
アルフレッド・ランシング著
新潮文庫 820円
裏フリースもこもこパンツをはき、腹巻きポケットにホカロンを入れ、首にネックウォーマー、下着はもちろんユニクロヒートテック。エアコン設定温度23度、床にホットカーペット、毛布のひざかけ、手元に焼酎お湯割り。このように暖かく暖かくして読むと臨場感がひときわ盛り上がる、20世紀初頭南氷洋漂流寝袋びしょびしょ涙がつららの厳寒サバイバルノンフィクションです。
そもそも読んでみようと思ったのは、伊坂幸太郎『モダンタイムス』の初めの方にこの漂流の隊長シャクルトンが登場したから。主人公がふと口走った名前に、恐ろしい妻が「浮気相手はシャクルトンちゃんっていうの!?」と逆上する場面があります。
で、なんだか、大変な困難を乗り越える話らしいと知り、図書館に予約を入れました。
その内容はというと、南極大陸縦断を目指してイギリスを出発した船が氷に閉ざされて沈没し、28人の探検隊が流氷の上や3隻のボートで延々漂流。なーんにもない氷の島に上陸した後、6人が小さなボートで捕鯨基地のある遠くの島まで救援を求めに行く航海と、残った22人がペンギンやアザラシを食べながら来るかどうかわからない助けを待つ日々のお話。
自然の厳しさ、食料や燃料の不安、人間関係の複雑さなど、思いつく限りのありとあらゆる困難てんこ盛り。ぬくぬく生活にどっぷり浸かっている自分が怖くなります。大地震が来て、不自由な避難所生活になったりしたときなどに思い出すと、力になりそうな一冊です。 (ジェフィー23改め26)
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