一昨日は宿直勤務でした。
午後6時半に日勤業務を終えて、その後に宿直業務に入ります。6時半~7時の間に夕食を摂ることが多いのですが、一昨日は少し夕食の時間が遅くなりました。
この時間は入所者の夕食後の後処理業務があります。それは夕食時に使用した「おしぼり」の洗浄・滅菌処理とエプロンの洗濯・乾燥です。
一昨日はこれらの業務を入所者のOさん(女性)がお手伝いしてくださり、私もその作業に加わって、その後Oさんがとった行動を観察していたからです。
ひととおり業務を終えて、Oさんがマーク付きの笑顔と声で私に声をかけてきました。
「ハサミと糊を貸してくれるぅ~?」
Oさんが何のためにハサミなどを使おうとされているのか分かりませんでしたが、Oさんがハサミを使って切り始めたモノを見たら、失礼ながら私は思わず笑ってしまいました
Oさんがハサミで切っていたのは、スポーツ新聞に大きく掲載されていた早稲田大学野球部の斉藤投手=「ハンカチ王子」が投球している姿の写真でした。
ていねいに、ていねいに、写真に被さっている「見出し」部分を切り除いていって、形を整えていって...
切り取られた写真はA5サイズくらいだったと思います。それを何かの空き箱をこれもまた丁寧に切り取って台紙にして、ぺたぺたと何度も押しながら糊付けしていました。
この間、約15分くらいだったと思いますが、Oさんの作業は「おしぼり巻き」よりずっと一生懸命な様子でした
わたし:「斉藤投手のコト、好きなの?」
Oさん:「大好きよぉ~だって、爽やかじゃなぁ~い」
高齢者のアイドルの特徴の一つのキーワードは「爽やかさ」かもしれません。以前にも「氷川きよし」さんの大ファンの方がいらっしゃいましたが、氷川さんも「爽やかさ」を前面に出していると思います。
そして、女性の方が好きなタレントさんなどを挙げることが多いような気がします。男性はあまりオープンに語られません。実際には居室のテレビに映る女性タレントを興味深そうにご覧になっている男性入所者も多いのですが...
Oさん、一通りの作業を終えてため息まじりに呟いていらっしゃいました。
「私の足が悪くなかったらねぇ...神宮(球場)に見に行くのにねぇ...」
Oさんはほとんどの生活動作をお一人でこなすことができます。が、移動には車椅子は欠かせません。Oさんはご自分の足で自由に歩いて、電車やバスに乗って、神宮球場の階段を昇り降りして、斉藤投手の応援をなさりたいのでしょう。
切なくなってしまうOさんの呟きです。こんな言葉が発せられる時は私たちも受け答えに困ってしまうときです。
画像は妙な風景ですが、東京・立川市内を流れる多摩川の風景です。多摩川の中流域にあたりますが、岩盤を侵食して、川の流れが幾筋にも分かれています。
southAsia様のブログも拝見しました。
これからもROMのみでもけっこうですので、お読みつづけください。
楽しみにしてるんで更新頑張って下さいね!
僕のブログではターバン野口の折り方を紹介しています。
暇があったら是非どうぞ。
http://panicblog.blog109.fc2.com/?eid=5307