ? 最先端か ? ・・・その 3

2007-08-08 10:10:27 | Weblog
≪ 翌日2日目 ≫
お通夜の前に同僚がお直しの対応してくれました。
その日、葬儀社に伺う前に連絡したところ
「顔がひび割れて、口から出血している」とのこと。
それにビビッちゃった葬儀屋さんは告別式の当日、午前中も着て欲しいとのこと。
ナゼそんなにビビるのか?
処置当日、ドライアイスを30㎏も入れたのに
顔を小さくする処置もしたのに、口から血が出た!!ということらしいのです。

これは申し訳ないのですが“必要枠”です。
通常ではありえない量のドライアイスで体はコチンコチンに凍結。
冷蔵庫と同じ状態です。
そのなかに唯一、冷気が一番回りにくいお顔に分厚く乗せたファンデーションが
冷気で乾燥してひび割れてしまったと思われます。
そしてバリバリのファンデーションの下の素肌はやはり腐敗で痛んでトロトロです。
 【 外はサクサク 中はとろとろ 】
でも、体はコチンコチンなので喉に残っていた血液が凍った体の容積に押されて出てきた物と考えられます。

≪ 告別式当日3日目 ≫
今度は私がお直しに伺うことになりました。
「場合によっては出棺までいてもらうことになるかも」
と葬儀屋さんは言ってらしいですが他にご注文いただいているお客様に迷惑がかかりますのでそんなの無理です。
『なんとしてもやってのけましょう!』と意気込み式場に入り故人様を見てみると
相変わらず、今日もヒビ割れてます。
ヒビ割れたところから血がにじんでいます。
ご納棺から2日経っているのにまだニオイを感じます。
お直しをしながら故人様死後日数を担当さんに聞くと
「車の中で1週間だって…」
と、いうことは
練炭自殺→発見(7日目)→検死(1日~2日)→搬送・葬儀社着(1日)で
9日~10日ほど“この季節の常温”でいた!?かもしれないのです。
「○○の山の中で見つかったんだけど、あの地域は検死が遅くてねぇ」ともお話されていました。
そりゃたしかに見つかってからも熟成されるのも納得しました。
そんな世間話をしながら
「ちょっとすこーし血液がにじむかもしれませんが仕方がありませんので・・・」と
穏やかにほほ笑みながら、式場を後にさせて頂きました。

初日一緒に対応した相方が
「練炭がキレイに死ねるなんてうわさになったから皆やっちゃうんだわ!!」とプンプンでした。
私はそんな噂聞いたことありませんし、練炭自殺の故人様でキレイだった故人様は
一人もいませんでした。
でも、そんなウワサを信じちゃってその方法を選んだんだとしたら困っちゃいますが
集団練炭のうわさを聞かなくなった今もはやありきたりな方法なのかもしれません。
また、最近ニュースで
【 車の急発進による首切断自殺 】という思い切った方法で亡くなった方がいました。
首と柱などどこかをロープでつないで、自分で車をそのまま急発進させ首を自ら切断させるのです。
スゴク大胆です。
それなのに、たしか1ヶ月ほどで<同じ方法を真似て自殺>のニュースが報道されました。
報道は受け手によってはプロパガンダ的な悪影響も与えることがあるので怖いなぁと思いました。
次はこの方法!なんて恐ろしいブームが決して来ない事を祈ります。






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