記日きつい思れぐま気 from バンクーバー

2012年4月から妻の海外赴任に伴い主夫業と育児に励む30代男性の日常。バンクーバー関係ないことも多々あります。

グルーポンおせち騒動に思うこと

2011-01-06 06:33:52 | Weblog
グルーポンサービス(※)で購入したおせちがひどい、と話題になってます。これは本当にひどいおせちで、怒りを通り越して笑うレベルですが、お正月に豪華なおせちを食べようと奮発した方々からしたら正月早々に泣けてくる話なわけです。
詳細はこちら:痛いニュース「グルーポンおせち騒動で、「バードカフェ」社長が辞任発表」
※:限定枚数のクーポンを共同購入するという米国発祥のサービスで、フラッシュマーケティングの一種。ビジネスモデルについては後述。

さてさて、このおせち騒動で、なぜだか「グルーポンは悪いやつだ」という声があがってますが、これは完全な勘違い、残念な発想というやつです。グルーポンはあくまで場を提供しただけであって、悪いことをしたのはおせち提供会社のバードカフェです。これで「いや、でもグルーポンも悪い」というのは、「不祥事を犯した会社がCMを流していたテレビ局も悪い」ということと同じです。本当は。最後に「本当は」とつけたのは、グルーポンの営業の人が「原価1000円にすれば出稿料払っても儲かりまっせ、ウシシシシシ」と言った可能性も0じゃないからで、そんなこと言ってなければグルーポンに責任はありません。

そもそもグルーポンのビジネスモデルについて理解してない人が多いです。考え方は色々ではありますが、僕が思うに、このサービスの真の狙いは「フラッシュマーケティングによる広告効果」であって、「売上増」ではないということ。

これを後者と捉えると、基本的には「グルーポンは信用ならねえ」となります。「本来5000円のものが2500円で販売して、それでも利益があがるというなら本来の値段はなんなんだ!?」となるし、「その分、質も下がるんじゃねーの?」という疑問も当然のこととなります。ソースは不確かですが、グルーポンの出稿料は割引額の50%、と聞いてます。本当だとすると、5000円のものが2500円なら1250円が出稿料で、これで利益を出そうとすると人件費や材料費も考えると原価は400円くらいしか残りません。2500円払って原価が400円!問題のおせちはおそらくこういう発想からあんなゴミみたいな内容になったんじゃないかと推測します。(元値2万円⇒売値1万円⇒広告出稿料5千円⇒原価1500~2000円)

でもね、前者と捉えるとまったく違う側面が見えてきます。
あくまで広告として「こんなお店もありますよ」というアピールのために出品する場合です。この場合、原価割れで全然OK。興味を持った人が「このお店ってどんなかなあ」と口コミサイトやらでチェックしてもらえれば、第一の目的は果たせるわけです。それで、「お、評判いいし、クーポンなくても今度行ってみようかな」となれば本来の目的にもつながります。まあこれで食べログとかにメタメタに書かれてたらそこで本来の目的は終了するわけですが。
つまり、「きちんと商売やってるお店」が広告のために出稿するのであれば、お店とお客さんのマッチングの場として適切に機能するわけです。

ただ、現状は「売上増」が目的になってるっぽいですね。クーポンの発行枚数から見ても数百枚というのが多く、とても広告効果を期待してるとは言い難いです。広告狙いならそんなにたくさん発行する必要ないですから。そうなるとただのホットペッパーのクーポンと一緒です。「安い分、なんか裏があるんじゃねーの」という出稿料ばっかりかかって集客できない無意味な媒体になり下がります。ビジネスとしては先細りしていき、最初は消費者が損をし、次に出品したお店、最後はグルーポン会社が倒産(またはその前にとんずら、自分だけいい思いw)、という流れになること間違いなし。これって寂しい話ですよね。

今回のおせち騒動について「グルーポンに責任はない」と前述しましたが、これはあくまで道義的責任の問題です。僕が株主だったら間違いなく文句言います。ビジネスを続けるという意志があるのであれば、きちんとお店を指導して、安易な売上増に走らないようにする責任があるからです。「うちは無作為抽出で、ちゃんとしたサービスを提供してるかチェックしますよ」ということも言わなければいけないかもしれません。もっといえば、「このグルーポン会社のやつは大丈夫」という保証が必要でしょう。そうなれば高額所得者向けの雑誌に出稿するようなもので、商品に無条件で安心感が生まれます。結果、みんなハッピー。そのために費用が必要なら出稿料を上げればいい話。

とはいえこれもジレンマで、「ちょっとくらいズル(クーポン出しても利益を出す)してもいいだろう」ってのが生まれると、そのときそいつは得するかもしれませんが、トータルで見るとアウトです。みんなダメになっちゃう。これをきっちり取り締まる気合いがないなら、グルーポンなんてサービスやめちまえ!ってなもんですよ。ええ。

そんなわけで長々と書きましたが、みんなが正しい商売をしていればいいんだけど、なかなか難しいよね!って話でした。
ツッコミ待ってます!

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2 コメント

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Unknown (通りすがり)
2011-01-06 11:05:52
元々の個数が即売したから一気に5倍に増量したと言う点では
本当にそれが可能かの企業の力量を審査しなかったグルーポンにも多少の責任はあると思いますよ。

サイト上での個数の変更、期限の切り替えなどはグルーポン側で管理しているのですから。

まぁ、どう考えても受けたバードカフェに非があるのは否めませんが。
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コメントありがとうございます (おがた)
2011-01-06 12:27:06
>通りすがりの方
すみません、100⇒500のことは知りませんでした。
そこは確かにおっしゃるとおりです。
責任0とは言えませんね。
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