青大将;「ボクのパパ、自動車会社の社長なんですっ!」
スミちゃん;「そう・・・」
青大将;「ボクも大学を出たらパパの会社の副社長になるんですっ!」
スミちゃん;「へぇ・・・すごいわねっ・・・」
青大将;「いやぁ、それほどでもっ!」
若大将に惚れるスミちゃんに一目ぼれした青大将が、初対面のスミちゃんを口説く時のセリフは、若大将シリーズの人物模様を端的に表したシリーズの屈指の名ゼリフで、ちゃんとCDに収められている。
黒いスラックスと白いワイシャツ姿でバスで大学に通う若大将は、中流家庭の硬派な体育会系のイメージ。
対して、当時人気のあったVANジャケット姿でオープンカーに乗って大学に通う青大将は、軟派な金持ちのバカ息子イメージ。
奇妙な友情で結ばれた真逆なタイプの男友達とヒロインの恋の鞘当て、これぞ青春映画の王道。
「海の若大将」のキャンパスは慶應大学をイメージした架空の京南大学水産学部だったが、映画を観て進学希望をした受験生もいたくらい、活き活きとした大学生活が描かれている。
このセリフも田中邦衛さんだから面白いし、田中さん独特の天然のおかしみ味は、黒澤明監督作品「椿三十郎」のシリアスな場面でもいかんなく発揮されていた。
健さんや文太さん主演の東映映画では、狡猾で残忍な敵役が多かったナ。
「北の国から」では実直朴訥な男を演じて当たり役になったが、中学生くらいの時にクイズ番組「ぴったしカンカン」にゲスト出演した時の田中さんは、「北の国から」の主人公、五郎そのままだった。
名優死す・・・淋しいですねぇ。
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