北部ラオスの夜店で買った竹筒に入ったモン族の火打石セットは、チャートの火打石、金切り鋸をリメイクした火打ち金、モグサがセットになっていた。
うつけもの(愚か者)と呼ばれた若き日の織田信長の姿は、荒縄の帯に火打石をぶら下げていたと太閤記で描かれているが、うつけものだから火打石を持ち歩いていた訳でなく、昔の人なら当たり前のアウトドアの必須道具だったろうし、実際には火打石だけでは火を熾せず、これらと同じセットを革袋にでも入れて腰から下げていたのだろう。
黒沢明監督の「七人の侍」では、前半の三船敏郎さんと千秋実さんが小さな革袋を腰からぶら下げているが、恐らく火打石セットだろうと思う。革袋がなくても材料が簡単に入手できる竹筒もアリな訳ですな。
着火したモグサを植物繊維に包んで息を吹きかければ炎に育てることはできるが、昔の人は屋外でどのようにして繊維を手に入れていたのか?杉や松の樹皮の内側の柔らかい部分をほぐして作ったものか調べたが文献には見当たらず、実際を知りたいものだ。
私の場合はジュート紐をほぐしたモシャモシャ状にした繊維を使うが、2月の忍者入門講座で披露したら子供たちはビックリするだろう。
「石のまち糸魚川」を宣伝したいなら鉱物学だけでなく、こんな遊びの要素があると興味を持ってもらえる。
チャート、石英、頁岩、瑪瑙、そしてヒスイと、火打石になる石はゴロゴロ転がっている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます