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選挙前だから解説 民主党の年金政策に言いたいこと 

2005-08-27 12:56:14 | Weblog
 昨日書きましたが、マスコミは誰も、昨日のような「ここ3年間の間に行われた「総報酬制と、年金支給率の引き下げと、年金保険料引上げをミックスした、年金の大幅な支給水準切り下げのカラクリ」に気づいて声を上げる人はいませんでした。所詮はその程度の人が年金報道をしているのかもしれません。
 
 場末の我々が幾らブログで大声を上げても、何の影響もありません。
 本来は、こういう場合には野党が与党を厳しく攻め立てる必要があるのですが、どうも「年金改正法案の本質が見えていない」せいか、トンチンカンな批判ばかり。ヤレヤレです。

 さて、民主党のマニュフェストですけれど、中身について言わせてもらえれば、 正論は正論です。 方向付けは正しいでしょう。

 でも大きな問題が一点それは、
 
 果たして諸政策が実現可能か否か?  ということ

 民主党の案では、それこそ今までの政策をひっくり返すような政策の転換が山ほど含まれて居ます。
 
 1.所得の完全把握
  
 所得に応じて、保険料を払うということになるのですけれど、それは前提として「全国民の全所得を把握」しなきゃいけない。
 これは、長年「税務当局」ですら、試みようとして成功しなかったものですよね。今でも自営業とサラリーマンの透明性の間には明らかに格差がある。
 
 税金も含めて、所得完全なガラス張りにしていかないと、民主党案は実現しない。
 果たしてそれが簡単できるのか? できれば大変良いことなんですけれど、技術的な困難が伴わないか?あとものすごいコストがかからないか?所得把握を嫌う人も沢山いるけど、国民の理解を得られるか(財布の中までみられるわけだから)
 コスト100円で所得捕捉率100%より、コスト60円で、捕捉率90%のほうがいいという考え方もあるんです。この場合は、ある程度の捕捉漏れがでるけれどしょうがない。
 議論があまり詰まっていないという印象を受けますが。

 2.年金の一元化
 公的年金を1つにしようということなんですけれど、これはものすごい技術的に大変な作業、あと既得権益の調整も絶対必要となります。
 (既得権益というと大変わるいイメージですけれど、例えば、75歳の元公務員が月額25万円の年金を受けていたけれど、公務員の年金と厚生年金を統合するから、今後は支給は厚生年金に合わせて22万円にする。こんなことを75歳のお年寄りがされたらいったいその後生活はどうするか?、年金受取り世代=もう働けない(働いても稼げない)時代ですから、ある程度は自分が年金を貰えるという「期待権=既得権を守るのも必要」なんです。)
 いきなりの年金一元化は、現場が大混乱をするのは必至。それでも強引に推し進められるのか?それだけの指導力があるのか。また年金数理の専門家にシミュレートしてもらったのか? 疑問点は山ほどあります。

 次に続きます。

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