互選高点句/5月3日

27名の方々から81句の投句があり、27名が互選に参加されました。
以下、5月3日投句分の互選最終結果です。同点は投句者名五十音順となっています。

【最高点/14点】
◎間八に光る滴が夏の潮/かわなますみ
【次点/12点】
○春潮を一本釣りの船帰る/おおにしひろし
【11点】
○民宿の窓の限りを春夕焼/篠木　睦
【10点】
○ポピー咲く丘吹く風を呼ぶように/あみもとひろこ
【9点/同点2句】
○お見舞いの花束のはや夏の色/池田加代子
○谷風に研ぎ澄まされて藤の花穂/野田ゆたか
【8点】
○みずみずし朝の間の柿若葉かな/大山　凉
【7点】
○地震のあと春灯しばし揺れ残る/臼井虹玉
【6点】
○悠久の利根の流れや畑打つ/小口泰與
【5点】
○リラ冷えの午後の外出上着持つ/堀佐夜子
【4点/同点4句】
○天と地にあお満ち憲法記念の日/飯島治蝶
○時刻む五月の部屋にある平和/小川美和
○マンションの窓に矢車の音の和す/尾崎　弦
○荷を解けば山の香独活の香りたつ/大給圭泉


互選最優秀句(コメント付き)は2点、並選(コメント無し)は1点として集計しています。互選をされていない方の得点は無効となっております。間違い等ございましたら、お知らせください。（集計/臼井虹玉）

入賞句/5月3日

■高橋正子選

【最優秀】
★みずみずし朝の間の柿若葉/大山　凉 (添削)
「朝の間」と限定したことで、柿若葉のみずみずしさが、かがやくように伝わってくる。（高橋正子）

【優秀Ⅰ/１０句】
★谷風に研ぎ澄まされて藤の花穂/野田ゆたか
中七の「研ぎ澄まされて」がいいですね、特に好きな句です。(篠木　睦)

★地震のあと春灯しばし揺れ残る/臼井虹玉
景がよく見えます。余韻のある句です。(飯島治蝶)

★ポピー咲く丘吹く風を呼ぶように/あみもとひろこ
万博公園の丘一帯にで咲くポピーを思います。風を受けてみたくなりました。(祝　恵子)

★間八に光る滴が夏の潮/かわなますみ
まだ光っている潮の滴と匂いをそのまま持ち帰ってきた新鮮なかんぱち、心が弾みます。(大山　凉)

★マンションの窓の矢車の音に和す/尾　弦（添削）
お子さんのおられる家の窓にはこいのぼりが出ている。風が吹くとそれらの矢車が一斉に回る。「音の和す」で景色が一辺に展開するように感じました。(碇　英一)

★水色の浅くかぶりし夏帽子/吉田　晃
★民宿の窓の限りを春夕焼/篠木　睦
★ほこほこと水入れる前の田を均す/碇　英一
★お見舞いの花束のはや夏の色/池田加代子
★硝子器を拭きあげはやも夏近し/宮地ゆうこ（添削）

【優秀Ⅱ/１６句】
★春潮を一本釣りの船帰る/おおにしひろし
海の無い奈良におりますと、海のいろんなものに憧れます。一本釣りと春潮と、それだけで、海の生活が満ち溢れて感じられます。 (あみもとひろこ)

★天と地にあお満ち憲法記念の日/飯島治蝶
あお満ちるこの季節だからこそ、人の在り方・国の在り方を真摯に考えなければと思わされます。(宮地ゆうこ)

★迷い道抜けて林檎の花盛り/ふるたけいじ
不安な気持ちが続いていて、目の前に一面の林檎の花が見えた時の喜びと感動が伝わってきます。(藤田裕子)

★吾が影も屈みてポピーの花を見る/祝　恵子
ポピーの花と同じ高さで、花をみておられる。そして影も。やさしいお気持が伝わってきます。万博公園、子供と過した懐かしいところです。(あみもとひろこ)

