茶山守廣・隠岐三味線ブログ

名残尽きぬに 銅鑼が鳴る今宵

西郷港は 小雨も降らぬに 袖しぼる

        (隠岐民謡・しげさ節)

オーラ

2008年01月13日 | 気まぐれ日記
写真は津軽三味線の大御所でもある五錦竜二先生とのツーショットです。
今から約3年前に長崎県の「健謡会」(松尾健会主)の発表会に国村千鳥さんとともにお邪魔しました。
そのときのメインゲストとして五錦先生が出演しており、それまでにも面識はありましたがゆっくりと話を
させて頂いたのはこの時が初めてでした。

私は前乗りで前日に長崎に到着、初めての地でありました。
隠岐~伊丹~長崎と飛行機を乗り継いで行きましたが、長崎空港近くになると眼下に広がる無数の島々
の景色は素晴らしく今でも印象に残っています。
また用意されたホテルも坂の街長崎を象徴するかのように、急な坂道を上った高台にあり部屋の窓から
眺める夜景はなんとも美しく、まさに百万ドルの夜景と呼ぶにふさわしいものだった。

本番当日は例によって?楽屋一番乗りである、どこの会場にお邪魔しても楽屋入りは早くほとんど一番
に楽屋入りする、このときも出番は午後3時過ぎ頃であったが午前9時過ぎに入った。
一方の千鳥さんは当日入りで正午過ぎに無事到着した。

本番も無事終了し楽屋に三味線を置き直ぐに舞台袖に直行、いよいよ五錦竜二先生の出番である。
先ずは津軽じょんから節の曲弾きからだったが、物凄い迫力だ!地から湧き出るかのような感じの音色
かと思えば一転して繊細な優しい風を感じさせるかのような澄んだ音色、そして軽快なテンポにピタッと
きまる撥使い、まさに自由自在で聞いていて心地良いリズムはさすが!としか表現できない。
舞台袖から見ると至近距離であるいわば特等席だ、圧巻は十三の砂山の演奏であった。
あまり舞台でそして独り弾きでこの曲の演奏は珍しいのでは?それにしても素晴らしい音色だった。
やっぱり違う・・・何が?と問われたら、これです!と即答できないかも知れないが全てが違う。
ただ漠然とした表現だがものすごい「オーラ」を感じるとともに、世の中は広い凄い人がいるものだ・・・
決っして派手さはなく、若手の奏者がやるような曲芸的なことも一切ないがなぜか心に沁みる音色だ。

初心の心を宝とし 自分の魂の叫びを 三味線の音色にのせ 

       奏でることができるよう 努力と勉強を惜しまずすること        五錦 竜二