はがきのおくりもの

 思い出したくなったら、ここに帰っておいで!!!
 元気を補給したら、顔を上げて、歩いて行くんだよ!

無明

2008年06月09日 | 柿の木高校物語 2001
 ただ金のために働く。わずかなりとも社会に貢献し還元することもなしに…。目的もなく気力もなく、ただ自分のために生きている人が沢山いる。このままではシラけた、味わいのない人生をただ生きることになる。これが無明。松原哲明著「無明」を再読する。  夜遊びを繰り返し、目的を見出せず苛立つ生徒。教室に入ることができないと泣いて苦しみをぶつける生徒。生きる意味がないから早く死ぬんだと大人への不信を露わにする . . . 本文を読む

見る

2008年06月08日 | 柿の木高校物語 2001
 「一年目の教頭にはわからないだろうが…」「学校の実態を見てくれ」面と向かって言ってくれる先生はありがたいが、ほとんどいない。「教頭は管理棟から出ていかない」思っても口には出さない。黙って教頭として立ててくれる大人の先生方ばかり。  昨夏、これから何をしようかと必死で考えた。いつまでも未熟ではいられない。とにかく行動、実践しようと決めた。  学校の中を回り始めると、様々なものが目に飛び込んでくる . . . 本文を読む

補習

2008年06月07日 | 柿の木高校物語 2001
 「教頭先生は何の教科を教えていたんですか」「数学の補習があったらいいのに…」放課後、教室で勉強していた三年生からの思いがけない言葉。  二月の頃から補習を考えていた。受験勉強を通して人間としての総合的な力を高めることができないものか。人間力診断表、年間学習計画表、年間学習計画策定補助シート、今週の学習計画チェック表などを作っていたが、どうしても一歩を踏み出せないでいた。  生徒の言葉を借りて神 . . . 本文を読む

魔法

2008年06月06日 | 柿の木高校物語 2001
 ホグワーツ魔法魔術学校に入りたいという子どもたちの手紙が世界中から集まっているらしい。生徒たちが自らを高めるために喜んで通う魔法の学校を作れないものか。ハリー・ポッターを読みながら夢見る。  できないと初めから諦めたくはない。ときには学校という枠を外して考えてみる。生徒に必要な教育とは何か。生徒に何を与えられるか。生徒が成長する環境を作る魔法はないか。  ホグワーツにあって本校にないもの。ディ . . . 本文を読む

喜び

2008年06月05日 | 柿の木高校物語 2001
 春休み、教室の机をすべて拭く新一年担任の先生。自前のワックスで教室の床を争うようにピカピカにする先生方。毎朝、教室を清掃する先生。放課後、机を整頓する先生。人知れず、トイレ掃除をする先生。すべて本校の先生方である。  教育実習生へのオリエンテーションで尋ねた。どう思うか。良し悪し、効果のあるなし、やるべきかどうかを聞きたかったわけではない。なぜ教師になろうとするのか、教師の喜びとは何かを聞きた . . . 本文を読む

ほめる

2008年06月04日 | 柿の木高校物語 2001
 善き行いを褒める、良い点を誉める。ほめる効果を知らぬ教員はいないが、ほめる技術を修得している教員も少ないのではないか。  教員の良さを引き出し、やる気を醸し出すためには、管理職もほめる力量を自ら高めねばなるまい。  本校では制服の上着を置いて帰る生徒が多く、生徒指導部は再三、指導の徹底を求めていた。一月、教室に残された上着の数を調べ、朝会で上着零のクラスだけを発表し始めた。当初、上着零のクラス . . . 本文を読む

太陽

2008年06月03日 | 柿の木高校物語 2001
 今日も一日、丸く、豊かに、明るく、元気に、感謝して生きられますように。屋上への非常階段で、太陽に挨拶をすることから一日が始まる。最初は人目が気になったが、近頃は素直に声が出るようになった。  五月、朝の空気と光は思い切り輝き、体いっぱいに元気を充填してくれる。  「お天道様が見ている」忘れかけていた言葉を思い出した。「いつも心に太陽を」という言葉もあった。人を相手にするのではなく、天を相手にす . . . 本文を読む

本気

2008年06月02日 | 柿の木高校物語 2001
 総合的な学習の時間については、各学校で様々な取り組みが工夫されていると聞く。本校でも、平成十五年度実施に向けて本格的な研究が始まった。  各学校に任されているので、やりがいがある反面、大変な労力を必要とする。管理職として、強力なリーダーシップを示すべきか、フォローアップに回るべきか、悩むところでもある。  管理職とは部下の役に立っている人のことであるという。どうしたら生徒や教職員の役に立てるか . . . 本文を読む

ありがとう

2008年06月01日 | 柿の木高校物語 2001
 昨年の一学期は、家庭謹慎の指導が多かった。四月から毎日全員で、朝の駐輪指導と昼の校内巡回、立番指導を始めたためか。  七月、一年生で三度目の家庭謹慎となる生徒への申し渡し。校長が出張のため、私が行うことになった。何をしてあげられるか、本を漁りながら一晩考えた。  「一日三十回『ありがとう』と言えば、どんな病気も治る」目に飛び込んできた一文。種を植えることができるかもしれない。生徒に、一日五回で . . . 本文を読む

初心

2008年05月31日 | 柿の木高校物語 2001
 桜咲く春休み。出勤簿と動静表、週休日の指定簿、旅行命令簿がなかなか一致せず、三日間かけて点検した。山積した文書や調査も、一つずつ前年のものを確認しながら片づけた。前任者からの引継書はどれほどありがたかったことか。  着任式の司会や始業式・入学式の言葉。緊張しながら、前日書いた原稿を何度も読み返した。  話上手で仕事も正確な先輩が、どんな時も必ず原稿を書いていたこと、どんな時も一つひとつ確実に点 . . . 本文を読む

柿の木高校物語 2001

2008年05月31日 | 柿の木高校物語 2001
 平成12年4月、奥井は柿の木高校へ赴任しました。8年ぶりの学校ですが、教諭ではなく教頭としてでした。  学校に戻って1年後の平成13年(2001年)から、定期的に便りをくれるようになったので、その便りを紹介することにしましょう。  久しぶりの学校で、奥井はどんな出来事をしでかしたんでしょうか。 . . . 本文を読む