★女子寮の窓へ茂れる蔦若葉/除門喜柊（添削）
もう蔦の若葉が伸び始めました。あっという間ですね・・ぐんぐん伸びて。(おおにしひろし)

★ゆったりと利根の流れや畑を打つ/小口泰與（添削）
川の流れも土耕す人の営みも、永いあいだ変わることなく続いてきたもの。大きな自然につつまれて畑打つ確かな力が伝わります。(宮地ゆうこ)

★リラ冷えの午後の外出上着持つ/堀佐夜子
リラ冷え・・・綺麗な季語ですね。「ザ・俳句歳時記」では季語として傍系で載っていますね。一度は私も使いたいと思っています。堀様の句は実感があります。(おおにしひろし)

★母の居の見えきて吹ける若葉風/小川美和
★わだつみの声や憲法記念の日/安丸てつじ
★のり粗朶の交互に積まれ浜大根/澤井　渥
★きらきらと船を遠くに夏の海 /丸山草子
★葉桜のトンネル貫けて美術館/中村光声
★新しきパソコン八十八夜かな/多田有花
★荷を解けば山の香独活の香りたつ/大給圭泉
★ボール打つ手のしなやかさ風光る/長岡芳樹
★蕗味噌の朝餉の余韻持ち歩く/能作靖雄


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互選高点句/5月2日

25名の方々から75句の投句があり、24名が互選に参加されました。
以下、5月2日投句分の互選最終結果です。同点は投句者名五十音順となっています。

【最高点/17点】
◎藤の風入れて役場は昼休み/篠木　睦
【次点/14点】
○亡き父に供えし新茶のあたたかく/飯島治蝶
【13点】
○なりたての五月の風を我が家にも/臼井虹玉
【10点】
○真円の落日見せて黄砂降る/ふるたけいじ
【9点】
○蕗茹でる鍋の長さに切り揃え/祝　恵子
【7点】
○摩天楼の出口入口つつじ燃ゆ/中村光声
【6点】
○八十八夜畑のもの勢いづく/野田ゆたか
【5点/同点2句】
○五月来るはじめて命生みし月/丸山草子
○羽持てるものの明るさ花水木/宮地ゆうこ
【4点】
○やりすごす雷雨やロックを口ずさみ/池田加代子


互選最優秀句(コメント付き)は2点、並選(コメント無し)は1点として集計しています。互選をされていない方の得点は無効となっております。間違い等ございましたら、お知らせください。（集計/臼井虹玉）

入賞句/5月2日

■高橋正子選

【最優秀】
★蕗茹でる鍋の長さに切り揃え/祝恵子
長い蕗は、そのままでは、到底鍋には入らない。鍋に入る大きさに切りそろえる。当たり前と言えば当たり前。理にかなっていると言えばかなっている。そこが面白い。（高橋正子）

【優秀Ⅰ/１０句】
★真円の落日見せて黄砂降る/ふるたけいじ
黄砂降る空に見られた大きな夕日。「真円の」に、作者の感動が伝わります。(臼井虹玉)

★亡き父に供えし新茶のあたたかく/飯島治蝶
新茶の季節になりました。温かい新茶の香りが仏壇に広がります。わたしもそうしようと思います。(池田多津子)

★摩天楼の出口入口つつじ燃ゆ/中村光声
林立するビル街にも、そこここにツツジが咲き誇って鮮やかですね。(臼井虹玉)

★受け継ぎし太き柱に鯉のぼり/吉田　晃
★矢車の朝日に高く回り初む/池田多津子
★窓に咲く菖蒲新たな色見せて/渋谷洋介
★囀りの止みて広がる茜空/大山　凉（添削）
★軒端よりまっすぐ白く初夏の雨/池田加代子
★沖風は雨催いなり行々子/澤井　渥
★八十八夜畑のものの勢いづく/野田ゆたか（添削）

【優秀Ⅱ/１４句】
★チューリップ揃って南に揺れにけり/小口泰與
暖かいほうを向いて揃って咲いているチューリップに心和みます。(池田多津子)

