大阪市のエネルギー政策

VOICE　　（毎日放送　２０１１．７．１９（水）放送分より）

政府は「想定外の地震になった場合には原子力発電所が壊れる場合がある」
とはっきり言っている。こんなの恐ろしくて、原発は日本では再稼動できない。
と橋下知事は脱原発を強調しているが、大阪市は、原発事故による電力不足
になるずっと以前から独自の発電方法を模索していた。

 

【　大阪市のエネルギー政策　】

①ゴミ焼却発電

大阪市東淀川区のゴミ焼却工場には毎月３００トンのゴミが集められている
が、このゴミが貴重な電力を生み出す。

１９５５年　　日本ではじめてゴミを燃料にした発電を開始。

仕組みは火力発電と同じ。
ゴミを燃やした熱で電気を起こす。

大阪市内の発電能力　　　　　一般家庭
12万４０００ｋｗ　＝　３０万世帯

発電設備を備えた焼却場は全国におよそ３００施設あるという。

３００施設　１６７万ｋｗ　＝　原発２基分の発電能力 

≪発電された電力は？≫

償却工場で使う電力は３～４割で、残り６割を関西電力に送っている。
今年は特に市内の発電効率をアップさせ、
関西電力への送電を大幅に増やす方針だそうだ。

 

②メガソーラー発電

「何も使われない放棄されたままの９５％の土地のうち、
１０％をわしに使わせろ！日本を救ってみせるわい。」

とおっしゃるソフトバンクの孫正義社長が打ち上げた、
≪電田プロジェクト≫
　休耕田の一部に太陽光パネルをしきつめ国内十数か所に
　ソーラー発電所を建設。
　関西の知事達も続々参加を表明している。

ソーラーパネルについては義務化を大阪府で検討すると橋下知事はいう。
太陽光発電を新築の家に絶対設置しろというのは難しいと思うが、
それは必要だと思っているとのこと。

徳島県知事はメガソーラーなので日照時間が長いところが有利。
この（近畿の）２府５件の中では当然徳島県が適地だという。

 

しかし、メガソーラー建設には莫大な費用がかかる。
堺にある、３０００世帯分の発電可能な関西電力のメガソーラーで、
建設費　５０億円かかっている。
一般企業では早々簡単には参加できない。

≪その解決策≫

☆大阪の埋め立て地の夢島

夢島は家庭からできたゴミの燃えカスでできていて、住宅や商業ビル
などは建設できない。市はこの区画を民間企業に無償で貸し出し、
メガソーラーの建設地として有効利用することに決めた。

メガソーラーを予定しているのは、埋め立てが完了した１区２３haのうち、
１５haを予定している。だいたい２０区画ぐらいに分割して、
企業にリースする形で運営をする。

≪大阪市のメガソーラー構想≫

☆企業がソーラーパネルを設置し２０区画に分割。
☆区画ごとに一般企業の投資を募り、売った電力の量に応じて配当を廻す。
　　・　莫大な初期投資の必要が無い
　　・　エコなイメージをアピールしたい会社が気軽に投資できる 

☆現在国会で審議されている「電力買取法案」が可決されしだい事業着手し、
　　２０１３年には本格稼動する予定。

 

 

③人口光合成エネルギー

究極のエコ燃燃料＝植物全てが持っている光合成の素

　　大阪市立大学で研究が進められている緑色の細菌。
　　大阪市立大学の橋本秀樹教授は言う。
　　　「これが地球を救う細菌で、生きてるんです。二酸化炭素を与えて増やしている。

※光合成・・・植物が水と二酸化炭素を反応させ酸素とでんぷんを作ること。

水＋二酸化炭素　→　光合成　→　酸素＋でんぷん

なぜそうなるのか実は解っていなかったが、
そのなぞを世界で始めて解明した大阪市立大学。
物質の「設計図」ともいえる原子レベルで何が起こっているのか、
光合成のメカニズムを突き止めた。

この光合成の仕組みを利用して、水と二酸化炭素から石油に代わる
新しいエネルギー（メタノール）を生み出そうというもの。
　・　メタノールなら家庭ですぐに使える
　・　メタノールとして、溜めておくことができる

水＋二酸化炭素　→　ソーラーパネル　→　酸素＋メタノール

電気は溜めて持ち運びできないが、
電気に変換できる別の形にして蓄えておくのが一番良い。
石油の代替になればよいと思っているとのこと。

今後は企業などと協力して、２０２０年には実現したいとのこと。

 

 

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