Life in Tokuyo 108_間食

2010-04-09 | Care Work



 先週のことです。
 入所者Aさん(70代・女性)にご主人が面会にお越しになっていました。ご主人は週に一度ほどはAさんの面会にお越しになられています。来所する時間はまちまちなのですが、その日は午後1時から4時くらいの間でした。
 Aさんの居室は特殊機械浴の部屋の前にあり、私が浴室介助業務を終えて廊下に出たところでAさんご夫妻も居室から出てこられました。
 そこでAさんが私に質問されてきました。

 「●/▲―■○÷■*・・・・・」

 Aさんの声はとてもか細く、発音も不明瞭なところがあり、上手く聞き出せなかったのですが、どうやら「おやつ」が欲しいようです。
 私たちの施設では週に二回、市内の商店が出張して施設内でお店を開きます。お菓子やらパンなどの食料品も販売しています。Aさんは、そのお店で買物をしたかったようです。
 残念ながらその日はお店が開かれる日ではなかったため、その旨をAさんに伝えると、代わってご主人が意外なことをAさんに対しておっしゃいました。

 「せっかく買っても職員が事務所に持っていっちゃうじゃないか」

 確かに私たち職員は、Aさんのお手元にあったお菓子類を職員室でお預かりしました。しかし、それはあまりにも大量であったため、Aさんが一度に食べてしまう可能性があったからです。現におせんべいを一袋(10数枚入り)やスナック菓子一袋を昼食と夕食の間に食べてしまったりしたことがありました。
 お預かりしたお菓子類は、小分けして数回に分けてAさんのおやつとして毎日Aさんにお渡ししています。

 施設では、入所者に必要な栄養はきちんと考えて毎日の食事やおやつを考えています。栄養面では全く問題は無いのですが、ご家族からすると、美味しいものを食べさせてあげたいお気持ちもあるでしょう。それは私たちにもよく分かります。せっかく面会に来られたのですから、お茶とお菓子を食べながらの方が会話も弾むというものだと思います。

 しかし、入所者の多くの方々は、認知症であったり、そうではなくても楽しみの少ない施設の生活の中では食べることが楽しみになり、なかなか適度な「間食」が難しいものです。いくらなんでも「おやつにおせんべいを10数枚」は多いと思います。ある程度は施設側の「間食管理」が必要なのは止むを得ない措置だと思います。
 ご家族の方々にもご理解を得たい問題なのですが、Aさんのご主人のお言葉からは理解を得られていない様子が伺えました。

 トップの画像は、今夜20時頃に撮った近所の桜です。今年の東京・多摩地区の春は、気温が「三寒四温」というよりも「五寒二温」くらいの感じで、例年よりも寒い日が多いような気がします。桜も長持ちしているようです。


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4 Comments

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コタローママさまへ (non_B)
2010-04-11 12:23:53
私自身が「適量の」間食ができず、ついつい食べ過ぎてしまいますから、決してAさんとご主人を咎めるようなことは言えないのですが、高齢者、それも持病のある方にとっては、食べすぎからくる腹痛に始まり、更に違う病気に発展してしまう可能性もあります。
間食が絶対にダメというわけではなく、ほどほどであれば何の問題も無いのですが...

ご家族にとっては愛情表現の一つなのかもしれませんが、その形が過剰なものになってしまうと、大きなしっぺ返しを受けてしまう場合も有り得ます。
距離感が難しいですね。
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我が家も難しいです (コタローママ)
2010-04-10 16:28:36
ご家族の気持ちもわかります。。
好きなものを食べさせてなにが悪い。。
難しい問題ですね。

我が家は買い置きのお菓子をあちこちに積み上げてますが、、お留守番さんには一度に食べてよろしいせんべいの数を指示してます。。

それから小分けになっているお菓子。。

スナックやポテトは適量がわからなくなるので買わないことにしました。

お食事を充分に楽しむために、ご家族の方にも理解していただけるといいですね。



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昨日はハナミンママさまへ (non_B)
2010-04-10 09:56:42
少し冷え込んだ昨夜は、MBG...もといハナミンママさまにとっては程よい気候だったのでしょうか?
日本人は、やっぱり桜を愛でると心も落ちつくと思います。

入所者の方々への介護のあり方については、ご家族と意見が合わないことは往々にして起きてしまいます。
自分の大切な家族を施設に預けるというだけで不安を持つこともよく分かりますし、何につけ言いたくなるかもしれません。
ハナミンママさまがお気づきのとおり、ある種の「後ろめたさ」をお持ちなのも職員は気づいています。
ご家族の皆さんと私たちが敵対するような関係になってもいけませんし、折り合いをつけるのがなかなか難しいところです。
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Unknown (今日はハナミンママ)
2010-04-09 23:57:50
ワタシも毎晩、煮えた頭を冷ましつつ、ハナコ散歩を少し遠回りして
ご近所の夜桜を見てきます。
今年は少し長持ちですね。

ご本人の為にやっていることが、ご家族になかなか理解されないことはままありますね。
そのご主人は頻繁に奥様にお会いに来られるということは、
きっと奥様を施設に入所させていることの後ろめたさと可哀想という気持ちが強いのだと思います。
それが一種の甘やかしの言動となって出てしまうのでしょうか。
入居者さんにとっては施設内が日常生活の場となり、その中での責任はお世話をする施設側に移っているということが、ご主人様にとっては心情的にはなかなか割り切れないところなのでしょうね。
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