★なりたての五月の風を我が家にも/臼井虹玉
清々しい爽やかな五月に「なりたて」の風を窓や戸を開けて部屋に通したくなります。五月の風が強調され句意をまっとうしています。(おおにしひろし)

★花水木かろやかに舞う蝶のいて/宮地ゆうこ
花水木の花と、風に吹かれるように飛ぶ蝶と、一つのもののように、感じられました。(あみもとひろこ)

★ジャスミンの香り初めたり隣より/堀佐夜子（添削）
隣家から漂い始めたジャスミンの香り。甘くて素敵な香りを分けていただいているようなうれしさがありますね。(臼井虹玉)

★若楓かさなる先に白き塔/かわなますみ
若楓の先に教会の尖塔が見える。白とみどりの対比が美しい。(ふるたけいじ)

★小さき波立てて早苗田きらきらす/黒谷光子
早苗が植えられたばかりの田は水が豊かで、「きらきら」と小さな波が動きます。好きな風景です。(池田多津子)

★潮騒の荒ぶ卯波の護岸に散る/おおにしひろし
★城跡に幟立ちけり草相撲/除門喜柊
★藤の風入れて役場は昼休み/篠木　睦
★青き踏むキャッチボールの親子づれ/大給圭泉
★あたたかき葉を除けそこに土蛙/丸山草子
★ほうき星現われる夜五月来ぬ/あみもとひろこ
★夏近し潟に小舟を漕ぎ出す/長岡芳樹
★昨日夏八十八夜の霜予報/能作靖雄（添削）


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▼伝言などは、下記の＜コメント＞にお書きください。

互選高点句/5月1日

29名の方々から87句の投句があり、25名が互選に参加されました。
以下、5月1日投句分の互選最終結果です。同点は投句者名五十音順となっています。

【最高点/16点/同点2句】
◎展望台ぐるりと空と菜の花と/甲斐ひさこ
◎葉桜のさざめく濠の水みどり/かわなますみ
【次点/13点】
○風も水も五月の山を出でて来し/宮地ゆうこ
【11点】
○パレットの緑いろいろ風卯月/篠木　睦
【10点】
○都心にも海の風来る聖五月/中村光声
【8点/同点2句】
○食べ頃の日付書かれてメロン来る/臼井虹玉
○早苗田に雲を映して風映す/黒谷光子
【5点/同点3句】
○鉄橋を渡りて茅花光る旅/あみもとひろこ
○きらきらと五月生るる青葉山/おおにしひろし
○悔やむこと少しは残し春惜しむ/野田ゆたか
【4点/同点4句】
○初蝶の羽を立てては休みおり/祝　恵子
○一点を破りそこより蘖ゆる/臼井虹玉
○仰ぎたる茜の浅間花あんず/小口泰與
○校庭に勿忘草のある花壇/除門喜柊


互選最優秀句(コメント付き)は2点、並選(コメント無し)は1点として集計しています。互選をされていない方の得点は無効となっております。間違い等ございましたら、お知らせください。（集計/臼井虹玉）

入賞句/5月1日

■高橋正子選

【最優秀】
★展望台ぐるりと空と菜の花と/甲斐ひさこ
口語のリズムが、晴れやかな気持をすなおに表している。展望台からぐるりと見回す空と菜の花の明るい色に、すっかり魅了された気持が、飾り気なく詠まれている。（高橋正子）

【優秀Ⅰ/１０句】
★都心にも海の風来る聖五月/中村光声
都心を吹き抜ける一陣の風。五月の青さと爽やかさに充ちた、これはきっと海からの風。(宮地ゆうこ)

★鉄橋を渡りて茅花光る旅/あみもとひろこ
旅の楽しさが、流れるように詠まれました。列車の窓から見れば、流れるような白が美しい時間だったでしょう。(おおにしひろし)

★町並みの桜若葉に閉ざされし/吉田　晃
透きとおるような淡い花の時期を過ぎて、葉桜のなんと厚く深いこと。町並みが隠れてしまうほどに、濃いみどりの夏がそこまで来ています。(宮地ゆうこ)

