- 2022年4月6日(水/友引):外は小雨です。
「ここは1丁目1番地書店」(ラジオカロスサッポロで放送中)で、「来週は誰の誕生日」を放送しています。
日本の主な作家さんの誕生日と主な作品を紹介するのですが、誕生日を調べていると、
「え?、この作家さん、亡くなってるの」ということがあります。その中の一人が葉室麟(はむろ・りん)さんです。
以前、直木賞受賞の『蜩(ひぐらし)の記』を読み、
歴史小説は読むけど時代小説はあまり読まない僕は感動しました。
それですっかりファンになったのですが、だからといってそれっきりでした。
でも今回亡くなっていることを知り、色々読んでみたくなったので『川あかり』を読みました。
この2作品に共通している主人公は若い侍です。
それぞれが、藩の上司から与えられた任務を持って行動します。そして、
その任務に忠実であろうとするけど、忠実であろうとすればするほど、
武士の忠義における葛藤が生じる出来事が起きて、そこから葉室ワールドが広がっていくといった感じです。
二人はともに悩み、それでも任務を遂行していこうとします。
僕は読んでいてふと思うのですが、かつて僕も青春をしていた時、
この2人のように悩んだことがありました。でも、青春が彼方に消えてしまった今、
若い2人のように葛藤することもなく、いいんじゃないの、仕方ないしょ。
ですべてを終えてしまっています。
「人は挫折をするから成長もする」という言葉があって、
葉室麟さんの2作品に惹かれるのは、
人として腹黒くなってしまった自分に後悔があるからかなぁ・・・・・と思ったりもしています。