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直進できないシーカヤック初心者を沖に出してはいけないし、置き去りにしてはいけない・・・上越地域SEA TO SUMMIT 2022実証実験

2021年08月22日 07時04分53秒 | 田舎暮らし

レスキュー要員を頼まれていたシーカヤックイベント実証実験が終了したが、主催者の危機管理意識の低さに驚いた。

このイベントは、某アウトドアメーカーが主催して、糸魚川市がシーカヤック・上越市がサイクリング・妙高市を登山を担当する、来年度予定の#上越地域SEA TO SUMMIT 2022の誘致活動の一環・・・であるらしい。

救助要員は能生地区に拠点をおき、私も所属するB&G海洋クラブ。サーファー艇を載せた救助艇1隻の他にジェットスキー2台の陣容。他に海岸利用組合から3隻の漁船がでていた。

 
事前打合せで、初心者にいきなり岩だらけの磯から出艇させるのは危険であるので出艇場所の変更と、静かな湾内で練習させてからスタートさせないと無謀すぎるとのアドバイスは却下され、受け入れられたのは参加者のヘルメット着用のみ。
海面下に広範囲に暗礁が点在する磯からの出艇は、初心者には危険すぎる。イベント当日には乗船時に転覆した子供もいたようだ。
この磯は凪の時なら楽しいシーカヤック遊びができるのだが・・・写真撮影時のお盆の頃は、砕けた波が高さ4mくらいの防波堤を超えていた。
 
すでに決定事項なので今年は当初計画通りに実施して、来年の参考にしたいとのことのことだった。
 
幸いにも前日までの波がおさまって出艇時の事故リスクは回避されたものの、あろうことか開始早々に主催側のカヤッカーを含めた上級者たちが先に行ってしまい、直進できずに右往左往する初心者グループが置き去りにされ、レスキュー範囲が広くなりすぎる嫌な予感。
初心者グループの中で手前の赤い二人艇が取り残され、この数分後に転覆。
 
最後尾にいた二人乗りの艇が出艇したばかりの磯の沖で、左ばかりに回っているので救助艇を寄せてみたら、パドルを左手を逆手、右手を順手に持った滅茶苦茶な漕ぎ方をしている上に、前と後ろの漕ぎ手の息が合っていない。
 
船上からアドバイスしても埒が明かないのでサーファー艇を降ろして横で漕いでみせたが、クルクルと方向が変わるので見本を見てもらえる状態ではない。
 
シーカヤックは滅多なことでは転覆しないのだが、前を漕いでいた少年がパドルをぐいっと海面に深く突き立てたから急ブレーキがかかり転覆。
これを心配していたのだ。
 
自在に漕げるようになるまで、初心者は沖に出してはいけない。
 
またレースではないのだから、今回のようにスキル別のクラス分けがされていない状態なら、上級者は初心者を置き去りにして焦らせていけない。ましてや主催者は最後尾を漕いで全体を見守らなきゃ。
転覆した二人を救助艇に乗せてから転覆したカヤックに乗り移ったが、腰まで水が入っているので漕いでも進まず、また岸に付けようにも最寄りの岸はテトラポットで覆われ着岸不能。
 
迷走しつつでも初心者集団は遥か彼方に行ってしまったので、水をかきだしつつジェットスキーで牽引してもらった。
ゴール1キロ手前で初心者集団に追いついたので、ジェットスキーはそちらに回ってもらい、私は漕いでゴール。
 
フラフラと迷走する初心者グループを置き去りにするとはシーマンシップに反するし、主催者として無責任過ぎるのではないか?と主催者側のカヤッカーに猛烈に抗議したら、「いやぁ、レスキューボートがいたのでお任せしたのですが・・・」と頓珍漢な答え。
 
行政が「まぁここは来年の反省点として・・・」と間に入って抗議を中断された。
 
さえぎられなかったら「ざけんな、レスキューは最終手段だ!まっすぐ漕げるように指導してから沖にだせよ、それが主催者の責任だろうが、ばかやろう!」とマジ切れで怒鳴っていたヨ。
 
これは来年の課題ではなく、初心者を置き去りにしたまま、浜で談笑している君の今の行為は主催者として、シーカヤッカーとしてどうなのか?と、その見識を問うているのだ。
 
参加者から海は怖い、シーカヤックは危険!なんて苦手意識を持たれたら逆効果ではないか。想像力がなさ過ぎる。
 
沈したカヤックをゴールまで運んだ礼も言われなかったので、沖に置いてくればよかったナ・・・転覆艇の回収まで頼まれてないし。ちなみに主催者が用意したカヤック(笑)
 
計画の見直しが必要との再三のアドバイスも聞かずに、責任の所在が明確でない状態でとりあえずやってみるでは、まるでインパール戦ではないか。なんか変ですよ、最近の日本は・・・。
出艇地の磯から500mほど西には護岸に囲まれた静かな弁天浜があり、ここでスキルを見極めてクラス分けして、初級者グループはここで練習させ、直進できるようになってから沖に出すべきと主催者に力説したが却下。
 
ナショナルジオパークが売りの糸魚川なのに、人気のジオサイトである弁天岩が鎮座する弁天浜を会場にしないのはなぜか?答えは簡単で、ゴール地点の筒石漁港を目指すには、弁天浜に隣接する小泊漁港を超える必要があり、漁港との折衝が面倒ということだろう。
 
赤い欄干の曙橋はスタートラインとしてインスタ映えするのにもったいない話し。
 
来年は150人規模のイベントにしたいそうだが、今朝の朝刊で関係者の談話として、海洋スポーツの盛り上がりになればとか、スムーズに成功したとあった・・・みなさん大本営発表は信じちゃダメ~(笑)
 
転覆した少年もインタビューされていて「サポートがあったので安心した」とコメントしていたのがせめてもの慰みだが、これは臨機応変に動いた海洋クラブのマンパワーであることをお忘れなく。
 
組織と危機管理意識の見直し、そして主催者が海遊びの理解度を深めないと人身事故が起こりますよ。
 
 
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