★葉桜のさざめく濠の水みどり/かわなますみ
葉桜のみどりが映り、藻も青々としてお濠は美しく揺れています。先日、そんな情景を目にしてきました。実感です。(大山　凉)

★風も水も五月の山を出でて来し/宮地ゆうこ
★早苗田の雲を映して風映す/黒谷光子（添削）
★パレットの緑いろいろ風卯月/篠木　睦
★メーデーや掲げる旗無く家にいる/ふるたけいじ
★行く春の都心の街にチンドン屋/飯島治蝶（添削）
★日照り雨つばめ一閃して返る/小西　宏

【優秀Ⅱ/１８句】
★校庭に勿忘草のある花壇/除門喜柊
空色の小さな花。卒業生が、私達を忘れないで、と植えていったのかもしれない。(ふるたけいじ)

★仰ぎたる茜の浅間花あんず/小口泰與
茜色に染まる浅間山に花あんずの白い花がうつくしく映えている様子を思います。(臼井虹玉)

★食べ頃の日付書かれてメロン来る/臼井虹玉
「食べ頃」となってメロンの甘い香りが漂いはじめる。美味しさだけでなく、待つ楽しみも到来ですね。(宮地ゆうこ)

★行く春や地這う木の根の生き生きと/大山　凉
地面を大きくがっしりと捉えている木の根と、行く春と。新しい季節が見えてきます。(あみもとひろこ)

★初蝶の羽を立てては休みおり/祝　恵子
休み休み飛んでいる初蝶の動きに心を留められておられる様子が優しく伝わってきます。(臼井虹玉)

★森の中初夏の日射しを受け青き/小川美和
鮮やかな青緑は初夏の代名詞の様に、特に日差しの中では美しく耀きます。森の中であれば尚更でしょう、そんなことを連想しました。(おおにしひろし)

★潮の香や防風林の松の芯 /澤井　渥
★この垣は吾が居と決めて青大将/丸山草子
★悔やむこと少しは残し春惜しむ/野田ゆたか
★緑さす吊橋の先の宿灯り/大給圭泉（添削）
★藤の花二房三房が交番に/堀佐夜子（添削）
★鯉のぼり渡して谷にげんげ咲く/多田有花
★図書館に俳書を拾う遅日かな/ 安丸てつじ
★きらきらと五月生るる青葉山/おおにしひろし
★葉桜の色濃き翳や君の逝く/渋谷洋介
★黄昏し街路の華よ花みずき/能作靖雄
★ざわめきも去り葉桜の川堤/河ひろこ
★真っ直ぐに蘆の角立つ潟の面/長岡芳樹


■投句選句箱
http://bbs5.cgiboy.com/p/50/03007/

■ブログ句会
http://blog.goo.ne.jp/npo_suien102/

▼伝言などは、下記の＜コメント＞にお書きください。

互選高点句/4月28日-30日

30名の方々から90句の投句があり、25名が互選に参加されました。
以下、4月28日-30日投句分の互選最終結果です。同点は投句者名五十音順となっています。

【最高点/15点】
◎田に水の入り初め峰に遅桜/多田有花
【次点/12点】
○五月鯉水より青き空がある/おおにしひろし
【10点】
○刻々と植田雨雲わたり過ぐ/大給圭泉
【9点/同点2句】
○草の笛音程なかなか定まらず/ふるたけいじ
○どの花も真上あおぞら姫女苑/宮地ゆうこ
【7点】
○故郷に来て初蝶に出会いけり/黒谷光子
【5点】
○行く春や小学唱歌の文語体/臼井虹玉
【4点/同点4句】
○ありたけの若葉匂い来風に立つ/臼井虹玉
○欅若葉そそぐ太陽欲しいまま/大山　凉
○旅人を見送りひとり朧かな/除門喜柊
○一湾にたゆらたゆらに卯波来る/中村光声


互選最優秀句(コメント付き)は2点、並選(コメント無し)は1点として集計しています。互選をされていない方の得点は無効となっております。間違い等ございましたら、お知らせください。（集計/臼井虹玉）