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<経産大臣指定伝統的工芸品> 京都 京繍

2021-06-10 07:30:39 | 経済産業大臣指定伝統的工芸品

 「京繍」

 Description / 特徴・産地

 京繍とは?
 京繍(きょうぬい)は京都府京都市周辺で作られている刺繍です。京都ならではの雅な文化を反映した繊細で優雅な刺繍は、高度な技術が必要とされています。
 京繍の特徴は、絹糸や金糸、銀糸を使い30通りもの技法を駆使した完成度の高さです。京繍の用途は様々で、着物に装飾するのはもちろんのこと、小物から緞帳(どんちょう)まで多岐に渡ります。特に京繍は多彩な色彩を用いており、用いる色糸の種類は2,000色にも及び、着物に刺繍する場合は、図柄にもよりますが20~30色は使用します。
 京都と同じく刺繍文化が盛んなフランスでは刺繍を刺す際片手で刺すのに比べて、京繍は両手を使って布の上下へと自在に刺し進めることで、より繊細な表現が可能となりました。
 日本独特の優美な表現を著した京繍は江戸時代には輸出品として海外で人気を博しました。平安時代から続く京繍は、日本文化の美しさを凝縮した伝統工芸品として現在でも人々を魅了しています。

 History / 歴史
 日本の刺繍の起源は古く、1400年前の飛鳥時代にはあったと言われています。当時は仏画に刺繍を施す儀礼的なもので、とても貴重な品でした。
 平安時代に入ると都の貴族達が刺繍を施した衣装を着るようになり、宮中に「織部司(おりべのつかさ)」と呼ばれる織物から染色まで着物に関わる部署が出来たことで、都のあった京都で刺繍の技術が格段に発達していきました。この頃の京繍の用途はさまざまで、艶やかな十二単を飾ったり、能の豪華な衣装などに使われました。
 安土・桃山時代に入ると、宮中の貴族だけでなく武士や武士の奥方の小袖などに京繍が用いられるようになり、京繍を愛用する範囲が更に拡がっていきました。
 江戸時代には裕福な庶民の財力を反映するかのように、小袖の全面に刺繍を施す図柄が流行し、刺繍文化の最盛期とも言える時期でした。
 近年では、現代の生活様式にあわせた和装小物や帯、インテリア用品の制作などで京繍の伝統が受け継がれています。

*https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/kyonui/ より

 刺繍の枠を超えた芸術、京繍
 京に夏を告げる、祇園まつり。多くの観光客の目的は、言うまでも無く三十二基の山鉾巡行だ。ゆっくりと優雅に町を行列して行く山鉾を飾る豪華な胴懸(どうかけ)や鉾の見送りは、全て京繍をあしらったものである事を知っているだろうか。

 
 二十七年のベテラン職人
 私が取材に伺ったのは、三月のまだ肌寒い頃だった。紹介されたのは小松二三三(ふみぞう)さん。手を休めて、快く迎え入れて下さった。小松さんが先ほどからされていた仕事は、山鉾の胴懸の修理である。「痛んでくると、修理もしてやらないとね」と京都はすでに夏の準備である。胴懸は、肉入れ繍と言われる技法を用い、中に綿などを入れ立体的に刺繍したものである。修理もまた、手間と根気のいる作業である。


 伝統にのっとったオリジナル
 図柄も配色もすべてが職人の感性にゆだねられている京繍。世界に唯一のオリジナル作品なのだ。「繍う度に、受け継がれてきた伝統のすばらしさ、技術の凄さを感じますね」と小松さん。今では、十一代目を継ぐ小松さんであるが、修行時代は足来の稽古をしながら、先生や先輩の仕事を盗み見していたそう。「自分ならどうするか、自分ならどんな風にできるだろうか」。職人一人一人の手づくりであるがゆえに、個性や手の運び、そして職人のひたむきな思いが折り重なり、世界に二つとない作品ができ上がるのだ。

 糸と針で描く
 作品を見せて頂くと、絵画ではないのかと目を疑ってしまう。それくらいに繊細で、立体的に見えてくるのだ。「地色に溶け込ますように繍い上げるには、やはり手でないとできない事ですね」と笑顔でおっしゃる小松さん。いったいどれくらいの時間ででき上がるのだろうかとうかっがてみると「物によって全然ちがいますよ。一年くらいはゆうにかかる大作もあるんですから」と気の遠くなるような話である。しかし、京繍ならではの風格や優雅さは何カ月、いや何年もかかるからこそ、味わい深いものになっていくのだ。そしてまた、一つの作品と作り上げる事による達成感が、職人を次なる作品へと意欲をかき立てる活力ともなるのだ。


 京繍に終わりはない
 「仕事を止めるまで修行が続きますね。上を見たらキリがないですから」と次なるステップを試みる小松さん。京繍への思いが熱く感じられる。最近では、神社のテーブルセンターや額、椅子の背もたれ部分なども手掛けているが「洗ったりできるものではないんで、作品の幅が限られてしまうんですよね」ともおっしゃる。ものづくりが好きで入った世界、地味な仕事でありながら大胆に表現の出来る世界。いま小松さんは、伝統に自身の個性を繍い重ねている。

 こぼれ話

 祇園祭  京繍をまとった三十二基の山鉾巡行

 京都に夏を告げる祇園祭は疫病が流行した869年、災厄除去を祈るために行われた祇園御霊会が始まりです。その後11世紀になって鉾が登場し、さらに応仁の乱の後、1500年に祭が再興されるようになりました。町衆らの自治組織により作り上げられた祭であり、京都市民の精神の歴史とも言えるでしょう。その祇園祭の7月13日から16日までの宵山では、各山鉾町の町会所で、山鉾を飾るご神体や京繍を施した豪華な胴懸・見送りなどを展示しています。もちろん17日の山鉾巡行では、三十二基の山鉾が豪華な飾りをまとい、ゆっくりと京の町を進みます。祭のにぎわいはもちろんの事、京の伝統工芸の美しさにも心を奪われる事でしょう。

*https://kougeihin.jp/craft/0303/ より

 


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