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離婚時年金分割-7 (週末投稿)

2005-09-04 20:52:25 | 離婚時年金分割
 今日は脱線しちゃいます(笑)、今日は極めて我々専門家が頭を抱えるお話。
 年金のことが余りわからない人は1回休みでお願いします。読み飛ばしてもかまわないです。

 いやね、前々回国民年金と厚生年金の違いって書いたんです。まあ、国民年金と厚生年金の違いは、国民年金は自営業者、主婦が加入、厚生年金はサラリーマンが加入(国民年金と兼ねて入る扱いになりますが)、そうですよね。

 でね、昨日いろいろと同業者の方とお話してたんです。そしたらやっぱ離婚時年金分割は大変だなあ、って話になりました。
  
 厚生年金と極めて似通った制度として、「共済年金」があります。国家公務員、地方公務員それと私立学校共済の職員が加入している年金ですね。
 さらに、厚生年金と統合されたんだけど、JR、JT、NTTもあるし農林年金(農協や漁協の人が入っているやつ)もあった。
 さらにさらに、船員保険(ま、船乗りの保険)もあった。

 JR、JT、NTT、農林年金、船員保険は もう厚生年金と引っ付いちゃったんだけど、昔の名前で出ています。じゃないけれど「昔の状態=共済年金」のままで年金をもらっている人もいらっしゃる。既得権の保護のため経過措置がいろいろてんこ盛りになっているんです。

 当たり前だけど、夫が会社員の夫婦が離婚したら分割だけど、夫が公務員の夫婦が離婚したら分割しないなんてことはありえない。当然共済も分割の対象となるでしょう。国家(地方)公務員共済組合法も改正対象です。

 いや、それが年金分割を考える上では困るんです。
 夫が公務員、妻が会社員で標準報酬を分割する?
 夫が会社員、妻が公務員で標準報酬を分割する?
 夫は結婚時には会社員だったけど、途中から公務員になり離婚時は公務員だった。
 そんな場合もある。

 今はなにも実際の運用がわからないから、個人的にあまりうかつに発言はできませんが、
 こういう、「加入している年金制度を跨ぐ人」の場合は、「どういう風に分割されるかてんでさっぱりわからない」ってことになるのではないでしょうか。

 共済年金って厚生年金と似たような制度なんですけど、厚生年金にはない独自の仕組がたくさんあって専門家泣かせの制度ですしね。

 でもって、民主党と自民党の衆議院選挙の年金マニュフェスト。
 いや、頼むから民主党さん、ここは1つ大人になって、もし選挙で負けて政権を取れなかったら、「とりあえず、公務員の年金(共済)と民間企業の年金(厚生年金)の統合を先に進める」ようにお願いできませんでしょうか。
 民主党さんのメンツがつぶれるのはわかるんですけど、もう2年後から実際に法律は適用になり、今のままでは現場が大混乱する可能性もあるんです。
 今から、統合しても事務処理は間に合いませんが、少なくても「1つの場所から年金情報を手にいれられるということになるとずいぶん楽」になります。

 現状は、厚生年金の情報は社会保険庁から、共済の情報は共済組合からしか手に入らないので、分割したらいったい貴方たちの手取りは幾らになるのかという基本的なことさえ当事者には簡単には、わからないのです。

 離婚する場合に、具体的な金額もわからないまま、五分五分にするとか決めちゃっていいのかなあ。特に夫会社員で妻公務員の場合は、妻が給与が高い場合も十分考えられます(支給がいいから)。

 厚生年金と共済年金の統合は必須ですし、すぐ明日にでもしてもらわないこと困るんです。郵政法案のように、「究極は民営化だけど、自民党の民営化法案は反対」みたいなわけのわからない理屈は止めて大人になってください。一旦、共済と厚生年金を統合させて、その後厚生年金と共済年金を一本化しちゃえばいいじゃないですか。よろしくお願いします。

今回はちょっと脱線でした。また次回から本論に戻ります(実施が2年後ですから、のんびり行きましょう)。

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