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<文旦類> 紅まどか

2022-12-07 07:36:16 | 果物

 「紅まどか」

 暖地では、チャンドラポメロを越える食味です。チャンドラポメロに負けずに暖地はこの品種で勝負。

 長崎県産の「紅まどか」。産地化しているのは、長崎県だけの品種。一度食べるとその価値は分かってもらえる。非常にジューシーで日持ち性が良い。淡いピンク色もかわいい。晩白柚を植える予定、「晩白柚」が好きな方、是非「紅まどか」を植栽がお薦め、大きな違いはそのジューシーさ。晩白柚果実はパサパサしているが、これは本当にジューシーだ。
 但し、初収穫にはピンクの色がのらないことが多い。異品種ではないので、次期収穫で確認を。

 この品種の果実出荷量は、長崎県が100%であり、他県には産地がない。JA全農ながさきの指定業者でもあることより、この品種が美味しいことは昔から知る。また、食味をする機会が少ない品種なので、論文を要約して紹介する。暖地向けの非常に優良な品種である。
 本品種の系統適応性検定試験は以下の県で行われた。
 長崎県口之津、神奈川県、和歌山県、香川県、愛媛県、高知県、熊本県、大分県、鹿児島県。
 各地における試作結果の概要
 樹勢は8~9(最強=10)で直立性であった。トゲは静岡県の極少以外は無であった。果実重は静岡県と口之津が小さく700~800g程度であった。しかし、他の場所では1000g以上あり、高知、鹿児島県では1400g以上であった。
 糖度は場所により異なった。鹿児島、静岡、大分県は低く9.6~9.8であった。和歌山県と口之津は高く、それぞれ12.7と13.7であった。他県は10.2~11.5の間にあった。
 酸濃度も場所により異なった。鹿児島、高知県では低く、それぞれ1.03、1.09%であった。熊本県も比較的低く、1.17%であった。最も高い値は愛媛県の1.56%であった。
 かいよう病の発生は静岡県では中程度、鹿児島県で軽度に認められたが、他県では認められなかった。「土佐文旦」、「サワーポメロ(大橘)」より強いと考えられる。そうか病の発生は認められなかった。耐病性があるものと思われる。かいよう病には罹病性であるが、かなり抵抗性が強いと考えられる。
 栽培上の留意点
 文旦の中でも耐寒性が強く、酸濃度も早期より低くなる比較的早熟性の品種であるが、高品質のものを生産するためには、冬期温暖で、年平均気温も温州が多く栽培される地域より高い地域が望ましい。
 他家受粉が十分行われないと不整形果が発生し、玉揃いが不良になるので受粉樹の混植が必要である。大果で玉揃いが良い実の生産には受粉が要件となる。
 開花時期は「平戸文旦」等と同様に遅いので、受粉樹としては開花時期の合うもの、例えば「はやさき」、「メイポメロ」、「土佐文旦」等の文旦類とか、開花時期の長い「日向夏」のような品種が望ましい。
 トリステザウイルスの被害を防ぐため、高接ぎでの増殖を避け、苗木からの園地形成を行うことが肝要である。
 「紅まどか」は栽培し易いことと、比較的早熟で果肉に紅色を帯びることが特色といえる。
 文旦は西南暖地において栽培されており、「土佐文旦」、「晩白柚」、「本田文旦」、「大橘」等が主要品種である。これらの品種はいずれも晩生で早期に採収できるものではなくかなりの暖地でないと寒害の危険がある。比較的早熟の本品種をとり入れることにより、露地栽培での安定生産が可能になり出荷販売期間が延長でき、農家の経営を有利に導くことが可能である。また、うす紅色で食味の良い文旦として、嗜好の多様化の時代を迎えて需要の喚起が期待できる。

 耐寒性があるので樹上完熟で出荷。果肉は淡いピンク色。晩白柚に比べ非常にジューシーな上、かいよう病に強い。

*http://www.ykken.jp/14683752865054 より

 ●紅まどかとは
◆「麻豆文旦」×「平戸文旦」
 紅まどかは独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構が長崎県口之津町において1962年に台湾の名産で知られる早熟で食味に優れる「麻豆文旦」に耐寒性や短病勢などに優れた「平戸文旦」の花粉を交配して得られた交雑実生から選抜、育成した大玉の柑橘で、分類上はブンタンの一種となります。

 1991年に農林水産省により「ぶんたん農林4号」として命名登録(現 農林認定)され、品種登録出願、1993年に品種登録されています。

◆紅まどかの特徴
 紅まどかの果実は700~1500g程と大きく、果形は扁平なものが多いが果梗の周り(上の部分)が山型になっているものもある。 果皮は明るいレモンイエローで、断面を見ればわかる通り果皮と果肉の間の白いアルベドの部分が厚く、果実の大きさのわりに果肉は小さい。 果肉は薄くピンクがかっているのが特徴。

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されている。

『-----果実の外観は扁平、果形指数は1.25~、果頂部の形は窪陥、凹部の深さは深、果梗部の形はやや凹、果梗部放射条溝果の多少は少、放射条溝の深さは浅、中心柱の大きさ及びじょうのうの数は中である。果実の大きさは大、果皮の色はレモン色、油胞の大きさは中、果面の平滑度は滑、油胞の凹凸は平、密度は多である。果皮及びアルベドの厚さは厚、剥皮の難易は難、じょうのう膜の硬さは中、砂じょうの大きさは中、色は微紅である。果汁の多少は多、甘味は多、酸味及び香気の多少は中、種子数は多である。開花期は晩、成熟期は中で、育成地において1月中旬である。-----』 以上、抜粋。

◆紅まどかの選び方
 紅まどかを選ぶときは、手に持ってみてずっしりと重みが感じられるものを選ぶ。果皮の表面が多少しぼんだ感じに見えるものも味に問題は無く、むしろ食べ頃となっていると考えて良い。表面に張りがあり艶のあるものは収穫されてからあまり時間が経っていないもので、新鮮ではあるが適度に酸が抜けて食べられるまで室温に置いておく必要がある。

●紅まどかの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
 紅まどかの主な産地はザボンの産地として知られる長崎県で、農林水産省の特産果樹生産動態等調査データによると2010年あたりから増加傾向にあり、2015年では22トンとなっている。長崎県以外にも愛媛県や和歌山県などの個々の農園で生産されているが、統計には含まれていない。

◆紅まどかの収穫時期と旬
 紅まどかの熟期は1月中旬から2月となっており、収穫はその頃行われ、春頃まで出回る。食べ頃は果皮が少ししなびた感じになってから。

*https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fruit/zabon-beni.htm より


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