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< 言 葉 > GREENWASHING

2023-10-19 09:15:20 | 言葉

 本日の記事に「伊藤忠敷地に「木を切るな」=神宮外苑再開発に抗議か―東京 時事通信社」がある。

 記事には、『港区北青山の本社ビル敷地内のモニュメントや壁。3カ所に「木を切るな」「GRENWASHING」(原文ママ)などと赤や青などのスプレーで書かれていた。』とある。

 この「GRENWASHING」が気にかかり調べてみた。

 本当は「GREENWASHING」が正解らしい。

 

 グリーンウォッシュとは

 グリーンウォッシュ(グリーンウォッシング)とは?
 グリーンウォッシュとは、環境に配慮した、またはエコなイメージを思わせる「グリーン」と、ごまかしや上辺だけという意味の「ホワイトウォッシュ」を組み合わせた造語。環境に配慮しているように見せかけて、実態はそうではなく、環境意識の高い消費者に誤解を与えるようなことを指す。

 企業がブランドイメージを向上させたいという理由でありもしない「強み」をアピールしたり、環境や人々の体に良い影響を与えてるわけではないのに「天然由来」「自然由来」などの良さそうなイメージを宣伝した結果、グリーンウォッシュだと批判されることがある。

 欧州委員会による2020年の調査では、世界のさまざまな企業サイトに対して横断的にスクリーニングを行ったところ、企業サイトの42% において「自社の取り組みはグリーンである」との主張が誇張されすぎている、虚偽である、または欺瞞的(=ほぼウソ)であることが発表された(※1)。

 グリーンウォッシュだと言われている事例
 過去にグリーンウォッシュだとして非難を受けた企業の事例として、以下のようなものがある。

 コカコーラの「グリーン」なラベル
 通常は赤のコラコーラのボトルラベルが、一時的に緑に変わった事例。通常よりも少ない砂糖で作られていて健康志向の人に良いとされたものだ。これに対して、Cancer Council Australiaの公衆衛生専門家であるクレッグ・シンクラー氏は、「フルシュガーコーラの10.6パーセントと比較して、6.6パーセントの砂糖。これは健康という意味ではない」と述べる。またラベルと緑色にすることで「健康・環境に良い」印象を与えることから、誤解を招くPRだとして非難した。

 H&Mの「コンシャスコレクション」
 H&Mが2019年に発表した、リサイクル素材によるファッションコレクション。この「リサイクル素材を使っている」ことを買い手に宣伝したことに対し、素材の使用量などの信頼に足る根拠が示されていないことから、「違法なマーケティングの疑いがある」とノルウェー消費者庁から非難を受けた。

 スターバックスの「ストローの要らない蓋」
 2018 年、スターバックスは持続可能な取り組みの一環として「ストローの要らない蓋」をリリース。しかしこの蓋には、従来の蓋とストローの組み合わせよりも多くのプラスチックが含まれていることが判明した。同社はこれに対し「リサイクル可能なポリプロピレンで作られているので、インフラで回収できる」と回答。しかし、これに対しても「世界のプラスチックの9%しかリサイクルされていない実態があるのに?」と批判が飛んだ。米国は、リサイクル可能な廃棄物の約3 分の1を発展途上国に輸出している事実もある。

 マクドナルドのストロー
 2018年に複数の店舗で始まった「プラスチック製ストロー」の禁止。紙製であり、「100%リサイクル可能」とするストローへと切り替えたのだが、当時の紙製のストローは分厚すぎてリサイクルができず、実際には各店舗で捨てられていたことが明らかになった。

 プラスチックを減らすこと=紙製に切り替えることがどれだけ環境負荷を減らすのか、という根拠の提示も難しい問題である。

 グリーンウォッシュの見分け方
 先の事例にあったように、グリーンウォッシュの種類はさまざまだ。ここでは、カナダのグリーンマーケティング・エージェンシーのTerrachoice社が発表し、さまざまな場面で使われている「グリーンウォッシングの七つの大罪」をご紹介する。

 隠れたトレードオフの罪:企業がアピールしたい一点のみに言及し、他で環境破壊が起こっていることや環境負荷が大きいことなどには言及しないこと。例えばファッションブランドの場合、衣服自体は「天然」または「リサイクル」素材でつくられているが、つくる過程ではCO2を大量に排出するなど、環境に大きく負荷がかかるのにそこを隠していること
 根拠を示さない罪:何の証拠もなく「認証済み」「サステナブル」「エシカル」「環境にやさしい」と宣伝すること
 曖昧さの罪:どの部分が、どのように良くなったのかという定義・数字・事実などを明らかにしないこと
 偽りのラベル崇拝の罪:第三者機関が存在しない、またはまともに機能していないのに、そこからお墨付きをもらって説得力を持たせること
 無関係の罪:事実かもしれないが、商品やサービスによる環境インパクトとは無関係の情報を「訴求ポイント」として提示すること。特定の化学薬品をつかっていないとアピールしているが、それは何年も前に規定で使用が禁止されたものであるなど
 より大きな「悪」と比べる罪:良いことをしているわけではないのに、環境負荷を出す「より悪い」ものと比較して、まだマシだと宣伝すること
 フィビング(不正確)の罪:単純に、間違った情報に基づいて商品・サービスをサステナブルだと主張すること
 本当にサステナブルな企業になるために
 2021年に発表された調査「The Global Sustainability Study」では、消費者の持続可能性の見方に大きなパラダイム シフトがあることが明らかになった。まず、回答した消費者の85%が「購入行動において環境に配慮していること」、さらにその多くが「持続可能な代替品にもっとお金を払っても構わない」と考えているという。だからこそ、グリーンウォッシュのような問題も増えてきたのだろう。

 しかし、本当に環境保全の活動を行っている企業であれば、誤解させる表現をつかう必要はない。まず自分自身が賢い消費者になるためには、企業が謳う「エコ」や「天然成分100%」に安易に飛びつくのではなく、情報が第三者機関によって評価されているかどうか、透明性があるかどうか、企業は一貫した情報を発信しているかどうか、などを見極めることが大切だ。

 イギリスでは、2021年に競争・市場庁が消費者保護のためのガイドライン「グリーン・クレーム・コード」を制定。アメリカではグリーンウォッシュだとして提訴される企業があり、フランスではグリーンウォッシュをする企業に対しての罰金制度がある。日本でも、根拠のない「SDGsアピール」は消費者からの「キャンセル」にもつながる可能性がある。実態の伴わない環境アピールは、今やリスクとなりうる。

 もしあなたが企業担当者で、自社のPRとして意図せず誤解を生むような表現を使ってしまっているとしたら、まず自社が生み出す環境・社会インパクトを細かいところまで調べ、実情を知り、消費者に対しては根拠を提示することが大事となる。持続可能な社会の実現のためには、まずその一歩が必要だ。

※1 Screening of websites for ‘greenwash

*https://ideasforgood.jp/glossary/greenwashing/ より

 

 所詮「耳障りの良い言葉」には、問題が多いということか?


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