Life in Tokuyo 63 Ⅰさんのお店が危ない?

2007-05-16 | Care Work


 認知症を患う入所者と会話を交わすとき、お互いが言いたいことが上手く伝わらないことは多々あります。認知症の症状の程度にもよりますが、会話がまったく噛み合わなず、第三者が聞いたら何の話をしているのか理解に苦しまれるかもしれません。

 私たちの施設の入所者のお一人Ⅰさん(女性)もコミュニケーションをとることが非常に難しいお一人です。意思疎通をとることが難しいのですが、そのちぐはぐな会話は楽しくもあります。
 ごく稀にちぐはぐだった会話が噛み合うことがあり、それがとても面白い噛み合わせになったりもします。
 Ⅰさんはかつてクリーニング店を営んでいらっしゃったそうです。私たちは、Ⅰさんが働いていらっしゃった頃を思い出していただくようにお店に関連した問いかけをすることがあります。

 わたし:「Ⅰさん、クリーニング屋さんは忙しいの?」
 Ⅰさん:「...わかんない...」

 というような短い答えばかりなのですが、あるとき、上手く(?)噛み合ったことがありました。

 わたし:「Ⅰさん、クリーニング屋さんの景気はどう?」
 Ⅰさん:「...あぶない...」

 Ⅰさん、「あぶない」という言葉の意味を理解されたうえでお答えになったのでしょうか?微笑みながらお答えになりました。「危ない=経営が厳しい」という風にとらえるのが一般的に受け取り方だと思うのですが...

 認知症を患うと、語彙も減ってきてしまいます。短い言葉でも声に出していくことは大事なことかもしれません。Ⅰさんにも、正しい言葉の使い方でなくても、声に出して言葉を発していただきたいと思います
 でも、ちぐはぐな会話や偶発的に会話が妙な方向に噛み合うことを私たちは楽しんでいる部分もあるのですが...

 画像は本文とは関係ありません。少し前に出かけた神奈川県・城ヶ島の漁港の風景です。
 



 

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