デイリー句会入賞発表

選者 高橋正子
水煙発行所

これより前と後は

2007-07-16 20:46:27 | Weblog
■これより前は、<デイリー句会など各種句会入賞作品>です。これより後は<青樹句会入賞作品>です。

▼ 沙羅句会第1回句会(7月23日)

2007-07-16 11:50:13 | Weblog
■高橋信之選

【金賞】
★風光り今日は馬上の人となる/笠間淳子
一読すれば、誰もが同じ風景を思い浮かべるであろう。読みにずれは無い。将に風光る季節であり、「馬上の人」である。(高橋信之)

【銀賞】
★ほととぎす谺の向こう道は無し/滑川けい子
「道は無し」と言い切ったところが「ほととぎす」らしさを捉えて充分だ。「谺の向こう」が効いた。ほととぎすは、昼夜の別なく「テッペンカケタカ」と鳴くと言われるが、私にとって懐かしい鳥だ。松山の郊外に住んでいた頃は、朝方に鳴く声をよく聞いた。幼い二人の子供たちがいた。その家は、辺りの山林が鳥獣保護区なので、雉の鳴く声も珍しいものではなかった。青葉木菟も懐かしい。(高橋信之)

【銅賞2句】
★楢の木に小鳥飛び来て独歩の忌/高橋正道
「楢の木に小鳥」は、嘱目であるか、想像であるか、を問わなくても、忌日を詠んで、この句に無理が無い。自然の風景を描いて一句に、作者の思いが込められ、独自な良さがある。「楢の類いの落葉林の美」を描いた国木田独歩の小説『武蔵野』を思う。(高橋信之)

★セザンヌの庭に水打つ荒き音/中山重孝
「荒き音」がいい。作者の強い実感であり、「セザンヌの庭」に寄せる作者の強い思いでもあろう。(高橋信之)

【入選/5句】
★夕闇に白さの浮かぶ沙羅の花/かつらたろう
★良く咲いてくれた紫陽花おおぶりに/松本千恵子
★夏雲や大往生の叔母送る/黒沼風鈴子
★冷麦や音立ち過ぎる今日の風/小河原銑二
★紫陽花の向こうは雨のノルマンディー/友田 修


■高橋正子選

【金賞】
★夕景の噴水白を極めたり/滑川けい子
噴水の水は風や、日の光によって、いろいろな姿を見せてくれる。暮れなずむころは、光も弱まり、噴きあがる水が、「白を極めたり」となる。よい発見に水の本質が読める。(高橋正子)

【銀賞】
★さるすべり天近きより咲き始む/黒沼風鈴子
さるすべりは、よく見るとフリルのような小さい花が咲き集まっている。炎天にも負けず、天に近いところから、天に触れて咲き始めるのが、ことに美しい。(高橋正子)

【銅賞】
★穏やかな桜と父の七回忌/友田 修
七回忌ともなると、故人への思いや、その他のことも一通りは整理がついて、落ち着いて、むしろ懐かしい部分が増える。その穏やかな気持が「穏やかな桜」となった。しみじみして、通り抜けた明るさがある。(高橋正子)

【入選/6句】
★うみやまと囲まれてあり星涼し/高橋正道
★セザンヌの庭に水打つ荒き音/中山重孝
★夕闇に白さの浮かぶ沙羅の花/かつらたろう
★かろやかに自転車に乗る子供の日/松本千恵子
★冷麦や音立ち過ぎる今日の風/小河原銑二
★馬鈴薯の花広がれば青き空/笠間淳子


■互選高点句最終結果
□9名の方から27句の投句があり、8名が互選に参加されました。
以下は、<第1回句会/7月23日>の互選最終結果です。すべて1点として集計しています。

【最高点/6点】
★さるすべり天近きより咲き始む/黒沼風鈴子

【次点/4点】
★馬鈴薯の花広がれば青き空/笠間淳子


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