limited express NANKI-1号の独り言

折々の話題や国内外の出来事・自身の過去について、語り綴ります。
たまに、写真も掲載中。本日、天気晴朗ナレドモ波高シ

ミスター DB ⑨

2018年01月08日 19時47分38秒 | 日記
「早急な入院と精神安定剤の服用が必要です!」
暫く言葉は出なかった。理解しようとしたが、自分には「受け入れられない」と言うか「受け入れたくない」事実だった。ようやく絞り出した言葉が「先生、どのくらいで治りますか?」と言う問いかけだった。主治医となった先生からは「あなたの今の状態ですと、通常の生活に戻れるまで早くて1年半、完治となると5年以内に達成されるかどうか微妙なところでしょう。ともかく、長くかかるのは覚悟して下さい。」との返答だった。苦しんで来た原因は、明らかになった。しかし、答えとしては「最悪」だった。DBによって私は「心を破壊させられた」のである。しかも、ダメージは想像以上に重く深刻だと言う。先生は、大学病院へ緊急連絡を取り空きベッドの有無を確認していた。精神科の病棟と言えば「鉄格子の閉鎖病棟」と言うイメージがありがちだが、大学病院の病棟は「開放病棟」だと先生は言っていた。生まれてこの方「入院」などしたことがない私にとって、病院生活など想像もつかずに、ひたすら不安だけが渦巻いていた。電話を終えた先生が私に「1週間後にベッドが1つ空くので、そこを確保しました。来週、大学病院へ来て下さい。この病院には入院できませんので、遠くなりますがM市まで来て下さい。身の回りのもの一式と保険証や印鑑が必要になりますので忘れないで下さい。必要な書類はこちらで揃えて置きますので、入院係の窓口へ直接来て下さい。主治医は私になりますが、宜しくお願いします。何か分からない事はありますか?」と説明をしてくれたが、否応もあるはずもない。「分かりました。先生にお任せします」と言うのがやっとだった。「長い苦しみはもう終わりにしましょう。貴方は十分に頑張った。頑張り過ぎたのです。今、貴方に必要なのは休息と治療です。仕事や家の事は全て忘れて、治療に専念しましょう。そのために必要な環境は私が用意します。ともかく入院して体を治しましょう!」私は頷くのがやっとだった。治療が始まる。地の底からの復活劇だ。DBはもう手は出せないはずだった。だが、治療に入ってもDBの「悪魔の手」は忍び寄るのであった。