中世の武士は、鳩は軍神とされ、八幡大菩薩の神使として崇めた。
鳩は平和のシンボルとされ、その帰巣本能から書を伝える鳥
としても用いられたが、日本では、平和のシンボルという
よりも、戦のシンボルとして遇されていたことが興味深い。
鳩 小島対い鳩 孔雀鳩
対い鳩 鳩に寓生 鳥居に対い鳩
八幡宮の神官であった宮崎氏が鳥居に鳩紋を用いたのは、
「鳩は軍神とされ、八幡大菩薩の神使」 という故事による。
また、『吾妻鏡』には、
千葉介常胤が軍旗の上方に伊勢大神宮と八幡大菩薩を、
下方に対いあった二羽の鳩を縫って奥州征伐に赴いたとあり、
“源平盛衰記”“太平記”でも神使として扱っています。
鳩紋の中では 寓生と添えたものが多い。
『鳩に寓生』は熊谷氏の代表家紋。
寓生は、欅(ケヤキ)、榎などの喬木に寄生する常緑植物で、
寄生木、飛蔦ともいわれ、平安時代から織文として愛好された。